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日常が少し素敵に見えた

これは僕が初めて心から尊敬した先輩と蕎麦を食べに行き、偶然出会った素敵な出来事のお話です。

出会いの年

僕は保育士として働いている。今年度で二年目。新しい仕事に追われ忙しいが充実した毎日だ。
僕が一年目の時にすごくお世話になり、僕の保育士としての芯を作ってくれた先輩いる。その先輩は今は違う保育園で働いている。たった一年という長いようで短い間だけだったが、僕は多くのことを教わり人生で初めて心から尊敬し、「この人のようになりたい」と憧れを感じた人だった。

再会

そんなある日、その先輩が僕の働いている保育園に遊びに来た。
久しぶりの再会で、僕はすごく嬉しかった。その日は時間が合わずゆっくり話すことはできなかったが、少しの時間でも楽しく話せた事はとても嬉しかった。
その日の夜僕は先輩にLINEをした。「お疲れ様です!お話しする時間なくてちょっと悲しかったです。次回また機会がありましたらお話しさせてください!」

すると先輩は「アイスの話しかできなかったね!笑近々飯いこー!!」と返してくれた。
そのまま会話は続き、後日ご飯に行く事になった。

保育士の会食

ご飯に行く事が決まり、僕が蕎麦にハマっている事を伝えると、その日は蕎麦に行くことになった。
渋谷で待ち合わせをして、そのまま蕎麦屋に入った。
お互いの保育園で今どんな保育をしているのか、一緒に保育した時間を振り返ったりと楽しい時間を過ごした。
その後は先輩のオススメのカフェに行き、そこでも保育の話をした。子どもへの声かけの仕方や活動のねらい、片付けの促し、トイレトレーニングの意味。
子どもや保護者に対して、"質の高い保育士"
になるにはどうしたらいいのか、求められているものは何かを常に話していた。

奇跡との出会い

会話の中でファッションのこだわりの話になり、カフェを出て服を見に行くことになった。カフェを出て表参道方面に向かって歩き始めた。
お互いの服のこだわりや好きな服の系統などの話をしながら、様々な店を回った。歩きながら次に会う約束をし僕たちはその日その場にいた誰よりも笑いながら歩いていたように思う。
そしてとあるセレクトショップに入った。その店に僕の理想にピッタリ合うカーディガンを見つけた。店員さんに話しかけ、試着をし先輩からも「持っててもおかしくないくらい似合ってる!」と言われ。
僕はとても満足し、少し高かったが即購入した。
その時対応してくださった店員さんとも沢山話した。
その中で店員さんが「なんのお仕事されてんるですか?」と僕たちに聞いた。
僕たちは「保育士です!」と答えると、店員さんが「そうなんですね!僕近々パパになるんです!オススメの保育園とかあるんですか?」と言った。
僕たちはすごく驚き、「えー!おめでとうございます!お家はどの辺なんですか?」
と聞くと、偶然にも先輩が今働いている保育園の近くだった。
僕たちはさらに驚いた。
先輩は自分の勤めている保育園の名前を伝えると、店員さんのお家とすごく近い事がわかった。
先輩は「今度よかったら見学にいらして下さい!」と伝え、僕たちは商品を受け取り店を後にした。

少しの光

この出来事があった日から2ヶ月以上が経過したが、この日の思い出は今でも僕の中でピカピカに輝いている。
社会人になり、友だちや家族と次の日を忘れて遊んだりお酒を飲んだりする時間はかなり少なくなった。でも、ふとした瞬間に出会える奇跡もある。
この出来事は、僕が今勤めている保育園に就職して、尊敬できる先輩に出会い、沢山話し、その先輩が次の目標に向かって旅立ち、僕が今を頑張って生き、再会を果たし、LINEを送り、ご飯を食べ、服の話をして、たまたまその店に入り、この店員さんに話しかけた事、それらすべてが繋がったことで出会えた奇跡だ。

毎日が同じ事の繰り返しのように感じて、正直もう嫌になる事も少なからずある。今取り組んでいる事が報われなくても、今の現状がキツくても、自分の歩みを止めなければいつかきっと何かに繋がると僕は思う。

本当に小さな偶然でもいい、髪の毛が綺麗にセットできたり、鍵穴に一発で鍵が入ったり、たまたま早起きできたり。そんな小さな偶然に目を向けて、毎日をなんとか楽しく生きて行きたいと僕は思った。

もちろん、僕のこの言葉に確証なんてものはないが、自分の機嫌は自分で取るしかないのだからなるべく楽しく生きて行きたい。

これが僕の偶然見つけた、日常が少し素敵になる方法だ。

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