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我が子がSNS自殺しないために何ができるか

木村花さんがSNSでの誹謗中傷が原因で自害したというニュースが話題です。ネット上の「言葉の暴力」の怖さについてはこれまでも度々議論がありました。我が子の命が危険に晒されないために親としては何ができるのでしょうか。

はじめに

こんにちは!「こどもコーチのこーちゃん」ことスタスタCEOの鈴木孝一です。

東工大院卒、ITベンチャーと一部上場企業を経て教育ベンチャー2社経営、趣味で器械体操やプレミアムテキーラのインストラクター、・・・。誰かが敷いたレールには従わない人生を毎日楽しんでいます。

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木村花さんがSNSでの誹謗中傷が原因で自害したというニュースが話題です。ネット上の「言葉の暴力」の怖さについてはこれまでも度々議論がありました。我が子の命が危険に晒されないために親としては何ができるのでしょうか。

◆木村花さんの事件

👦:ねぇお父さん! SNSで悪口沢山言われた人が自殺しちゃったんだって?

父:女子プロレスラーの木村花(きむらはな)さんのことだね。テラスハウスっていうNetflixの人気番組に出演中で、Twitterとかで結構ひどい誹謗中傷コメントを受けていたみたいだね。5月23日の夜中の3時くらいにインスタにこんな投稿をして、そのあと亡くなってしまったみたいなんだ。

まだ現時点では自殺かどうかは明らかになってないけど、この投稿を見るときっとそうなんだろうなって思うよね・・・。

👦:かわいそう・・・。どうしてそんなに悪口言われてたの? なにか悪いことしちゃったの?

父:お父さんもテラスハウスって番組は見てないから詳細はわからないんだけど報道やSNSでのみんてれなの投稿を見ていると、番組内での言動に対して不満を持った人達がこんな投稿をしていたみたいだね。ほんの一例だけど。

👦:「一番最低」「一番気色悪い」「完全に人間として終わり」「消えてください」とか書いてあるんだね・・・。ボクが言われてるわけじゃないのはわかってるけど、すごく嫌な気持ちになる。

父:もしこれが自分に対する言葉だったとしたら、って考えるだけでも恐ろしいよね・・・。実際の辛さ(つらさ)は体験したことのある人にしかわからないと思うし、いま僕たちが想像してるレベルどころじゃないと思う。

👦:そうだよね。自ら命を絶ってしまうくらいだもんね・・・。こういうことが起きないようにするにはどうしたらいいんだろう・・・。

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◆実名制を導入したら?

父:社会の仕組みとして改善していくべき部分と、個人として対策できることに分けられるだろうね。まずは社会としてどうしていくのがいいのか、ってのを考えてみようか。

👦:匿名で誰が言ってるかわからないから、こんな酷いこと言っちゃうんじゃない? 匿名を禁止にすればネットで誹謗中傷する人はいなくなるんじゃないかな??

父:いいアイデアだね。それをやったのが韓国だ。韓国は日本よりもSNSが浸透していてこれまで何度も誹謗中傷が原因で有名人が亡くなったりしてる。それを受けて「実名制」つまりSNSの等のサービスに登録する際に、本人確認をしない限りコメント投稿ができない法律が施行されてたんだ。つまり匿名を禁止にしてたんだ。

👦:韓国ではもうやってたんだ! 効果はどうだったの?

父:誹謗中傷とかは少しは減ったんだけど、効果は限定的だったみたい。それで今はその法律は撤廃されてしまったんだ。詳細な経緯はこの論文に書いてあったよ↓

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◆誹謗中傷を法律で禁止したら?

👦:名前が出ても誹謗中傷する人はするんだね・・・。これじゃダメなのか。じゃあそもそも法律で「ネット上で誹謗中傷はダメです」ってことにするのはどう?

父:それは実は既に法律があるんだ。ネットに限らず「皆に知られる状態で他人の社会的評価を下げるような行為」をすると「名誉毀損罪(めいよきそんざい)」や「侮辱罪(ぶじょくざい)」って罪に問われるんだ。警察に捕まる。その辺りはこのサイトが詳しいよ。

👦:そうなんだ!! じゃあ木村花さんに誹謗中傷してた人達も捕まるの?

父:いや、多分捕まらない。それは「名誉毀損罪」も「侮辱罪」も親告罪(しんこくざい)だからだ。親告罪ってのは「被害者が刑事告訴をしない限り」罰することができない罪のことだ。

👦:どういうこと?

