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ワーケーション研修「CROSS-BOUNDARY LEARNING & WORKATION IN KAMAISHI」/リーダーシップ・チャレンジ2023開催レポートvol.8

リーダーシップ・チャレンジ(大隈塾)は8/3(木)〜8/5(土)にてワーケーション研修「CROSS-BOUNDARY LEARNING & WORKATION IN KAMAISHI」を実施しました。

📖講義内容

今回の目的は……

リモートワークをしながら、越境学習※で自分の視野と知見を広げ、たくましいビジネスマインドを得る

越境学習とは?】
普段勤務している会社や職場を離れ、まったく異なる環境に身を置き働く体験をすることから新たな視点などを得る学びのこと

◆1日目「被災地から、防災を学ぶ」

・リモートワーク(新幹線の車中)
・郷土料理わんこそばのランチ(
金婚亭
・被災の様子の学習、防災リュックのワークショップ(
いのちをつなぐ未来館
釜石鵜住居復興スタジアムの見学
宝来館にて岩崎昭子さん講話

初日は、新幹線の中、8号車の「オフィス車両」でのリモートワークからスタート。移動中は各自が資料を読んだりPCでリモートワークしたりと時間を有効活用しながら現地を目指しました。
そして、予定時刻の12:00に全員が新花巻に集合。どの企業の方々もコロナ禍を経験してリモートワークにもしっかり対応されている様子が伺えました。

いのちをつなぐ未来館での防災学習の様子
防災リュックをつくるワークショップ

リモートワークのあとは、越境学習です。
いのちをつなぐ未来館で、語り部といっしょに被災時の様子を学び、防災リュックをつくるワークショップに取り組みました。
語り部兼ワークショップのファシリテーター・川崎杏樹さんは、2011年当時、釜石東中学校の2年生。部活の最中に大地震が発生し、全校生徒がいっしょになって高台に逃げて津波から生き延びた体験の持ち主で、その語り口にはリアリティがありました。また、近くの釜石鵜住居復興スタジアムも見学しました。
夜は旅館の宝来館でおかみさんの岩崎昭子さんからお話をうかがい、釜石市の13年に渡る復興までの道のりとその思いを聞き、皆さん胸を熱くされているようでした。

🖊️受講生の講義レポート

【いのちをつなぐ未来館での学び、気づき】

実際に経験談を踏まえ、お話頂いたことで、当時のリアルな情景や心象が伝わってきました。 備えていて且つ適切な判断が「釜石の奇跡」と言われている小中学生が助かった事象につながったことを理解しました。

小売業・男性・40代

【宝来館のおかみさん(岩崎昭子さん)の講話での学び、気づき】

東日本大震災から12年が経ち、犠牲者の13回忌を迎えて新たな気持ちで前向きに生きていこうという強い思いの一方で、震災を経験した子供たち(世代)に対する謝罪の念に苦しんでいる様を目の当たりにして胸がつまる思いでした。インフラや建物など物質的な面の復興はこの12年で進んできている一方で心の傷は目に見えないところで多くの人に残っていて今回の研修では見えない部分もあるのではと感じました。

食品業・男性・30代

◆2日目「地域課題を理解し、地元の取り組みを学ぶ」

・リモートワーク(リモートワーク専用施設、シェアオフィス、市民施設会議室)
・釜石市役所にて平松福壽
副市長を表敬訪問
・地域課題を理解し、自治体や地元企業の取り組みを知る
・UBS様との合同セッション


グループに分かれてのリモートワークの様子
地元企業の方から地域課題を学ぶ様子


2日目の午前中はリモートワーク。今回の研修ツアーの柱のひとつで、3ヶ所の施設に分かれてリモートワークに取り組みました。
受講生各人、PCでの作業はもちろん、リモート会議などで予定していた3時間(9時〜12時)はあっという間。12時を超えて「残業」する方、ついにはお昼ごはんを食べられずに午後のプログラムに参加した方もいらっしゃいました。

午後は釜石市役所にて平松副市長を表敬訪問した後に、官民両方の視点から釜石市役所オープンシティ推進室の佐々木英明様、株式会社パソナ東北創生の戸塚絵梨子様、株式会社青紀土木の青木健一様の3名に釜石市でのこれまでの取り組みや課題についてお話をうかがいました。

また、2011年よりCSRの一環として釜石の復興支援に取り組まれているグローバル金融機関のUBS様と一緒に地元企業へビジネスアイディアを提案する合同セッションも実施しました。
受講生の方々も、地元の方が被災地で様々な課題と向き合いながら事業されている様子を知り、自分たちには何ができるのかを真剣に考えていました。

