マガジンのカバー画像

思春期

54
運営しているクリエイター

記事一覧

発達障害の未成年の人に精神障害者手帳を勧めるとき

今回は知的障害は無~ごく軽度の発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD など)の未成年の人に精神障害者手帳を説明し進めるときに作成した資料である。

軽度以上の知的障害のある未成年の人は精神障害者手帳ではなく療育手帳を取得することになり、基本的には小学生以下のときに作成するので、本人への説明や意志確認はほとんどされていない。

知的障害がほぼない発達障害の場合は、中学生~高校生で精神障害者手帳を取得

もっとみる
追い込まれると伸びる人と余裕があると伸びる人

追い込まれると伸びる人と余裕があると伸びる人

受験勉強はなかなか難しいものである。

勉強が大っ嫌いなら、ほめたり・なだめたりしながら勉強を少ししてもらうか、勉強は(親が)あきらめるかになる。

勉強があまり好きではないものの、本人の性格が真面目で「やらなくっちゃ!」と思い込んでしまう子の場合、あっという間に煮詰まってしまう。

どう見ても実現不可能な計画を立て取り組み始めるも続かず、どんどん余裕がなくなりイライラしていく。

無理しすぎない

もっとみる
生活歴を聞く意味

生活歴を聞く意味

精神科では家族構成、学歴、職歴、結婚歴などの生活歴を詳しく聞く。

兄弟は何人ですか? 何番目ですか? 
出身はどちらですか?
高校はどこですか?
高校を卒業した後はどうしましたか?
仕事には着きましたか? どこですか? 何年働きました?
結婚はしていますか? 子供はいますか? 
今は誰と一緒に住んでいますか?

など、初診時には予診を取る人(多くの場合はPSW(ソーシャルワーカー)あるいは看護師

もっとみる
親の闇 子どもの闇

親の闇 子どもの闇

「子供を殺してください」という親たち 押川剛

長期間ひきこもりや家庭内暴力などの問題が続く人とその親の支援、病院受診や生活支援を行ってきた人の本である。

医療関係者ではなく、元々警備会社の人で、多くの現場での経験と時間をかけた対応などから得たものは説得力がある。

精神科医療から見てもその通りと思う部分が多い。対象となる人は是非読んで欲しい。

ただし心温まる話はほとんどなく、どうにもならない

もっとみる
発達障害という言葉

発達障害という言葉

あの人は発達障害かもしれない 発達障害という言葉は普通に使われるようになってきている。

「あの人は発達障害かもしれない」という風に、他人のことを発達障害の可能性を考えることが増えてきている。

この風潮はその人の特性を理解し、特性に合わせた対応をすることができるかもしれないという点では意味がある。

しかし最近の風潮はそれとはちょっと違う気がする。

「あの人は発達障害かもしれない」という言葉は

もっとみる
知的に低い人は医療以外が中心となり支援する方が良い

知的に低い人は医療以外が中心となり支援する方が良い

知的に低い人は生活全般で苦労する。

ストレスを上手に処理できない
周りの情報を上手く理解できず誤解してしまう
全体ではなくごく一部だけを見てこだわってしまう
などが良くあり、精神的に不安定となり様々な状態を呈することが良くある。

抑うつ状態
神経過敏状態
不安焦燥状態
興奮状態
幻覚妄想状態
など

もちろん大多数は何の問題もなく生活する。

知的に低い人に対しての「治療」はそうではない人とは

もっとみる
発達障害で困ったときに相談するところ

発達障害で困ったときに相談するところ

発達障害の人とその親が困って助けを求めようと思った時にどうしたら良いか。

もちろん何を困っているかによって大分異なる。

1.診断をして欲しい

2.得意分野・不得意分野を検査や評価をしてほしい

3.「問題行動」が続いている

4.これからどうしたら良いか途方に暮れている

5.誰かに今の気持ちを聞いてもらいたい

などがある。

相談する場所としては、病院などの医療機関、療育センターや児童相

もっとみる

あなたはどうしたいか?

