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こどもの読みもの

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こどもにおすすめの本。 かつて、こどもだった大人におすすめの本。
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2022年4月の記事一覧

雨月物語

雨月物語

『雨月物語』
上田秋成 1776

・・・
羅子水滸を撰して、三世唖児を生み、紫媛を著し、一旦悪趣に堕ちるものは、蓋し業のせまるところとなるのみ
・・・

「雨月物語」
五巻五冊。九編から成る。江戸中期の読本。中国の白話小説や日本の古典を翻訳または改作した、怪異小説集である。
「上田秋成」
1749〜1809 大阪の人、本名は東作。江戸後期の国学者・歌人・読本作者。後には医学も修め、開業した。

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アテネのタイモン

アテネのタイモン

『アテネのタイモン』1623年以前
シェイクスピア

アテネの貴族タイモンは、気前よく晩餐会を開いていた。しかし、次第に金庫の中は空っぽになっていく。破産寸前にも関わらず、タイモンは楽観的だった。これまで友人たちを厚遇してきたのだ。金が無くなれば、間違いなく誰かが助けてくれるはず。だが、金を用立ててくれる友人など一人もいなかった。

この作品は「不思議」が多い戯曲です。晩餐会に

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モモ

モモ

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「モモ」

ミヒャエル・エンデ 1973

大きな都会の町はずれにある円形劇場の廃墟に「モモ」という女の子が住み着いた。モモは町の人々と仲良くなり、友情も芽生えていく。モモには「話を聞く」というチカラがあった。モモに話を聞いてもらうと、勇気や希望が出て、毎日が素晴らしいものになるのであった。だが、モモの知らないところで、「灰色の男たち」と呼ばれる集団が不穏な動きを始めると、

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白銀の月

白銀の月

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『 白銀の月 』 オペラ アリア

ドヴォルザーク「ルサルカ」第一幕より
(台本クヴァピル・1901年初演)

高い高い天のお月さま、あなたの光は遠いところにとどき、広い世界を巡って人の世の営みをご覧になる。お月さま、しばらくじっと止まって告げてください、私の恋人がどこに居るかを。あの人に告げてください、白銀のお月さま、私があの人を胸に抱きしめていることを。あの人がほんの僅

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美しい村

美しい村

美しい村

堀辰雄 1934

私はしばらく、今しがたまでその少女が向日葵のように立っていた窓ぎわの方へ、すこし空虚になった眼ざしをやっていたが、ふと気づくと、そこいらへんの感じが、それまでとは何んだかすっかり変ってしまっているのだ。私の知らぬ間に、そこいら一面には、夏らしい匂いが漂い出しているのだった。

高原の避暑地「K村」(軽井沢)を訪れた。或る女友達との別離を小説に書くつもりであるが、様々

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お気に召すまま

お気に召すまま

『As You Like It』「お気に召すまま」

シェイクスピア 1623年出版

兄オリヴァーは弟オーランドーを嫌っていた。遺産が弟にも渡るのが気に入らなかったのが、始まりである。オーランドーがレスリングで優勝したのも、追放された公爵の娘ロザリンドと恋に落ちたのも。公爵の弟フレデリックもオーランドーを嫌っていた。ロザリオを追放すると、フレデリックの娘シーリアも一緒に家出をしてしまう。
オーラ

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