くーぼー

デュエプレやデュエマの話をします

くーぼー

デュエプレやデュエマの話をします

最近の記事

拝啓、最強だった君へ

本来ならば。今日という日を跨ぐ事なく、君の殿堂入りは決まっていたはずだ。にも関わらず、ゲームそのもののアクセスを不可能にする事で最後までその措置に抗おうとしているというのだろうか。それこそが、君の持ちうるEXターン、勝利への飽くなき欲求というものなのだろうか。 ボルバルザーク。 その名は一つのゲームに必勝を齎し、そして"デュエルマスターズ"に暗黒を翳した。かつてボルバルザークが生きていた二年間は"ボルバルマスターズ"と呼ばれ、メタゲームのほぼ全てを影響下に置いていたのだ

    • 《指向性》の侵略

      実際の所、デュエルマスターズに革命をもたらしたのは"侵略"の方であった。 デュエプレがTCGにおける『革命編』シリーズに突入してから2週間あまり。ランクマッチでは今日も暴走する【バイク】の排気音が鳴り響いている。 そんな【バイク】デッキの強みは言うまでもなく《侵略》。 《侵略》とは、特定のスタッツを持つ生物が攻撃する際、手札に《侵略》を持つ進化獣がいれば、無料で攻撃クリーチャーにそのまま進化できるという強力な踏み倒しギミックだ。 革命編で登場したこのギミックは、ゲーム

      • 『かいしんの一撃☆彡』の歌詞を解釈してみる

        最近、デュエプレ4周年記念テーマソング『かいしんの一撃☆彡』をよく聴いている。 ルピコ(CV:指出毬亜)とダピコ(CV:河野ひより)によるツインボーカルで構成されたこの曲は、ポップでエモなサウンドから往年のアニソンを彷彿とさせる、4周年を飾るに相応しい楽曲である。 しかし、楽曲を繰り返し聴いている内に、気になる事も浮かんできた。 なんだか抽象的な歌詞が多くて、解釈が難しい。 一旦歌詞の内容が気になりだすとなかなか楽曲に集中できなくなるのが悪い癖。であるならば、一度歌詞の解釈を

        • DEad stoQ

          フラスコの中でゴポ、ゴポ、と音を立てながら、ロートへと遡っていく熱水。 移動要塞空母ピタゴラスの一室、龍素王Q.E.D.の為に誂られたラボの中。 彼女の相棒であるメタルアベンジャーは、Q.E.D.が黒黒とした粉と共に静寂をかき混ぜる姿をじっと眺めていた。 今や水文明の王であり、指揮官でもあるQ.E.D.の、"龍素力学の研究者"としての癖を知っている者は、この艦隊内にももう少なくなってしまった事だろう。 そんな事を思う。 アルコールランプとコーヒーの匂いを漂わせて、

        拝啓、最強だった君へ

          【デュエプレ】《豪勇者『猛攻の面』》とかいう緑単サソリスに理解のある彼くん

          『あ~~~。 せっかく24弾で《ベル・ザ・エレメンタル》が出るなら、23弾で使ってた【緑単サソリス】をまた練り直そうかな~~~。 でもまぁ、どうせ他に強化入った訳でもないし、そんな変わんないか~~~』 誰~~~~~~~~~!?!?!? どうも。くーぼー(@Soranaki00)です。 24弾環境初め、普通に【緑単サソリス】を使おうと思ってた所に訳分からんオリカが来て混乱しています。 全く、なんだこいつは!!!!!! 俺はTCGの頃からビートダウン型【サソリス】を使っていた生

          【デュエプレ】《豪勇者『猛攻の面』》とかいう緑単サソリスに理解のある彼くん

          オール・ウィル・ビー・ゼロ~"水晶化"するデュエル・マスターズ~

          先日、デュエル・マスターズ公式チャンネル『デュエチューブ』にてこの様な動画が投稿された。 この動画の主題である次弾 『アビス・レボリューション外伝 邪神と水晶の華(デスベル・クリスタル)』 の新ギミック、『水晶マナ』こと"裏向きで置かれたマナ"は、ルール上 『(元がどのような特性のカードであったかに関わらず)マナ数1を発生させる無色カード』 として扱われる。 それだけではただマナの色を失うだけのギミックだが、この『水晶マナ』をカウンター代わりとして利用する"水晶ソウル"や

          オール・ウィル・ビー・ゼロ~"水晶化"するデュエル・マスターズ~

          視座

          オラクル教団の本拠地直下。信者達が埋葬された棺が並ぶ共同墓所(カタコンベ)。 そこには一際巨大な棺が横たわっている。 棺の中で眠りに就いたはずの人造神(オラクリオン)は、今しがた足元を覆う魔法陣に訝しげな視線を送った。 「──────我を再び喚び出すとは、何を企む」 そう巨大な体躯からオーラを放ち睨め付ける姿に、仮面の魔導師はおためごかしが無用である事を悟った。 シューゲイザー。 それは『靴を睨む者』という意味を持つ。 その言葉は、足元に生い茂る草ですら踏む事を避け

          月下祭

          1.『彼らは、誰かが死に際に思った空想の具現化と言われている』 つまる所、『実存の悩み』こそが、その若きドリームメイトを火文明の荒野に向かわせた理由だった。 超獣世界を破滅せんとする終末魔導具の暴走からおよそ1万年。不死鳥の降臨により新たな戦乱の時代となりつつあるこの時代に、無闇に文明間を移動する事は極めて危険な行為である。 そんな時世の中、生まれ故郷である自然文明を飛び出し、火文明の僻地へと向かう彼の身を焼いていたのは、あてどない焦燥の念であった。 「あぁ。《アリンコ

