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映画『ネコが教えてくれたこと』

2016年/製作国:トルコ・アメリカ/上映時間:79分 ドキュメンタリー作品
原題 Nine Lives: Cats in Istanbul/Kedi
監督 ジェイダ・トルン



予告編(日本版)


予告編(海外版)


STORY

 古くから猫の街として知られるトルコ・イスタンブール。
 野良猫たちが街を歩く姿はすでにイスタンブールの景観の一部にもなっている。猫たちは人間たちの生活に自然に溶け込み、心の支えともいえる存在。
 日々をひたむきに生きる街の人々はそれぞれの悩みや苦しみを胸に秘め、猫との出会いに癒され深い愛情を注いでいる。まるで猫と会話をしているように通じあう人と猫とのあたたかな交流を優しく見つめた物語。

Blu-rayのパッケージ解説より


レビュー

 本作のカメラはまるで一匹のネコ。他のネコたちの後について歩き、ネコ目線にてイスタンブールの街を映し撮ってゆきます。ゆえに観る者は必然的に、近代化してゆくイスタンブールの街に住むネコたちの未来を、ネコ目線にて体験し、考えることとなります。
 主役の猫たちは、皆とても「魅力的」です(まぁ魅力的じゃないネコなんてこの世には存在しませんけれども)。
 とにもかくにも、猫な気持ちになれて脳味噌も活性化しまくる至福の79分。
 ※Blu-rayの特典小冊子はネコ愛を感じる素敵仕様で素晴らしい
 
 
  話は飛びますけれども、以前「最も世の中の真実がみえるのは、靴磨きの子どもの視点からだ」というような言葉を何かで読んだことがあり、深く納得したことがあるのですけれども、本作は「最も人間の生態を知ることが出来るのは猫の視点からである」ということを、それとなく伝えてくれます(「地域ネコ」が主役というところもポイントが高い)。
 
 なんにせよ、ネコは何をしても可愛い。
 トイレの砂をシャッシャしてるところですら、可愛い。
 あっでも、自分がねずみのサイズになったら「速攻で喰われる」危機感はあります……🐁🐈
 
 そういえば数年前ネットにて、「昔の人が今の人の行動を見たとして、【一番理解出来ない】と思うであろう行動はなんだと思いますか?」という問いに対し、「人類の英知を何でも検索できる道具を使用し、猫動画を見ていることだ」というような回答があったらしく、それに対し「なるほど~」「納得~」的な意見が多数寄せられた。みたいな記事を読んだことがあるのですけれども……
 私は「あなた方は一体何を言ってるんだ?」と思いました。
 ゆえにズカッと記しておきます。
 
ネコ動画をニコニコしながら時を忘れて視聴するという行為は、人類の到達し得た最高の英知の1つである

と。
 
 で、これは昔の人達の多くも、きっと共感してくれるに違いないと思うわけです。
 なぜなら例えば古代エジプトでは ネコは「神」様扱いで、しかもミイラまで制作するというこだわりっぷりで、それはもう現代人など足元にも及ばないほどに異次元のネコ好きだったことがわかっているのですから。
 というわけでもし昔PCがあったなら、一人当たりのネコ動画の再生数や時間は、今よりも、もっとずっと多かった可能性が高いと思います。

 最後に

 「猫が人を恐れない場所は、人の心がやさしい

というような言葉を、写真家の藤原新也さん(だったと思います…)がおっしゃっておりましたけれども、名言と思います。
 ですから都市計画は、人間の快適さばかりでなく、ネコを含めた動植物、昆虫達の快適さも考えて行うと、上手くゆくはずです。
 イスタンブールという街が、そして世界中の街が、ネコと人間の、やさしい関係に満ちた場でありますように……



ジェイダ・トルン監督のインタビュー記事


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