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就労移行支援施設で学んだことは何ですか?


就労移行支援施設ときいて、『何だそれ』と思う人が多いかと思います。私も当時適応障害になったとき、縋る場所が欲しくて検索した結果、行きつきました。


たしか、「障害 仕事」で検索した覚えがあります。検索すれば出てきますが、日本の福祉制度は自分から調べたり聞いたりしないと誰も教えてくれないものばかりです。

当時私が検索しなければ、今の施設に出会えなかったでしょう。


私にとっては、施設がなければ今の心の『平穏』はありません。

それくらい、私にとっては大事な居場所の一つであり、施設の皆さんとお話しする時間のおかげで、当時の私の心は保たれていました。


突然泣き出したときに声をかけてくれて、1時間も話を聞いてくれたスタッフさん、今も私の担当として毎週相談する時間を設けてくれています。それ以外の時間も、私が話したそうにしていると察知して時間を設けてくれます。いつもすみません…と思いつつ、甘えさせていただいています。


そして、いつも気さくに話しかけてくれるスタッフさんたち、話しかけると笑顔で話してくれる利用者さんたち。


皆さんが、私の心の支えでした。


普通に生きてサラリーマンできる人たちにとって、施設で学べることは少ないかもしれません

ですが少なくとも、施設で他人の痛みや自分の心の状態について学び、自分で自分の機嫌を取れるよう努力してきた人たちは、今後誰かに自分のストレスをぶつけるような人間にはならないのではないでしょうか。


今度こそ、頑張って働き続けたいと願う利用者さんたちや、サポートしてくれるスタッフさんたちがいる場所で、私は成長したいと思いました。

現在4か月以上通っていますが、毎回授業内容が新鮮で、いつも考えて、飽きないようプログラムを組んでくれるスタッフさん方に感謝しています。


利用者さんたちも、正直もう大人なので、私のように20代の人もいれば50代くらいのかたもいらして、皆それぞれに個人で知識を身に着ける努力もしています。

だからプログラムの時も『見学』として参加したり、参加しなかったり、まちまちです。ただ、皆さん普通に社会人として働いていた『大人』なのですが、小馬鹿にせず、かなり真面目にプログラムに取り組んでいます。

今緊急事態宣言が出ていて、週一程度しか会えませんが、チャット上ではかなり活発にやりとりをしています(笑)


プログラムは本当に色々なものがあります。

そして施設により特色があり、本当に良くも悪くも障がい者のやる仕事というイメージのある作業系(組み立てや細かい部品のカウント等)をやる施設もあれば、就労系のプログラムを多く取り入れている施設(面接対策や自己分析等)、WEB系の知識を身に着けるためのツールを使用して学習できる施設等、さまざまです。


私は5つ以上の施設を見学していますが、私の今通っている施設は、比較的『社会人として知っていて当たり前なこと』を、わざわざ教えるプログラムが少ないです。


なぜなら、ほぼみんな知っているし誰も真面目にやらないから。
名刺交換や挨拶等は、みんな新卒時代に学んでいる人が多いです、私もすでに学んでいます※まあ、忘れてはいますが……


ちなみに、その代わり、あまりスキルや知識を身に着けるプログラムは少ないので、職業訓練校の方が、おそらく技術を身につけたいならいいのではないか?と思います。

スキルが身に着くとするならば、動画学習サイトが利用できる権利をもらえますが、正直微妙かな?とは思います。スキルではなく、私は他の利用者やスタッフとコミュニケーションがとれるかどうかを重視しました。

あと、皆さん社会人能力が高そうな方が多かったので、色々学べるかなと思いました※もともと働いていて会社に戻るための休職者が半分位いるから。最近は求職者が増えてきたらしいです。


プログラム自体は、本当に色々なバリエーションがあります。ただ難しいのは、施設についてどう話せば健常者にも伝わるだろうか?ということです。

学生時代に誰も教えてくれなかったから、今こうして一生懸命自分の『身体と精神の健康』を保つ術を学んでいるわけですが……


学生時代に教えてもらえれば、もっとみんな、誰かを責めたりお酒に溺れたりして、間違ったストレスコーピングをやる羽目にならなかったのではないでしょうか?


もちろん、何事も適度であれば薬になりますし、生きる活力になりますが、実際に誰かを罵倒するのも、酒を浴びるほど飲むのも、薬ではなく毒になっています。そういう人が、現代は多すぎではないでしょうか?