父:この人は私の名誉を毀損してます」と、誹謗中傷された人が警察に言わない限りは捕まえられないってことだ。要は「言われたほうがどう思ってるか」が重要ってことだね。同じこと言われても何も思わない人もいれば、死にたくなるくらい辛い人もいるからだ。

👦:辛いと思った人が警察に言わない限り、勝手に警察が捕まえてくれることはないってことだね。

父:そういうこと。木村花さんが刑事告訴してない限りは捕まらないってことだ。亡くなってしまってるから、きっと刑事告訴もしてないだろうね。もし刑事罰に問えていたら、民事裁判で損害賠償請求もできたんだ。この辺りの実務についてはこの本に詳しく書いてある。

👦:民事裁判? 損害賠償請求?

父:警察とか検察は関係なく、木村花さんが誹謗中傷してきた人を訴えて、もし木村花さんが勝ったらその人からお金が貰えるって裁判だ。名誉毀損によってこのぐらいの損害が出たから、それを払ってくれって主張するんだ。

👦:木村花さんはそういう法律があることを知らなかったのかな?

父:それは今となってはわからないね。でももし知っていたとして、誹謗中傷してきた人を刑事告訴して捕まえてもらって、民事裁判で訴えてお金を払ってもらったとしても、誹謗中傷された事実自体は消えないし、心に何らかのダメージは受けてしまうよね。

👦:そっか、そうだよね・・・。そうすると法律とか社会の仕組みだけではどうにもならないってことだね。

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◆心にダメージを負わない方法

父:法律があっても世の中から誹謗中傷をなくすことはできない、という事実をまず受け入れないといけない。その上で「個人はどうするべきか」ってことを考えてみよう。

👦:個人としてできることか、なんだろう・・。

父:いかに誹謗中傷と「向き合わないか」だと思うんだよね、お父さんは。実名制にしようが法律で禁止されていようが、酷いことを言う人は言うんだ。ゼロにはならない。だから悪口を言われても自分にダメージが「出ない」「少なくする」方法を身につけるしかないと思うんだ。

👦:ダメージを少なくする方法が「誹謗中傷と向き合わない」ってこと?

父:そう。ネット上における自分に対する意見って、自分が見に行かない限りはそもそも知ること自体が難しいんだ。なら調べにいかなきゃいいよね。

👦:誹謗中傷を調べてるわけじゃないでしょ? 自分に対する好意的なコメントも含めて調べてるんだよねきっと。

父:まあそうだとすると「誹謗中傷コメントを見ても動じない心」を育てていくしかないかなぁ。ここで役立つのは「メタ認知」だろうね。誹謗中傷されている自分自身を客観視する。

👦:ここでもメタ認知が活躍しそうなんだね。

父:メタ認知は強力だよ。いろんな場面で役立つ。でも最初からメタ認知ができる子なんかほとんどいない。つまり「メタ認知能力を高めてあげる教育」こそが親が子どもにしてあげられることなのかなと。

👦:たしか「自分へ問う力」を鍛えることで、メタ認知能力も高まるんだよね。

父:それから「嫌われる勇気」って本でも紹介されている「課題の分離」って考え方もいいと思う。「他人が自分のことをどう思うか」ってのは「自分の課題」じゃないから気にしてもしょうがないって思えるようになるんだ。まず親が理解しておきたいよね。子どもに伝えるにしても。

👦:課題の分離か! 前にも少し教えてくれたよね。

父:とは言え、そもそも誹謗中傷する人数は減らしたいよね。「法律で禁止されてるのに酷いことを言う人」の多くが、刑事告訴や損害賠償請求されうる行為だってことを知らないと思うんだよね。知らないからやってしまってる人が少なかず居るはず。

👦:そういう人達に「誹謗中傷は捕まるリスクがある」ってのを伝えるのは大事ってことだね。

父:知ってればやらない、って人は多いと思う。だからどんどん刑事告訴損害賠償請求をしていくのが良いと思うんだよね。親ができることとしては、

ネットで悪口書かれたり何か辛いことがあったらいつでも相談してね。1人で抱え込む必要なんてないんだよ。お父さんお母さんが絶対に助けてあげるから。

って常に伝えて、問題があったらすぐ刑事告訴すると。これが世の中で一般的になればネットで誹謗中傷をする人自体を減らせると思うんだよね。

👦:「これさえやっておけばOK」みたいなのはないってことだね。色々やらないといけないってことだね。

父:そんな簡単なものなら既に解決してるはずだよね。世界中でどこも解決していない時代の最先端の問題だから、試行錯誤しながらすすめていくしかない。

さいごに

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