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【絵本で子供にビジネスの話と自己開示】ハーメルンの笛吹き男
◎今回のトピックスは
・子供に絵本を読むことが日課になっている
・1分でいいので自分のことや“社会”のことなど、『外の世界の話』を子供に伝えたい・話したい
・子供といると、ふと過去の自分に情けなさを感じてしまうけど・・・
という人に向けた内容です。
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ハーメルンの笛吹き男 (こんなお話)
ドイツにあるハーメルンという町に大量のネズミが発生して、人々はとても困っていた。
そこに見たこともない不思議な格好をした男が現れた。男は町長に
「報酬をくれればネズミをすべて退治してみせる」という。
町長と住民たちは、その男にネズミ退治を依頼。すると男は見たこともない笛を取り出し、それを吹くと不思議な音色が流れる。
するとその音色を聞いたネズミたちが次々に男のもとに集まり始める。一匹残らず集まると男はネズミを引き連れて川へ向かい、すべてのネズミを川で溺死させ、退治する。
住民たちはとても喜んだ。しかし町長は報酬を渡す段になって男との約束を反故にした。「お前はただ笛を吹いただけだ」と。
怒った男は再び笛を取り出すと、美しく不思議な音色を奏でる。
すると家々の扉が開き、中から子供たちが出てきた。広場で遊んでいた子供たちも、男のもとに集まってくる。
町に住む全ての子供は男の後をついていき、ハーメルンからは子供がいなくなってしまった。
町長と住民たちがどれだけ詫びても、引き留めても、泣き叫んでも子供たちは戻ってこず、約束を破ったことをずっと後悔した。
読み終えてから伝えたこと・話したこと
「このドイツのハーメルンという地方は本当にあって、今でも笛吹き男と子供たちが通った道で「踊ったり笛を吹いたりすること」を禁止する決まりもあるんだよ。
お父さんはこのお話が凄く好きなんだ。
最初このお話は、『約束はきちんと守らないいけない。さもないとひどい目に合うぞ』と伝えたいのかと思っていた。
でもそれだけじゃないかもしれない、と大人になるにつれ思い始めたんだ。
それは
「自分たちの中に誰かとの約束を破ろうとする人間がいたら、たとえそれがどんなに偉い人でも止めなきゃいけない、諫めなきゃいけないということ」かなって気が付いたんだ。
この欲深な町長は、町の代表で笛吹き男と約束をしたからね。笛吹き男から見たら、町長が約束を破ったのではなくて、ハーメルンの町に住むすべての人間に裏切られた気持ちになったと思う。
会社や仕事でも、たった一人がまずいことをしてしまったり、やるべきことをやらなかったことで、『あそこの会社はダメだ』『あの人には頼まない方がいいな』って、びっくりするほど簡単に決めつけられちゃうんだよ。
お父さんも学校を出て働き始めた頃、『○日までにやるように』と言われた仕事を、その日の夜遅くに出したことが何度もあった。日付は間に合ってるんだから大丈夫だろって。それで仕事を任せてもらえなくなったりもしたんだ。
それ自体すごくかっこ悪い事なんだけど、後々になってその『だらしない習慣や考え方』がなかなか抜けてくれないことに気が付いたんだ。とても怖い思いだった。楽をする、手を抜くって決めることは、いいことなんて一つもないんだなって、だいぶ経ってから気が付いたんだ。
あと、これもだいぶ後から気が付いたんだけど、
この話の一番怖いところは、連れていかれたのがハーメルンに住むすべての”子供たち”だった、ということだと思う。
子供というのは未来や希望そのものだから。
それをハーメルンの大人たちは根こそぎ奪われてしまった。約束を破ろうとした町長を止めなかった、というだけで。
この物語の『報酬』はただのお金だけど、笛吹き男にとっては今も含めた未来を生きるのに必要なものだった。それをちゃんと渡さなかったから、未来を奪われたんだ。
(もしも連れていかれたのが”すべての老人だった”ならどうだったろうね)
お金だけじゃなくて、時間だったり、意地だったり、評判だったり、
目に見えなくて分かりにくいものが、その人の大事なものってこともある。
齢を取るほど分かりにくくなるかもしれないな、と思うよ。
だから『その人にとって本当に大事なもの・求めているもの』が何かを考えることが大事。
そして自分が誰かの大事なものをワザとじゃなくても奪ってしまったり傷つけてしまうことがあるかもしれない、ということは忘れちゃいけないと思うよ。」
息子:「ちょっと何言ってるのかわからない。ワシ5歳やぞ」
って思われてないと良いな、と思いつつ。
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