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「会社の中でどう楽しく、面白おかしく生きるか-バブル崩壊後の波乱万丈編」/リーダーシップ・チャレンジ2023開催レポートvol.5

社会人のためのリーダーシップ講座「リーダーシップ・チャレンジ 2023」(LC)第5回のプログラムは、2023年6月17日(土)に三井物産の前副社長でLC塾頭の駒井正義さんがオンラインで講義を行いました。第1回に引き続き、駒井塾頭が自身の会社員生活を振り返る講義です。


📖講義内容

今回の目的は……

・組織で活き活きと働くにはどうすればいいか、考える
・社内でのコミュニケーションを振り返る
・チームの心理的安全性を意識する

◆バブル崩壊後1997年〜「どん底体験と復活劇」

審査部から撤退を進言されていたビジネスで失敗し、会社に10億円の損失を出してしまったが、これまで良い付き合いをしてきた取引先の協力により、損失を取り戻せたこと。

同期トップで昇進した大阪支店の鉄鋼部長時代、取引先の倒産や不祥事対応で神経症寸前の状態に陥ったが、妻の「そんなに大変なら会社を辞めればいいじゃない」の一言で、「いざとなれば会社を辞めてもいいんだ」と肚が据わり、就任後3年で業績を関西支社トップにできたこと。

執行役員の就任直前に東北支社長への左遷が決まったが、左遷とは知らない妻と父の「東北支社長になるなんてすごい!」の一言で気が楽になったこと。東北の自然や人の良さに触れ、人間にとっての幸せについて考えられたこと。東北の活性化のために心から尽力したいと思えるようになり、支社の評価アップにつながる仕事ができたこと。その手腕を買われ、執行役員に昇進できたこと……。

バブル崩壊後、経済が右肩下がりであった1997年以降の「どん底体験と復活劇」について語り、組織で働く上では以下の7つが大事だと話しました。

◆組織で働く上で大切な7つとは?

イラスト:ひえじまゆりこ

【1】会社に入った以上、絶対に偉くならないといけない
【2】事をなすには強い意志と正しい努力が必要(大言壮語と有言実行)
【3】ポストは勉強量に比例する(運とツキは努力の総量に比例する)
【4】偉くなるためには修羅場を乗り越えていかざるを得ない(自分にとっての敵・味方がわかり、上司や部下の支援を得る過程で謙虚な姿勢を学べる。部下がついてくるようになり組織が強固になる)
【5】人は必ず見ている(努力をしている人のことは必ず誰かがどこかで見ている、うまくいかないときは努力の総量が足らないか、間違った努力をしているか)
【6】スランプに陥ったときはジタバタしない、ひたすら勉強し、チャンスをつかむ準備をする
【7】良いリーダーとは「あの人と一緒に仕事をしたい」と思われる人、そういう人になるためには、絶対的な会話力が必要。それには、
・人の話を聞く
・自分の周囲にコミュニケーションの嵐を巻き起こす
・人を動かす言葉力
・勉強する
・人の話を自分の言葉に置き換える努力
・旅に出て自分の目で見る、手で触れて感じてみる
・自然の中に身を置く、素晴らしい芸術に触れる
・その結果、感性が磨かれ、人の機微がわかってくる

そして最後に、

いいリーダーとは、同時にいい教育者である。教える人をその気にさせて、やる気にさせて、自立させる。いい教育に必要なのは愛。愛とは自己犠牲を伴う。自分の時間を相手のために使うこと。

と締めくくりました。

講義はオンラインで行ったため、前回に引き続き、リーダーシップ・チャレンジOGOBから10名の方に聴講にきていただきました。

🖊️受講生の講義レポートより

◆講義での学び、気づき、感想

駒井さんはこれまでの仕事に対する姿勢や人間性から、信頼されたため、(今回の講義のお話にあった)トラブルに於いても、各取引先・ご家族からご支援があり、苦難を乗り越えらえることができたのではないかと思います。
どんなに仕事能力があってもドライな人間には、この人のためにどうにかしてあげようという気にはなり難く、またこの人と一緒に仕事をしたいという気にもなり難いと思います。
仕事も家族も同じで、人のことを考え、守り、育てようという「相手を考え、相手を思う気持ち」が、巡りめぐって、自分にも振り返ってくるのだと思いました。
その伝える手段がコミュニケーションであり、「言わなくても気持ちは分かる」など恋愛ドラマのようなことはないため、コミュニケーションを大事にしなければならないと改めて思いました。

商社・男性・40代

「素晴らしいリーダーとは教育者である」という言葉が非常に響いた。おっしゃる通り、どれだけ自分が他者に対し時間を割くことができるか、そこが素晴らしいリーダーとなるかの分かれ道なのだと感じる。 一方日々にあてはめた時、あまり小難しく考える必要はないと思うが、他者の考え、ひいては行動変容を促すことは並大抵ではないと感じる。そうした際、ある程度時間をかける人を取捨せざるを得ないのか、悩ましさがある。

金融業・女性・30代女性

(駒井さんが、神経症寸前に陥ったお話を聞いて)寝るときも仕事が頭から離れないような重症の時期等、自分とも近い経験もされており、励みになりました。

情報、通信業・男性・30代

◆講義を受けて、短期的な目標、自分の部署への応用 など

環境変化によりテレワークの時間は集中して仕事が出来て「効率が良い」と思っていましたが、物理的に過ごす時間が長ければ長いほど、会話数が多ければ多いほど、組織は活性化するということを改めて意識することができ、効率を求めるだけではなく一見無駄と思える時間も大切にしていこうと思えました。