          ボルメテウス・武者・ヒストリー

          どうも。くーぼー(@Soranaki00)です。 普段はデュエマやデュエプレの事をXで呟いています。 いや~もう気付けば年末ですね。師走という言葉通り、色々と忙しくて困っている今日この頃です。 さて、今回の記事は『デュエマのバカせまい史 「殴れる軽量ブロッカー史」』について…… ???「待てぃ!!」 そ、その声は!!!!!!! 《ボルメテウス・武者・ドラゴン》!?!?!?!?!?!?!?!? ヤバい、バレてる…………………!!! という訳で、今回の記事のテーマは

          ボルメテウス・武者・ヒストリー

          未知と既知

          思えば不思議な1年だった。 今まで「DUEL MASTERS PLAY'S」を遊んできた期間、それは私にとって”未知”に溢れた時間だった。 TCGにおいて《ボルバルザーク》が活躍していた頃にはデュエルマスターズというタイトルすら知らなかったし、《アポロヌス》や《武者》が強いデュエマなど漫画の中でしか見た事がない。 私が「カードだけ知っていて、環境など考えたことのない」時代のデュエルマスターズをひたすら歩んできたのが今までのデュエプレであった。 リリース当初には「あの頃のデュ

          未知と既知

          TCGの好きな所について

          度々、「自分がカードゲーム(TCG)を続けている理由は何か」という事を考える。 無論、ゲームをプレイする事そのもの、そして勝つ事が楽しいから、というのは根底にあるだろう。デッキを作る事、プレイングを工夫する事、環境を考察する事。そうした競技的な「上達」もしくは「攻略」に面白さを見出している時もある。 一方で、美麗なイラストや深遠な世界観に心揺さぶられる自分もいる。幼少期、ゲームの遊び方すら覚束無い原初の体験において、カードゲームという遊びをオンリーワンなものとして強く印象

          TCGの好きな所について

          黒単ファンキーナイトメアに”ヤツら”の面影を見た

          どうも。くーぼー(@Soranaki00)です。 皆さん、23弾環境楽しんでいますか?私は新アーキタイプ使いたい症候群が災いして調子に乗って生成しまくったせいで懐が寒いです。 さて、今回の記事はそんな私の懐事情を破壊した一因である【黒単ファンキーナイトメア】について、使っている中で1つ気付いた事があったので簡易的に文章としてまとめる事にしました。 その気付いた事というのは、すなわち…… このデッキ……もしかして、””””””ヤツら”””””の系譜では? ・”ヤツら”の話

          黒単ファンキーナイトメアに”ヤツら”の面影を見た

          Nadir

          「この身とは、一体何の為にあるのだろうか」 生物であるならば誰しも一度は想いを馳せるその問いに対し、我らは一度たりとも疑問を覚える事がなかった。 それは何故か? 我らは、始まりからあるべき姿を定められて生まれてきたからだ。 人々の願いによって「逆算」されて生まれてきた我らに悩みなど、感情などない。 崇高なる思想。崇高なる目的。崇高なる力。人々が望む力を持った我らこそが、人々を真に導ける存在に違いないのである。 「"それだけであるならば"、我らは奴らの使役する"機械"とやらと

          最強の「矛盾」を求めて

          ・ジョーのデッキ!52枚! まずは大前提の話をしよう。 「カードゲームをプレイするには『デッキの枚数』という概念が常に付いて回る」 これは当然の事である。デッキの枚数に制限がないカードゲームなど存在しない。否、正確に言えば上限が存在しないカードゲームもあるにはあるが、下限が設定されていないカードゲームはもはやカードゲームとして成立しない。 私たちがプレイしている「デュエルマスターズ」にも「40枚」という明確な枚数制限のルールが課されている。それ以上でもそれ以

          最強の「矛盾」を求めて

          その匣の底には

          彼女は"匣"だった。 それは天より授けられし匣。 開いてしまえば、二度と元の世界には戻れない、不可逆の変化を世界に齎す。 あるいは、それを開かない世界線もあったのかもしれない。 あるいは、その世界は緩やかに破滅へと向かってしまっていたかもしれない。 変わってしまった世界で、変わらなかったイフの世界を思い描くのは極めて難しい。 だからこそ、今あえて問おう。 その匣は、"何"を、そして、"誰"を試していたのか? *** 『ウルコスさん、私はまた、戦場に呼ばれている

          その匣の底には

          デュエプレ・デッキ回顧録No.1【ラッカマルコ】

          どうも。くーぼー(@Soranaki00)です。 最近、ガチまとめさんの『DM歴代名作デッキ』https://gachi-matome.com/tag/dm-legacydeck というシリーズ記事を一気読みしまして、自分でも『デュエプレ版のこういうシリーズ記事を書きたい!』と思い立ちました。 ただ、どういうデッキを取り上げようか……と悩むこと数日。 色々考えた結果、自分が一番思い入れのある、かつ成り立ちの詳細を語れるデッキから始めるのがいいと思い、初回のテーマを決め

          デュエプレ・デッキ回顧録No.1【ラッカマルコ】