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エンタメ大好きCEOがつくる、クリエイターファーストな生成AIの世界

生成AIは目覚ましい進化を遂げています。文章生成はもちろんのこと、画像や動画を生成する能力も飛躍的に向上しました。

このような進化の著しい生成AIに対して、その存在を疑問視されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

特にエンタメ業界では、「生成AIはクリエイターの仕事を奪う」「生成AIはネットにある自分たちの作品を盗んでいる」というような声も聞かれます。

私たちSpiral.AIは、生成AI×エンタメ領域で事業に取り組んでいますが、生成AI×エンタメがもたらす新しい可能性とそれに伴う課題に真正面から取り組んでいます。

今回は、Spiral.AI CEOの佐々木にインタビューを実施しました。

佐々木さん自身のエンタメ遍歴や、エンタメに懸ける思い、生成AIがクリエイター業界に及ぼす影響についてどう考えているのか、話を聞きました。

プロフィール

佐々木 雄一 Ph.D / CEO
ビッグデータ分析と機械学習が専門。スイスCERN研究所にて、ブラックホール研究や、ヒッグス粒子・超対称性粒子の探索を主導。 技術を広めて世界を大きく変えたいという思いから、経営を学ぶ必要を感じMcKinsey&Companyに入社。クライアントの戦略策定を支援。 Neural Pocket社の初期メンバー・CTOとして、AI開発と社会実装を主導。AI開発におけるPDCAサイクルを武器に、日本全国あらゆる環境下で安定稼働するAIシステムを構築、スマートシティ事業者としての立ち位置を確立。社員数も、創業から4年で250名規模へ拡大。同社は2020年に史上最短でのIPOを達成している。

エンタメの虜になったきっかけは「ハルヒ」。エンタメ大好きCEO佐々木のエンタメ遍歴

—— 佐々木さんにとって、アニメ作品といえば?
佐々木 『涼宮ハルヒの憂鬱』が、僕の好きなアニメの代表作ですね。僕は高校時代、自ら抑圧された生活を送っていました。ゲームもアニメも一切せず、ただひたすら勉強に明け暮れていたんです。

それが、大学に入学して一人暮らしを始めたことで、生活に少し余裕が生まれました。そんなある日、ふとしたきっかけで『涼宮ハルヒの憂鬱』と出会い、『恋のミクル伝説』を見たんですが、その世界観に正直、頭がぶっ飛びました。「なにこれ!?」って(笑)。それまでの僕の人生にはなかった全く新しい体験で、その衝撃と興奮で頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになりました。そこから、もうハマるしかなかったですね。

特に好きなキャラクターは、長門有希ですね。彼女が持つ、ミステリアスな魅力に惹かれます。

—— エンタメのどんなところが魅力だと思いますか?
佐々木 魅力は、やっぱりそのカタルシスに尽きるんじゃないかなと思います。

たとえば、『STEINS;GATE』や『ウルトラマン』などが生み出すカタルシスは、本当に言葉では表せないほどたまりません。

SF級のカタルシスを人々に起こせるような人間になりたいと思い、大学生の頃には物理学者を目指していました。エンタメは、自分のキャリアにも大きく影響していますね。

—— 佐々木さんは物理学者を志し、スイスのCERNで研究をされます。CERNといえば、シュタインズゲート!実際、CERNはどんな場所なんですか?
佐々木 CERNは一言で言うと、ビッグバンを再現しようとしている研究機関です。宇宙が誕生した瞬間の条件を再現して、宇宙の最初の状態を理解しようとしています。まさに究極の夢追い人たちが集まるような組織ですよ。

でも、そういう創造的な発想は、エンタメを生み出す発想と似て面白いところですよね。フィクションとは違うかもしれませんが、CERNが目指すのは理論上可能なことを実証すること。タイムマシーンやブラックホールは実現可能であると考えている人は多かったですね。

生成AI業界は、コンテンツを支えるクリエイターの皆様に還元する仕組みを作らなければならない

—— エンタメ領域での生成AI利用について、「仕事を奪われる」と言われる場面があります。それについてはどう考えていますか?
佐々木 たしかに、生成AIを活用することで、仕事が減る人が出てくる可能性はあります。しかし、僕は生成AIが全てを代替できるわけではないと考えています。

生成AIには得意な領域とそうでない領域があります。その領域をしっかりと見極めることが重要です。得意な領域については、効率よく生成AIに任せ、生成AIにはできない部分は人間が担当する。そうすることで、新しい価値を生み出せると思います。

クリエイターの世界においても、この考え方は同じなのではないでしょうか。たとえば、コンセプト作りやアイデア出しといったクリエイティブな上流工程は、今後も人間の領域として残り続けるでしょう。一方で、比較的想像力を必要としない領域は生成AIが担うこともあるかもしれません。

生成AIと人間がそれぞれ得意な領域で協力し合うことで、エンタメ業界においてもより多彩なコンテンツを生み出せるようになると考えています。

—— クリエイターが作成したコンテンツを生成AIが学習してしまっていることについてはどう考えていますか?
佐々木 生成AIがクリエイターが作成したコンテンツを学習することについては、非常にデリケートな問題ですよね。僕たちはこの問題に対して、クリエイターに対して適切な還元が行われる仕組みの構築を目指しています。

