マージナルマン・ブルーズ #6
わりにどんなところにも、既存のシステムのあらを探し批判だけする「わかりやすい正義の味方」がいるが、そういう者こそが無責任で闘うことをしない、最もたちの悪い偽善者であることに気づかない人は多い。そればかりか自分たちの代弁者だと信じて疑わない。そうして「わかりやすい正義の味方」その人自身が、自分のことを偽善者であることにつゆほども気づいていない。
偽善者と、偽善者にだまされる人たちの共通項は、決して自分たちが責任を持ってシステムづくりをしようとしないことだ。文句と理想だけ言ってればいいなんてそりゃラクだよね、かっこいいよね、うらやましいよまったく、と本当に社会を築いている者たちは思う。
「わかりやすい正義の味方」やその信者たちは叫ぶ。
「私たちの手でセカイを変えたい!」
しかしもちろん本気でセカイを変えるための現実的な方策を考えたことはない。だから正確に言うならば、
「(だれも傷つけたくないしだれにも傷つけられたくない。でも、)私たちの手でセカイを変えたい!(だって誰かの役に立った気になって満足したいから!)」
といったところだ。
恐ろしいほどの幼稚なヒロイズムに気づかぬまま彼らは瀕死の病人のうわごとか呪文のように、ひたすら「センソー反対ベーグン出て行け」と唱え続けた。
しかしその呪文はおそらくこの島のための呪文ではない。
僕がその海兵隊員と出逢ったのは1979年の6月ごろだ。
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