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アンティーク家具店のしごと日記8

東京都世田谷区にて、夫婦でアンティーク家具のお店をやっています。

月日が経つのはあっという間で、先日ひっそりと、開店から1年が経ちました。去年の5月には緊張の物件契約があり、二人して日焼けで真っ黒になった2週間の灼熱の中の買い付けのあとは内装工事、そして商品が届いたら埠頭までトラックで取りに行って...9月末の開店ギリギリまで修復して在庫をつくる作業。開店からおおよそ半年のところで誰もが経験したことがないであろうコロナショックで、大変なときにお店始めてしまったな..と思ったものです。遠い昔のようでもあり、つい最近のようでもあり...こうやって時間は過ぎていくんですね。皆さまへの感謝の気持ちを忘れずに、モノへの愛着も忘れずに...精進していきたいと思います!

それでは少しずつ..最近やっていたことを振り返って。

●Hexagon Mirror display stand

開店してすぐの頃、背の低い2本が既にお嫁入りしたものなのですが、以前の船便でほかの大きな3本はミラーが割れてしまっていたこちら。ショックでしたが、お店が落ち着いてきたら鏡を切り出して必ず直そうと倉庫に眠らせていたもの。

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まずはいったんバラバラにして。

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木枠から天板の六角形の型紙を取り、カット!さいしょの1枚は若干苦戦したのですが、手慣れてくると見る方も楽しくなってきます。

サンディングしておいたoakのフレームを組み直して、接着しながらミラーをはめ込みます。二人がかりで微調整したり拭き取ったりで、超せわしなかったので写真はありません…。組み上がったら着色、クリア塗装で完成。

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ご希望あれば、底の部分にフェルトを取り付けてお渡しいたします。
高さなどの詳細はこちら。1つあるだけでも雰囲気を作れる、おすすめ〜なやつです!

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同時に発注しておいた鏡でこんなモノも完成。

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ドイツの古い真鍮コーナー金物を取り付けたミラー。こちらもまた、ヴィンテージとのミックススタイルにぴったりな感じに。


●Hans.J.Wegner Andreas Tuck センターテーブル

以前別のモノでも修復ご依頼をいただいたお客さまからのお預かり品。有難うございます!「このカスっカスの状態をなんとかしてください!」とのことで..人によって状態を説明する言葉も違うんだなと...!

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天板は結構日焼けもありそうですね。やりがいある感じでウズウズします。色はお持ちのソファのフレームに寄せた色へとのご希望。

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↑ここまでが大変なのにもうはだかの姿写真になってしまいました。。からの

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シーラーのあとは丁寧に研ぐことで、のちの仕上がりが変わってきます。

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奥さまが絶賛里帰り出産中のうちにテーブルをきれいにしようと思って、、(素敵な旦那さま!)とのお話でしたので、汚れなどが拭き取りやすいしっかり重ねたラッカー仕上げを選択しました。出来上がりも喜んでいただけたようで、良かったです。


引き続き、弊店ではお客さまが大切にされてきたもの、またはこれから大切に使っていきたいアンティーク・ヴィンテージ家具等の修復ご依頼を受け付けております。そのお悩みのモノの使い方や今までや在り方など、いろいろ聞かせていただいた上で、修復の選択肢やお預かり期間等についてご相談させてください。ちなみに作業場が狭いので、、、何かに連続して取り掛かっている時はお預かりまで少々お日にちをいただくこともあるのをご了承くださいませ。

●Oak wood doors 色変え再塗装

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テーブルを無事にお返しして次にお預かりしたのは、oakのドア2枚。
こちらは前職にてドア製作とエイジング白塗装でご納品したものなのですが、お客様のお宅プチリノベーション中に、リフレッシュしたお部屋に合わせて今度は黒で空間を引き締めたい!とのお話でした。

お打ち合わせの段階で、黒は黒でもベタ塗りではなく木目を出したほうがより格好いいですよね、という話になり、一旦全剥離へ…!(吊り扉でしたので、上から重ねて厚みが増すのを避けたかったのも理由の一つ)

↓二人がかりで、写真のあと更に手作業で細かい導管に詰まった白色を落としていきました。なかなか時間かかりましたね。手が真っ白ボロボロに。。。

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突板なので、手掛けでサンディング;
写真だといざ全部白色を落としても白に見えますが涙、恒例のはだかの姿↓のあとは…

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↓黒着色。このあと拭き取り、更にクリアに黒を混ぜた塗膜を被せます。木目を出すために薄く、重ねすぎても層が少なすぎてもばっちり仕上がらないのでいい塩梅をめざして。

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完成取り付け後がこちら↓

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とても勉強になった作業でした!作業場は白い照明で結構明るくしているつもりでしたが、お客さまのお宅がとっても日当たり良く明るかったので(うらやましい)、いざ納品の際に自然光すごい..となりました。もう少し明るくしないと。↓のように木目がちゃんと浮き出ているんですよ〜・・・

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お部屋の印象もよりソリッドかつモダンになって素敵でした。O様、掲載の許可をいただきありがとうございました。


● 1940s Gunlocke desk chair

以前にも取り扱ってきたガンロック社のヴィンテージデスクチェア(うちひとつが今のこのnoteのアイコンのチェアです!)の修復。かつてケネディがホワイトハウスで座る椅子にも選ばれたそうな、歴史あるチェアメーカー製のこちらも仕上げるのが楽しみな一脚でした。

とはいえいざ取り掛かり始めると背もたれに関して結構悩むんですよね。。もとのビニールレザーから型紙を取ろうにも硬化した立体だし、絶妙なハの字になってるしで、余ったビニールレザーで試して試行錯誤。最初は一念発起で縫製して張り込もうかと思っておりましたが、その試行錯誤を経て最終的に牛革の縫製なしで方向性を決めました。

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作業としては木部剥離再塗装、張替え、キャスター交換と構造メンテナンス…とフルメニュー。

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この背もたれのフレームの緩やかな曲線が格好いいのです。リクライニングの硬さ、背もたれの高さ、座面の高さが変えられて、我が家にほしい(これなら溜めがちな事務作業も捗るはず...!)という妄想胸の内でしたが、Instagramに載せるのも間に合わずご売約となりました。選んでいただき、ありがとうございました!


●そのほかに最近仕上げたモノ

こんな台車のテーブルを仕上げたり↓

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ぜひともレザーソファの前にラグなどひいてどっしり使っていただきたい一台です。ワイルドさは残しつつ、きちんとリフレッシュしていますよ〜


鋳物のベースが可愛らしいテーブルランプ↓を仕上げたり..

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とっても渋くてかつ上品なシャンデリア↓を仕上げたり...シェードがあるランプだとヴィジュアルに影響しないので気兼ねなくLED電球を使えますね◎

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という最近でした。こちらでご紹介できるかわかりませんが大物のお預かり品修復のご依頼もあったりして、一つひとつじっくり向き合ってこなしていきたいものですね。

●おわりに

お店では一つづつ修復し終わったものから順番に出しているので、新しいものが店頭に並ぶはやさはハイペースではないかもしれません。が、ここまで残ってきたアンティークやヴィンテージのモノたちにきちんと手をかけることで、気持ちよく長く安心して使っていただけます、というスタイルです。

最寄り駅は東急世田谷線上町駅・田園都市線桜新町駅ですが・・・最近は自転車やバイクがが気持ち良い季節ですネ!

Instagramも是非に。  https://www.instagram.com/stopthealarm/

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