たとえば、音声コンテンツの領域では、我々は音声のライセンスを取得して利用させていただいています。これには、使用した音声データに応じてライセンス料を支払うという仕組みが含まれています。1分あたりの使用料を設定し、権利者に対して適切に還元できるよう努力しています。

しかし、個々のクリエイターや声優さんと一つ一つ契約を結ぶのは、現実的には非常にハードルが高い。その問題を解決するために、声優さんとあらかじめ契約を結んでいるプラットフォームが登場し始めています。このようなプラットフォームを通じて、登録されているデータを使用することができ、声優さんへの報酬も適切に分配されるようになっています。僕たちはこのプラットフォーム構築に対しても、全面協力しようと考えています。

僕たちの基本的なスタンスは、コンテンツを生み出す人々に対して、我々の技術を提供して、新しい価値を創造し、面白いことに取り組んでいただきたいということです。生成AIを用いたコンテンツ制作が、クリエイターにとってもプラスになるような仕組みを作ることが、我々の大きな目標の一つですね。

—— クリエイターに還元される仕組みが今後大切になってくるということですね。
佐々木 インターネットには現在、大量のデータが存在します。データが集まった原動力の一つが、アフィリエイトの存在だと僕は考えています。

僕が小学生の頃、アフィリエイトでブログを書き、そこから収益を得るビジネスモデルが登場しました。このモデルがあったからこそ、多くの人がブログで面白いコンテンツを投稿し、訪問者が集まればアフィリエイトを通じて収益化できました。その結果、インターネット上には膨大な情報が溢れるようになったんです。

しかし、現在の生成AIは、このインターネット上の情報をただ吸収するだけの存在です。今後、生成AIがインターネット上の情報をすべて吸収したとき、新たに情報を提供し続けるインセンティブがなければ、生成AIの発展は停滞してしまうでしょう。

一方で、アフィリエイトのように、自分の持っている情報を生成AIに提供することで対価を得られる仕組みがあれば、生成AIもどんどん賢くなっていくでしょう。しかし、現状では情報を提供した人がその対価を得られる仕組みがないため、生成AIの発展にブレーキがかかる恐れがあります。

だからこそ、情報や作品を提供する人々への対価提供は、生成AIを発展させる上でも本質的に取り組まなければならない課題です。これを解決することができれば、生成AIはもっと賢い存在になり、クリエイターの方にも還元できる仕組みができると思っています。

「AIと人の創造力で心を震わせる体験を提供したい」Spiral.AIがエンタメに取り組む理由

—— エンタメ事業を始めようと思ったのはなぜですか?
佐々木 エンタメ事業を始めたいと思った理由は、心を動かし、感動を与える体験が僕自身を形作ってきたからです。例えば、CERNでブラックホールの研究に携わったのも、小学校五年生のときにおじさんからもらった望遠鏡で星を見た感動がきっかけでした。宇宙の神秘に触れたあの瞬間、僕は宇宙の研究をしたいと心から思いました。

僕の人生における重要な転機は、そうした感動体験から生まれてきました。そして、僕自身がこういった感動体験を多くの方に届けたいと思っています。生成AIを用いて感動を提供する方法はたくさんあるかもしれませんが、エンタメコンテンツは人々の心を動かし、深い感動を生み出す力があります。

僕たちが提供できる感動体験を通じて、人々の生活に豊かさと喜びを生み出せればと思っています。

—— 生成AI×エンタメで目指しているビジョンを教えてください。
佐々木 生成AI×エンタメを通じて、目指しているビジョンは、僕たちの作り出すキャラクターが日本中で有名になり、人々を応援できるような存在になることです。

たとえば、日本が現在直面している閉塞感に対して、そのキャラクターが「めっちゃ楽しいじゃん」というメッセージを発信し続けることができれば、人々の世界観をポジティブに変えることができ、大きな成果になると思います。

僕たちの目標は、生成AI×エンタメを用いて単に楽しいコンテンツを作ることだけではありません。それを越えて、AIを活用して社会全体をより良い方向へと導いていきたいと考えています。

「AIを使ってドラえもんのような存在を」Spiral.AIで共に挑戦する方をお待ちしています

—— Spiral.AIは、エンタメ事業の人材を募集しています。どんな人材に来てほしいですか?
佐々木 僕は、魂が震えるような原体験を共有できる方とぜひ働きたいと思っています。

新しいモノや技術が世に出た際に、これは世界が変わると魂が震えた経験を持つ方々と、一緒に新しいコンテンツや価値を作っていきたいと考えています。

僕は、将来的にはドラえもんのような存在を作り出すことを夢見ています。ドラえもんとのび太の関係のように、AIは敵ではありません。友だちであり、共に歩むパートナーだと考えています。だからこそ、AIを敵視せず、この技術を使いこなしたいという意識を持った方と働きたい。

僕たちはAIを人類の敵でも、真面目腐ったつまらない作業ツールでもなく、人々の友だちであるような存在としてAIと協力できる世界をつくることを目指しています。

僕たちと一緒に、これまでにない新しい挑戦をしていきたい方をお待ちしています。

Spiral.AIでは、クリエイティブ職の皆様をお待ちしております。

Spiral.AIではメンバーを募集中です。もし少しでも興味があれば、ぜひお気軽にご連絡ください。

【現在募集中のクリエイティブ職】

  • アートディレクター

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