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7年前の僕から届いた手紙

僕は小学生の頃から不登校になり悩んでいた。中学生になっても、学校にはあまり行けずにいた。そんな時、母が岐阜県にある不登校に悩む子どもたちを支援してくれる学校を僕に勧めてくれた。
西濃学園という学校だ。僕はその学園で中学3年間を過ごした。
僕が15歳(中学3年生)の時、『立志式』というものが地域のイベントで開催された。

岐阜県の各地域の15歳の子どもたちが5年後の自分。つまり20歳の自分に向けて手紙を書き、それをタイムカプセルに入れるというようなイベントだ。
当然僕も参加し、20歳の自分に向けて手紙を書いた。
今回はその手紙に返事を書きたいと思う。

「二十歳の自分へ」

二十歳の僕はちゃんと大人になってますか?
いまの僕は西濃学園にいます。僕の今の夢は保育士になることです。僕は学校にいくのが大嫌いでした。二十歳の僕は大学を卒業してますか?保育士になってますか?
僕は今中学校ですごくなやんでいます。
勉強ができず高校に入れるかどうかしんぱいです。英語も国語も数学も社会もなんもできません。
小学のころはしんでしまいたいと思ったこともあったよね。小学校ではやばいくらいのいじめにあっていて親にも話せず一人でかかえこんでいてすごくつらくて死にたかったけどいま中学でこの手紙をかいています。
この手紙はH君とけんかをして三日目にかいてます。メチャメチャいらいらしてへやをメチャメチャに【(し)てI先生】にちゅういされた時です。
朝おきなかったらきょうせいそうかんされそうな時です。
ゆるせないきもちでいっぱいです。マー二十歳の自分が平和にくらしてくれてればそれでいいです。いまのあなたの人生どうしてますか?いま僕はH君を家にこさせてあやまらせたいです。
いまのあなたはなにしてますか?しかくとれそうですか?ぼくはいまからしかくがとれるようにがんばりますそっちもがんば!!
かのじょつくれよ!!
(個人名を伏せ、一部句点を追加した他は原文ママ)

2015年度立志式記念作文

「15歳の自分へ」

まずは、返事を書くのが遅くなってごめんね。この返事を書いている僕は22歳になりました。
手紙読みました。真っ直ぐ素直に気持ちを書いてくれてありがとう。一つ一つ質問に答えようと思う!

ちゃんとした大人にはまだなれていません。社会人になってもつまずく事ばかりです。
でも、ずっと夢だった保育士になって毎日楽しく働いてるよ!
中学3年生の時は勉強が全くできなくて、よく一桁の点数を取っていたのは覚えてる。
でも、安心して。お母さんが貴方にあった高校を見つけてくれて、ちゃんと小論文と面接を練習すれば入学できるよ。
でも、実は高校生になってからも初めはいじめられていました。怖い先輩や同級生に殴られたり、新しい鞄にガムをつけられたりしたんだ…
凄く悲しかった。
でも、少しずつ気の合う友だちもできたよ。初めて下校中に友だちと買い食いしたり、ゲームセンターに行ったり毎日が刺激的で凄く楽しいよ!
勉強も数学と古典が好きになって、100点を取ることもできたよ!
そして、彼女が出来たかどうかは秘密にしておくよ笑
少し先の未来をお楽しみに!

質問はこんな感じで良いかな!
最後に22歳の僕から15歳の僕にメッセージがあります。

小学生の頃初めていじめを受けて、辛かったよね。
最初に入った中学校でもいじめは消える事なく、ずっと僕を襲ってきたよね。誰にも話せず悔しい思いもたくさんしたね。
誰にもバレないように枕におもいっきり顔を押し付けて泣いた日もあったよね。
自分に嘘を沢山ついたね。「僕は弱くない」「僕は強い」って。
死にたかったよね。
でも、死なないで生きてくれてありがとう。
15歳の僕が生きていてくれたから、22歳の僕がいるんだよ。

22歳になった僕から1つだけ、15歳の僕にお願いがあります。
中学を卒業した後も貴方は悩み続けます。その度に何度も諦めたいと思うでしょう。逃げ出したいとも思うでしょう。
何をしたらいいのかわからなくて、どうしようもないけど、お母さんには心配かけたくなくて結局また1人で抱え込んでしまうでしょう。
でも、自分で自分の事が守れなくなってしまった時は迷わず誰かに相談してください。
貴方には、どんな時でも助けてくれる人が近くにいます。もっと甘えていいんだよ。自分に嘘をつかなくてもいいんだよ。辛い時は辛いと言っていいんだよ。疲れた時は休んでいい。
しっかり休んで、ゆっくり歩き出そう。それが僕には一番あってるよ。僕のペースで頑張ろう。

15歳の僕は頑張れる。
なぜなら、僕(22歳の僕)は僕(15歳の僕)を知っているから。

この返事は15歳の僕に届く事は決してないだろう。
でも、それでいいんだ。15歳からの僕は、悩んで苦しんで沢山涙を流す。
毎日もがき苦しみながら、自分の守り方や頑張り方を見つけていく。
その経験をする事がとても大切なのだと今は言える。
今の僕を作ってくれたのは昔の僕で
未来の僕を作っていくのは今の僕だ。

僕は僕を信じて、僕なりに生きていく。
頑張れよ!これからの僕!

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