🖊️受講生の講義レポート

【釜石市「オープンシティ推進戦略」での学び、気づき】

・震災発生から丸12年の経過に伴い「復興」の計画はひと段落し、自治体としてのこれからの発展に向けた考えを拝聴。
・地方創生には自治体・民間が一体となり地域発展に向けた動きが重要と認識。自治体と接する機会は自分自身余り多くないが、民間よりのことを自治体自身が構想し、実現しようとする主体性等、今回訪問を通じて非常に前向きな印象を受けた。

商社・男性・30代

【UBS✕パソナ東北創生✕大隈塾セッションでの学び、気づき】

今回、実際に釜石のまちづくりに企業として参加しビジネスを創出している方や、起業してビジネスそのもののを行っている方と話せたことで視野が大きく広がりました。 「地方を創生する」というテーマで自分たちができることを考える機会をいただいたことで、新たな仕事の可能性を感じます。 例えば、都市に住む方々が地方に住むことで考えるマイナスとは何かを想像すると私たち小売業のやれることはもっと見つかるような気がします。

小売業・男性・40代

【青紀土木・青木様の講義での学び、気づき】

・死体や、体のパーツが出続ける現場に、ひたすら部下を現場に送り続けないといけない青木さんの心中は、本当に苦しかったと想像した。
・役割分担を貫き、従業員に恨まれる覚悟で管理に徹したのだと感じた。それでも部下がついてきたのは、自身のビジョンを伝え、感情的に人を動かす力が青木さんにはあったのだと感じ、(第6回講義の)感性開発の講義を思い出した。

商社・男性・30代

【出張ではなく「越境学習」を行いながらのテレワークを体験した学び、気づき】

非日常、お洒落な雰囲気の中で仕事をすることにより、せかせか仕事をすることもなく。視野も広がったと思います。 (普段の)研修中とは違った表情を大隈塾のメンバーが見せることにより、皆も責任を担っていること、頑張っていることをあらためて実感し、自身も頑張らなくてはと素直に思いました。 遠く離れた場所、環境の中で数時間業務をすることで会社、今の業務への愛着が湧く一方で些細な悩みは「何とかなるだろう」と思うようになりました。

小売業・男性・40代

◆3日目「被災からプライベート空間のパブリック活用を学ぶ」

・被災体験の講話と座禅体験、精進料理をいただく(吉祥寺
・プライベート空間のパブリック活用と地域特産の商品開発を学ぶ

吉祥寺での和尚様の講話
坐禅体験の様子

最終日は、アニメ「ひょっこりひょうたん島」や小説「吉里吉里人」のモデルとなった大槌町吉里吉里にある吉祥寺で、高橋英悟和尚さまの講話と座禅体験からスタートしました。
講話では、災害時の避難所運営の難しさ、非常時には感情をコントロールできないこと、人生の価値とはなにかを再考させられたことなどをうかがいました。

続けての座禅体験は、「なにもしない時間」の大切さを学ぶきっかけとなりました。
「余計なことを考えずに目の前のことにただ集中する」ということは簡単そうですが、実はみなさまは普段の生活の中で実現することが難しい精神状態で、なかなかに苦労されていました。
ランチは吉祥寺特製の精進料理。玄米粥、梅干し、漬物などをいただきながら、身体は食べるものからつくられることを再確認する食事となりました。


地元の名産・甲子柿(かっしがき)をつかったジェラート

午後は「こすもす公園」に立ち寄り、「食べられるものと土に帰るもの」のみでつくられている持続可能な公園をリアルに見て歩いて学びました。地元の名産・甲子柿(かっしがき)をつかったジェラートもいただきました。

3日間の「越境学習とワーケーション」の研修旅行が無事に実施できましたこと、改めてご担当のみなさまのご尽力に感謝申し上げます。ありがとうございました。

🖊️受講生の講義レポート

【吉祥寺(講話)での学び、気づき】

吉祥寺といったメインの地域から離れたエリアの避難活動を伺った中で、お寺の避難所生活での団結感には緊張感のある時だからこそ、互助し合う関係性が強く生まれているのだと思いました。 その反面、被災のレベルが異なる方たちとの溝が生まれて、現在においてもそういった状況が続いていることは簡単に人の関係が変わる事はないのだと実感しました。

医薬品業・男性・30代

【吉祥寺(座禅)での学び、気づき】

座禅を初めて経験し、普段運動しているためかしっかりと背筋を伸ばしてできたような気がします。座禅を組むことで心が後半「無」になれたような気がします(頭の中から思考が消えていき空っぽになっていく自分を感じました) よく経営者でも朝、瞑想をする人がいると聞きますが一度「無」になることで心がリセットされて一日をエネルギッシュに生きられるのではと感じました。

情報、通信業・男性・30代

【こすもす公園での学び、気づき】

非常においしい地元の名産「甲子柿」をいただき、地方の貴重な食材を知ることができました。 日本には貴重な食材や調理方法が地方にたくさん埋まっているのではないかと思います。これを残していくことができれば素晴らしいと感じます。 海外も大事ですが、国内の知恵で生まれた貴重な食材を世の中に広め、発展していくことで、地方も元気になり、企業とも連携し利益を創出できるような取り組みがもっとできると思います。

