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強い経理のつくりかた

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強い経理があれば長寿企業になるわけではないけれど、長寿企業には必ず強い経理があります。強い経理になるために経理部員に何ができるのか、考えていきたいと思います。
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記事一覧

【経理の仕事】本当に "同じことを繰り返す仕事" なのか?

こんにちは、きくちきよみと申します。 元・舞台照明家→事業会社経理(いろいろ)→会計事務所・税理士法人(いろいろ)→税理士法人代表です。 経理の仕事に就いたことがない方に、経理の仕事に就くことを考えない理由を聞くと「地味でつまらなそう」「同じことを繰り返す仕事だと聞いたので魅力を感じない」という理由が多いです。 また、経理の仕事を辞めた方にその理由を聞いても「毎日・毎月・毎年同じことをやるので飽きた」ということを理由に挙げる方もいらっしゃいます。 今日は「経理の仕事は、

【新人経理向け】毎年1月によく受けるご質問。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 毎年1月末は、法定調書合計表と償却資産申告書の提出・申告期限です。各法人の決算期は全く関係なく、提出時期は毎年1月末に設定されています。 書類作成の手引きを読み込めば理解できる内容がほとんどなのですが、手引きの読み込みだけでは理解しにくい部分もあります。この時期、法定調書合計表や償却資産申告書の作成にあたって、特に新人経理さんからよく受ける質問がありますので、思うことをまとめて書いておきたいと思います。(正解を知らないご

【経理】"前任者通りの作業" という説明は、1年目で終わり。

こんにちは、きくちきよみと申します。 元・舞台照明家→事業会社経理(いろいろ)→会計事務所・税理士法人(いろいろ)→税理士法人代表です。 経理部はスタッフの入れ替えがあることもあると思いますが、新しく経理担当になったスタッフは、どうしても「前任者同様」の作業になりやすいと思います。 今日は「1年目は意味がわからなくても前任者同様の作業でやむを得ないが、2年目以降は、理解を進めて業務改善を進めないと、ミスや不正の温床になる」ということについて書きます。 1年目の「前任者同

【経理】電子保存で統一するには、まずは "入口" の整理から。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 電子取引データ保存の義務化など、書類の電子化についての法令整備が進んでいます。今日は「経理書類の電子化には、どう取り組むのが良いか」ということについて書きます。 紙書類と電子取引データが混在している?顧問先のお客様からよく受けるご相談内容の中に「紙書類(郵送受領など、原本が紙の書類)と電子取引データ(ウェブダウンロードやメール受領など、原本が電子データの書類)が混在していて、管理が煩雑で困っている」というものがあります。

【強い経理】月次決算は、自社を映す "鏡" です。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。本年もお付き合いのほど、どうぞよろしくお願いします。 昨年末の振り返りでも書いたのですが、このマガジンでは、「まずは月次決算が重要」「どのようにより良い月次決算を組めるか」という記事を多く投稿しています。これに対し、中小企業の経営者の方から「月次決算って、本当に必要?」という疑問の声を度々頂きました。 今日は「強い経理を手に入れるためには、中小企業にも月次決算が必要」ということについて書きます。 派手な内容ではないですが

【強い経理のつくりかた】2024年の振り返り。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。このページを訪問いただき、ありがとうございます。 「強い経理」をテーマに、「強い経理のつくりかた」というマガジンを週2回程度投稿しています。 ↓↓↓ 本マガジンにおける「強い経理」の定義 2024年の投稿記事を見直し、改めてこの1年を振り返ってみます。 誰が書いてるの?税理士です。元・舞台照明家→事業会社経理(いろいろ)→会計事務所&税理士法人(いろいろ)を経て、丸の内の小さな税理士法人の代表をしています。今や、税理士

【経理】中小企業の経理職の最強スキルは、ヒューマンスキル。

こんにちは、きくちきよみと申します。 元・舞台照明家→事業会社経理(いろいろ)→会計事務所(いろいろ)→税理士法人代表です。 このマガジン「強い経理のつくりかた」で書き方を変えて何度も書いていることですが、「中小企業の経理職に求められる最も重要なスキルは、ヒューマンスキル」だと思います。 今日は「中小企業の経理に求められるヒューマンスキルは非常に高度である」ということについて書きます。 「中小企業の経理って、そんなに難しい?」というギモン。事業会社経理として会社の中で働

【雑談】経理のローカルルールを廃止できるのは、誰なのか?

