陰りのある場に必ず人間あり。

表面上だけのハリボテのような明るい雰囲気が漂う。
長い時間その場に晒されていると心を侵されそうな気がするから、就業時間が終われば潔く立ち去る。
残業なんて絶対にするものか。


表面上は明るくて楽しそうに見えるけれど、それは誰かによって作られたものだとわかり陰の部分が時折ちらつく。
色んな方面から様々な事実を聞かされることで、会社の知らなければよかったと思えることもたくさん知ってしまった。


当初は明るい職場というイメージがあったが、そうでない陰の部分も徐々に知るようになった。


一部の人にとっては正当な評価を受けて居心地の良い職場だけれど、みんながみんなそうとも限らない。


本当はやめたいけれど、いい仕事が見つからないからしぶしぶ続けているという空気。
残っている人たちの雰囲気を見ていると、正直なところ「この人たちとは一緒になりたくない!」という気持ちになってしまう。


社員にもそのようなものを感じる。

この会社の業務についてはプロフェッショナルであろうが、何か肝心なものが欠けているような気もする。指導自体も其の場凌ぎのように思えるし、どこか頼りないなあと思う場面もわりと見受けられる。


仕事中に楽しそうに笑っている人が多い気がするけれど、実際のところは不満だらけ。


しんどい。疲れる。


とにかく離職率が高い。


この仕事に対するやりがいを見つけにくいのか?
ひょっとして社員も妥協で働いている?


離職率を減らそうと社員が頑張って雰囲気を良くしようとするけれど、むなしくもスタッフまで思いが届かず空回り。
社員が会社を盛り上げようとする姿勢が感じられるけど「別にそういうことを求めていないのですが…」と思うことばかり。
それに不必要に干渉してきてほしくない。なるべく業務時間外に色々と話しかけてこないでほしい。
職員によっては「おい、おまえ。スタッフのことを馬鹿にしているのか?」と感じさせるような態度の人もいるし。

スタッフ達に耳をすませると聞こえてくる「ねえ、いつ辞める?」という声。

スタッフを大切にしない。スタッフを大切にする目標に掲げているわりに、スタッフの身の安全を考えない。大型台風が直撃して、出勤したとしても無事に帰宅できるかわからないような時でも「出勤してください」と欠勤のスタッフに直接電話がかかってきたことがあったそうだ。

まあ会社がスタッフを大切にすることは大前提の話だと思うが、スタッフを大切にすることを会社全体の目標に掲げている時点で「じゃあ今まではスタッフを大切にしてこなかったのか…?」と。昔、会社とスタッフとの間で何か問題でもあったのかと悪い方面に想像をふくらませてしまう。

大きなミスをしたスタッフへの制裁が厳しいとも聞いた。

そこそこコミュニケーション能力があって、生産性の高い人が選ばれている現状。
会社のお気に入りにならなかったスタッフは、単なる使い捨ての駒に過ぎない。

給料が安いと不満を言う人もいる。

これだけ残業もほぼなく出勤時間の融通もきいて、服装や髪型などにもゆるくて自由なんだからいささか仕方ないような気もするが。


そんでもって、スタッフの間でそんな罵詈雑言が飛び交う会社に入った私。
会社員になる以外に別の目標がある。だが、目標を達成するといっても生活していかなければならない。その必要最低限の生活を維持しながら、空いた時間で目標達成に向けて頑張ろうと、この会社に入社した。

まあ時間の融通がきくし余計な引き継ぎもないから気楽な面もあってよかった。
時間の調整がきくし、職場全体がやさしそうで緩そう雰囲気を感じたので気軽に入社してしまったところがあるが、良いこともあればめんどくさくて不快に思うこともあった。

まああくまでも私は私。色んな人から会社の嫌なことばかり聞かされて転職するというわけでなく、自分の目標を達成するためにやりたいことをもっと追求しようとして、今の中途半端な立ち位置をリセットしてしまおうと少し前から思っていた。


ここで得たすべての経験は無駄ではなかったと思う。振り返ってみると、色んな想いを抱かせてくれた会社で、1年という短い期間なのにとても濃い時間を過ごすことができた気がする。

そうは思っても時間がない…。いつまでもここに留まるわけにはいかない。翳りのことばかり気に留めている場合ではない。

自分の思いを大切にして次のステージへ動き続ける。




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