また、被災者の子供たちの遊び場「こすもす公園」は、復興に集まる海外の方や絵描きの方等、自主的に集まった有志による共同制作だそうですが、機械的に作られたものより温かみを感じる公園でした。 震災という非常にすさまじい現実が、人と人のつながりをより深く考えさせ、新たな行動に変えさせるのだと思います。

小売業・男性・40代

【ワーケーション研修での感想(短期的な目標、自分の部署への埋め込みor応用、など)】

まさに百聞は一見にしかず!!現地に行かなければ、伝わらない内容、思いがびっしり詰まっている研修でした。 学びが深すぎて、まだ消化しきれていませんが、ゆっくりと学びの糧としていきたいと思います。

(自分の部署への埋め込みとして)防災意識、準備については学びを伝える予定。 今回に限ったことではないが、特に今回の研修に関しては、短期的な学びではなく、 本研修を介した、軸や考え方のアップデート、見つめ直しに思えている。1年後の自身の成長なのか、危機トラブルに瀕した際の考え方の変容なのか。 短期的ではなく、起こった局面での対応、ベースの成長を果たしたいと思います。

医薬品業・男性・30代

・被災された方に実際にお会いしたりお話を聞いたり出来た事、ネットやメディアでは知りえないお話を聞けて良かった。
・現地の美味しいもの、景色、座禅と五感を使った学習を行うことができた。

小売業・男性・40代

今回、震災を受けたみなさんの口から直接お話を伺えたのは非常に貴重な時間で、心に響くものがたくさんありました。
どんな辛い状況であっても、それを乗り越えたり、またより良い未来をつくろうとするときに機能するのは(第7回講義で学んだ)『心理的安全性』だと感じました。

また今回釜石市で掲げていた『活動人口』という考え方、とても良いと思いました。一人一人が考え行動する、それは年齢関係なく。それがその地域や集団をより筋肉質にできることをオープンシティ戦略を通して教えていただきました。この考え方は自分のチームにもシェアしたい。

食品業・女性・30代

🕰️タイムテーブル

◆1日目
8:30 東京駅新幹線ホーム集合
12:20 新花巻駅 着 、昼食@金婚亭(わんこそば)
15:00〜17:30 いのちをつなぐ未来館(語り部による防災学習・ワークショップ)
18:00〜20:00 夕食@宝来館(地元の有名旅館、おかみさんの講話)

◆2日目
9:00〜11:30 テレワーク(3箇所に分かれる)
12:45 昼食(市内で各自)
13:00〜13:20 釜石市役所・平松副市長 表敬訪問
13:40〜14:50 釜石市役所「オープンシティ推進政策」を学ぶ
15:00〜16:00 UBS/パソナ東北創生/大隈塾セッション
16:10〜17:30 青紀土木・青木社長講義
18:00 夕食(釜石市内おすすめのお店)

◆3日目
9:40〜11:30 座禅体験@吉里吉里吉祥寺
12:00 昼食@吉祥寺
13:10〜14:00 甲子町こすもす公園 視察
16:00頃 新花巻駅 発 

❓リーダーシップ・チャレンジとは

リーダーシップ・チャレンジ(LC)は、会社で仕事(社業)を通じて社会に貢献する人材を育てる、ということをミッションにしています。

そのために、ヒューマンスキルを磨き、リーダーシップを身につけ、幅広い見識、判断力、思考力を学びとり、業界業種を超えた人脈を構築するビジネススクールです。

開講から20年目。本研修を学んだ受講生たちが日本国内のみならず、世界の色々な都市で活躍しています。
彼ら彼女らを、LCの教壇に立ったゲスト講師の皆様に後押ししていただきながら、私たち LCはこれからも、有能な人材を育み、社会に貢献していきます。

詳細はパンフレットをご覧ください

◆講義一覧

🏢2023年度参加企業 (順不同・敬称略)

受講企業
株式会社セブン-イレブン・ジャパン
株式会社セブンドリーム・ドットコム
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
サントリー株式会社
三井物産株式会社
株式会社三井住友銀行
三井物産スチール株式会社
三井農林株式会社
リテールシステムサービス株式会社
エーザイ株式会社
綿半パートナーズ株式会社
第一生命ホールディングス株式会社
株式会社再春館製薬所
外務省

リーダーシップ・チャレンジ 2023開催レポートvol.8
2023年8月22日発行
大隈塾事務局(一般社団法人ストーンスープ)
ひえじまゆりこ・大久保貴文 yuriko.hiejima@gmail.com
〒026-0002 岩手県釜石市大平町3-9-1
TEL:050-3558-7527
     公式MAIL:ookuma_school@stonesoup.tokyo

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