食品業・女性・30代

私が所属する部署は人数が200名ほどと多いため、一体感に乏しいと感じていますが、特にヨコのコミュニケーションを意識して行動してみたいと思います。

金融業・男性・30代

今回の講義は本当に学びが多く、また駒井さんの話がドラマチックであり、あっという間でした。講義を聞いて感じたのはやはりリーダーとして必要なことは人間力と圧倒的なコミュニケーション力、そして勉強が必要だということが分かりました。

人間力を磨くには日頃から感動する体験や経験をいっぱいすること、コミュニケーションは日ごろから色々なことに興味を持って情報をインプットして引き出しを増やすこと、そして日頃から仕事で必要であることについて徹底的に勉強することが必要であり、自分に置き換えてみると改めて足りないことばかりだと感じました。

今回の講義を踏まえてまずは短期的な目標として①人間力を磨く為に感動できる体験をする。その為に例えば旅行で綺麗な場所に行ってみたり、美術館に行ったり等普段できていない体験を増やす。②コミュニケーション力は、まずは職場での色々な人とコミュニケーションを自分から話す機会を増やす。③勉強についてはまずは読書を習慣化して知識を増やすことと業務で必要な勉強量を増やすことを実践したいと思います。

商社・男性・40代

「コミュニケーションの総量が上がると、組織が活性化する」と言うことは、一般的にも良く耳にしますが、駒井さんの実体験のお話を聞くことで、大事なポイントを自分なりに解釈して理解することができました。
必要なことは「組織としての一体感をつくること」で、駒井さんはご自身がその「一体感の軸」となって組織のコミュニケーションを活性化させてきた、ということだと思います。

駒井さんの言葉から自分が大事だと思ったポイントは以下です。
・上職者が自分の仕事を理解してくれている、という心理的安全性の確保
・「この人は自身の出世ではなく、この部署をよりよくしようとしている」という信頼感(自分の時間を犠牲にしている、誰よりも働いている、という姿勢もベース)
・高い視座でのFBによる、自分の仕事の意味合いへの理解と、その理解の高まりによるモチベーションアップ
・あの人と働きたい、成長させてくれると思われる人間性と「高いコミュニケーションスキル」 (聴く力、引き出す力、自立させ育てる力)

食品業・男性・30代

🕰️タイムテーブル

08:45 zoomオープン
08:55 オープニング
09:00 駒井正義さん講義(前半)
10:00 ブレイク
10:05 講義(後半)
10:30 受講生ダイアログ(感想共有、質問項目)
10:40 質疑応答
11:00 休憩
11:10 グループワーク(2回)
11:50 クロージング、次回案内
12:00 終了
12:00 アフタートーク(20分程度、自由参加)

👤講師プロフィール

駒井正義(こまい まさよし)
三井物産株式会社前副社長、リーダーシップ・チャレンジ(大隈塾)塾頭
1949年8月3日生まれ。73年早稲田大学商学部を卒業後、三井物産に入社。本店鉄鋼第三部を振り出しに、97年厚板鋼管部鋼管室長、98年関西支社鉄鋼部長、2005年東北支社長、07年執行役員駐中国副代表、10年専務執行役員、11年代表取締役副社長執行役員、14年退任。
趣味は野球。

❓リーダーシップ・チャレンジとは


リーダーシップ・チャレンジ(LC)は、会社で仕事(社業)を通じて社会に貢献する人材を育てる、ということをミッションにしています。

そのために、ヒューマンスキルを磨き、リーダーシップを身につけ、幅広い見識、判断力、思考力を学びとり、業界業種を超えた人脈を構築するビジネススクールです。

開講から20年目。本研修を学んだ受講生たちが日本国内のみならず、世界の色々な都市で活躍しています。
彼ら彼女らを、LCの教壇に立ったゲスト講師の皆様に後押ししていただきながら、私たち LCはこれからも、有能な人材を育み、社会に貢献していきます。

詳細はパンフレットをご覧ください

第1回講義「会社の中でどう楽しく、面白おかしく生きるか」塾頭・駒井正義(三井物産前・副社長)

第2回講義「仕事に効く身体の整え方〜リモート時代はだれもがビジネスアスリート」

第3回 「田植え・ハーブティーワークショップ」

第4回「エキナカを創った鎌田由美子さんの"新規事業の壁"突破法(GAME CHANGER)」

🏢2023年度参加企業 (順不同・敬称略)

受講企業
株式会社セブン-イレブン・ジャパン
株式会社セブンドリーム・ドットコム
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
サントリー株式会社
三井物産株式会社
株式会社三井住友銀行
三井物産スチール株式会社
三井農林株式会社
リテールシステムサービス株式会社
エーザイ株式会社
綿半パートナーズ株式会社
第一生命ホールディングス株式会社
株式会社再春館製薬所
外務省

リーダーシップ・チャレンジ 2023開催レポートvol.5
2023年7月6日発行 
大隈塾事務局(一般社団法人ストーンスープ) 
ひえじまゆりこ yuriko.hiejima@gmail.com 
〒026-0002 岩手県釜石市大平町3-9-1 
TEL:050-3558-7527 
     公式MAIL:ookuma_school@stonesoup.tokyo


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