瞑想をしてみたり、呼吸法を試してみたり、ヨガや筋トレ、有酸素運動をしたり、毎日8千歩以上歩いたり、そういう健康的な方法を知っている人、知っていてもやらない人が多すぎるかと思います。


学校では教えてくれませんが、いかに健康な食事や精神のコントロール、自分の機嫌を自分でとれるかが大事かを、施設では教えてくれます。

もちろん、そんなこと自分で調べてやればいいじゃん?と思われるのはごもっともですが、施設の方々に本気で自分と向き合ってもらい、毎週計画を立てて振り返り、一緒に頑張れるから続けられるのだと思います。


ちなみに私は、

間食を減らす/睡眠時間、起床時間の安定/中強度の運動20分週五回/瞑想習慣/コーピングリスト作成/日々の食事の改善/ヨガや筋トレ

など、色々実践しています。特に運動については、たけまりさんの動画を使っています。とてもおススメです!!
※最近瞑想はサボりがちですが、その代わり朝に階段の昇降、SNSの制限を始めたいと思っています。


特に施設で毎週外部の専門の方を呼んで行われる、「SST(ソーシャルスキルトレーニング)」プログラムは、毎回参考になることが多く、心が弱る前に色々実践したいなと思うことがたくさんあります。

例えば、うつ病のメタ認知トレーニング/コーピング/自尊心の向上方法/よくある会社トラブルの対処方法などですね。


よく聞く認知行動療法的なことも学んでいます。ただ、特に好きなのは、毎回講師の方が実体験のお話をしてくださったり、他の卒業生の話をしてくれたりする時間ですね。


それに、チャットで皆さん色々職場であったことや、知識等を共有してくれるので、他の利用者さんからも学ぶことがたくさんあります

つまり学んだことは何か?と言われたら、やはり利用者やスタッフさんと支え合いながら、色々お話しすることで社会を知り、色々な経験をした人がいることを知ったことが大きいかなと思います。


スタッフさんも、実は結構経歴がバラバラでして、元々福祉の方もいれば、文筆業と兼業してる方や、転職経験が多い方など、さまざまです。私だけじゃないんだなというのが、一番居心地が良い理由でしょうか。私みたいにアニメ業界目指したことがある方もいるので、フリーランスになりたいとか副業したいとかも気軽に話せます(笑)


みんな、精神疾患で薬を飲みながら通っている方が多いです。私も物は試しで、ストラテラという薬を飲もうと思っています。副作用が怖いですが、それでも、就労前に何でも試してみて、色々失敗も成功もしておきたいのです。


話しかけるのは怖いですが、話しかけたら思っていた以上に笑顔で話してくれる人たちがいます。みんな、フレンドリーで優しいです。人生経験も豊富です。精神疾患があるからと言って、冷たいとかコミュ障とかでなくて、皆優しすぎただけではないかと思います。

そんなことないのかもしれませんが……表面上でも優しくできる人は、やっぱり優しいんですよ。たぶん。


「この施設にいるうちに、沢山失敗した方がいいよ!」
「焦らせる社会だからね、焦ってやると失敗しちゃうから、そんなに焦らなくてもいいよ」


もし私は、スタッフさんに止められていなかったら、発達障害と診断される前に無理やり就労していたかもしれません。今はただ、この時間を大事にしたい、発言できる機会では発言したい、たくさん発信したい。


そういう気持ちが大きいのは、たぶん支えてもらえているから。そして、今度は私が、誰かを支えるくらい強くなりたいから。


ちなみに、施設に通っている間に培ったことは、端的に言うと計画力、内省力、筋力&柔軟性、生活能力、コミュ力、英語力、Excel能力向上かな?という感じです。
英語とExcelはほぼ自分で学んでいますが……

他の施設では履歴書作成とか面接対策とかをしっかりやろうとする所もあったので、そういうところの方が良かったかなとか、もう少し近い事業所が良かったかなとか、色々思うところはあります。

ですが、何よりスタッフさんのアドバイスが的確かつ、プログラムが毎回参考になり面白いので、ここでよかったかなと思います(笑)※もともと自己啓発系が好きなのもあり、利用者さんとのチャットが楽しいのもあり……


つまり何が言いたいかというと、みんな頑張ってるから頑張ろうと思える場所だということです!!


🌼この記事を読んだ方へ……

「精神障がい者に特化した相談員:精神保健福祉士になるには?」
誰かに相談することで、今の状況を変えられるかもしれない(エッセイ)


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