こんにちは、きくちきよみと申します。 元・舞台照明家の税理士です。 職種・職場に関わらず、業務が属人化していくと「ローカルルール」ができてしまうことが多いと思います。 今日は「その "無駄なローカルルール" を廃止できるのは、誰なのか」ということについて、思うことを書きます。 注:タイトルに【雑談】が付されている投稿は、今まであまり整理したことがなかったことで、最近ふと考えたことについての投稿です。考えが浅い部分も多分にあると思いますが、雑談の雰囲気で読んで頂けますと幸

【強い経理】消費税がわからないと、仕訳処理できない?

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 自社が消費税の課税事業者である場合、会計記帳するときに消費税情報を必ず登録する必要があります。ただ、割と細かい作業なので、お客様から「面倒」「この手数を減らしたい」という声を頂くことも多いです。 今日は「会計記帳をする際の "消費税区分や税率の登録" という手続きとの向き合い方」について書きます。 ↓↓↓ 本マガジンにおける「強い経理」の定義 前提1:日本の消費税は、個々の会計処理と紐付いている。初めて経理実務に取り

【経理】中小企業で、会社法の知識はどこまで必要か?

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 先日、お客様からご質問を受けた際に、改めて会社法を読み直す機会がありました。 今日は「中小企業の経理では、会社法の知識はどこまで必要か?」ということについて書きます。 注:私自身は公認会計士の資格を持たない税理士で、がっつり会社法を勉強したわけではありません。また、本記事は「中小企業の経理実務の中での会社法」という視点で書いています。ベースとしている経験は、過去に自分が在籍した会社での経験や、税理士として関わってきた顧

【経理】経理人材の採用基準は?~中途採用編~

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は「中小企業が中途採用で経理人材を採用するとき、採用基準はどのように考えたら良いか」ということについて書きます。 注:自分は人材コンサル等の専門家ではありませんので、本記事は、税理士として会社に関わってきた経験に基づいて書いています。 中小企業で悩む、経理人材の採用。経理人材の中途採用について、中小企業の経営者の方にご相談を受けることが多いですが、その内容は様々です。実際にご相談を受けたことがある内容は、下記のよう

【雑談】麗子お嬢様は、実はすごい?ー情報を伝えるということ

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。主に、中小企業の経理・経営について書いています。 今日は「情報を正しく伝えるということ」について、思うことを書いてみます。 注:タイトルに【雑談】が付されている投稿は、今まであまり整理したことがなかったことで、最近ふと考えたことについての投稿です。考えが浅い部分も多分にあると思いますが、雑談の雰囲気で読んで頂けますと幸いです。 改めて思う、名探偵の相棒の、相棒たる所以。最近、2011年のテレビドラマ「謎解きはディナーのあ

【強い経理】"曲芸師のような経理" になっていませんか?

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は「曲芸師のような経理ではなく、安定した強い経理を目指そう」ということについて書きます。 ↓↓↓ 本マガジンにおける「強い経理」の定義 その「柔軟対応」は、「やり過ぎ」かも。中小企業のひとり経理さんのケースで非常に多いのですが、経理さん個人の柔軟な対応に依拠して、多くのトラブルが未然に防がれていることは、よくあることです。 例えば、そろそろ支払期日が迫っているのに、支払先から請求書が届かない状況であったとします。

【経理】問題が起きたときも、平穏無事なときも。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は「経理はトラブルが起きたときに重視されやすく、平穏無事なときには軽視されやすいかも」ということについて書きます。 問題が起きようが起きまいが、重視されるべき存在。最初に自分の思うことを書きますが、「経理は、企業の有事のときにも、企業が平穏無事なときにも重視されるべき」と考えています。 この数か月の間に、お客様企業の経理担当者が退職・休職されることが続きました。自分が何かできたかもという驕りこそ感じませんが、何かで