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発達障害は障害なのか?

発達障害は障害なんですか?

ある自閉スペクトラム症(広汎性発達障害)の人が外来で話した言葉である。

発達障害って 障害なんですか?
いつも同じような状況で、混乱したり一杯一杯になったり余裕がなくなったり、自分の弱点なのはたしかです。
でも弱点のない人はいないし、その弱点が他の人に比べるとちょっと極端だったり、他の人にはちょっと理解しづらい弱点だったりするだけで、そんなにひどいものではない気がします。
「自分は発達障害じゃない」とずっと思うようにしていたけれど、それは「自分には弱点がない」ってあり得ないことを思おうとしていただけなのかもしれません。
自分の弱点でもあり自分の特徴でもあるこの「発達障害」というものとつきあっていきたいです。

この人は診断基準的に言えば自閉スペクトラム症と「正常」の境界に位置するあたりの人である。

発達障害は弱点でもあり、自分の特徴でもある(人によっては長所になる人も多くいる)。

自分の特徴をしっかりと理解した上で、同じ失敗を繰返さないように、もし失敗しても被害が最小限になるように、色々な工夫を重ねながら、それなりに生活できるようになればいいと思う。

ADHDの人が向いている仕事

ADHD(注意欠陥/多動性障害)の人が向いている仕事として、以下のようなものがあげられている。

警察官・消防士
医師・看護師
セールスマン
芸術家・エンターティナー
軍人
起業家
整備士
建築作業者
トラック運転手
など

向いている仕事の特徴として

・手順とルールが明確である
・良く動きエネルギーが豊富
・短時間のコミュニケーションが得意
・決断力を必要とする

もちろんADHDは同じ病名でも、注意力が長続きしないことが中心の人、多動が中心の人、両方の人、大分特徴は変わってくる。

更に注意力が長続きしなくても、短時間の集中力は極めて高い人と低い人がいる。

人付き合いが苦手でも、上手く付き合える技術を身につけている人と身につけていない人がいる。

生活で苦労することがあっても、自分に自信を持っている人と自信を失っている人がいる。

それぞれで 全く異なっている。

また同じ職種でも、職場によってだいぶん異なることが多い。

周囲の人が、失敗をしたときに柔らかく指摘し次にどうしたら良いか教えてくれる、本人の特徴を理解をした上で失敗が減るようにさりげなくサポートすることができれば、うまくいくことが多い。

逆に頭ごなしに叱り飛ばすだけの職場では、どんな人でもどんな職種でもうまくいかない。

薬物による注意力の散漫や多動の軽減も重要な治療ではあるものの、自分の特徴に上手く付き合える方法を身につける、適正な自己評価を持つ、ということは大事である。

ちなみに医師の中でもADHDの人は結構多い。

短時間でいろいろなことを集中して処理をし続けるという医師の業務は、ミスを最小限にするための工夫をする、ミスをしたときに誰かが確実にフォローするという状況であれば、非常にうまくいくことが多い。

逆に自覚がなく、ミスを認めない人や、他人からの言葉を素直に受け止めることができない人では問題が起きることが多い。

そういう意味で、発達障害であろうがなかろうが、自分の特徴、長所と短所をしっかりと理解し、自分の長所を伸ばし短所をカバーする能力を身に着けていれば上手くやれるし、身に着けていなければどんな職種であっても上手くやれない。

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