人はなかなか簡単ではない。

「あなたの希望は何か?」「あなたはどうしたいか?」と聞かれたときに、自分の気持ちや希望を正直に言える人もいれば、正直に言えない人もいる。

正直に言える人はその希望に即して準備を進めれば良い。

しかし「〇〇したい」と言うからといって、それが本当に本人の希望であるとは限らない。

また正直に言えない人は工夫が必要である。

ただ「どうしたいの?」「ちゃんと言いなさいよ

もっとみる
母にとって男の子は謎

母にとって男の子は謎

母にとっては男の子は謎の存在である。

特に母となった人が一人っ子であったり、姉や妹しかいない人であったときには、男の子は実質初めて身近でみる存在である。

一応父や夫という男と接してはいるものの、父や夫は例外はあるもののある程度はしっかりしている存在である。

男の子は意味の分からない言動を次々と行い、時に嫌がらせやわざととしか思えないような行動をとる。

これらの行動は母を不安にさせ、混乱させ

もっとみる
自閉スペクトラム症の診断とは

自閉スペクトラム症の診断とは

示唆に富んだ文章を紹介する。

誰がどう見ても、自閉スペクトラム症ということが分かる人は問題ない。
この場合の問題ないとは、診断し支援することに誰も異論がないという意味である。

違う病名で治療中の人で情報が増えたり、状況が変わることで発達障害的な要素が強く表れたりしたため発達障害の可能性を疑った人は、発達障害の診断が難しいことが良くある。

診断基準が結構あいまい自閉スペクトラム症(広汎性発達障

もっとみる
病院は薬を出すところである

病院は薬を出すところである

「病院に行くとすぐ薬を出される」と文句を言う人がいる。

病院と薬について重要な点がある。

病院に来る人のほとんどは薬を希望している普通の風邪やちょっとした病気は、薬を使わずしっかり睡眠をとって、しっかり食事をとってゆっくり休めば治る。

しかし病院に来て1時間以上待って診察を受けた上で、「肺炎ではないからしっかり水分取って休んでください」「疲れがたまって神経が過敏になっているからゆっくり休んで

もっとみる
意味を見いだせないとき

意味を見いだせないとき

私は洗車をする気に全くなれない。

ピカピカの車とドロドロの車では多少印象が異なるのは間違いない。

しかし車は移動手段に過ぎないと言う価値観を持っており、洗車に意味を見いだせない。

家の一部として車庫を作り部屋から車を眺めるような車好きの人にとっては、ピカピカにする意味はあるものの、それ以外の人にとって数日後には汚れてしまうことが明らかなことにお金や手間をかけるのは「無駄」に感じてしまう。

もっとみる
発達障害は障害なのか?

発達障害は障害なのか?

発達障害は障害なんですか?ある自閉スペクトラム症(広汎性発達障害)の人が外来で話した言葉である。

発達障害って 障害なんですか?
いつも同じような状況で、混乱したり一杯一杯になったり余裕がなくなったり、自分の弱点なのはたしかです。
でも弱点のない人はいないし、その弱点が他の人に比べるとちょっと極端だったり、他の人にはちょっと理解しづらい弱点だったりするだけで、そんなにひどいものではない気がします

もっとみる
ひきこもりを食い物にする「ビジネス」

ひきこもりを食い物にする「ビジネス」

以前よりひきこもりが問題となっているものの、ひきこもりを食い物にする悪質なビジネスも問題視されている。

全て事実だとするとあまりにもひどい状態であり、軟禁・脅迫などの犯罪行為である。

また困った人から高額のお金を巻き上げるやり方は大問題である。

今後 しっかりとした監視や制限が必要である。

ひきこもりを高い確率で解決する方法はないこういった問題が起きる、最大の理由はひきこもりが問題視され、

もっとみる