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『かいしんの一撃☆彡』の歌詞を解釈してみる
最近、デュエプレ4周年記念テーマソング『かいしんの一撃☆彡』をよく聴いている。
ルピコ(CV:指出毬亜)とダピコ(CV:河野ひより)によるツインボーカルで構成されたこの曲は、ポップでエモなサウンドから往年のアニソンを彷彿とさせる、4周年を飾るに相応しい楽曲である。
しかし、楽曲を繰り返し聴いている内に、気になる事も浮かんできた。
なんだか抽象的な歌詞が多くて、解釈が難しい。
一旦歌詞の内容が気になりだすとなかなか楽曲に集中できなくなるのが悪い癖。であるならば、一度歌詞の解釈をまとめる必要がある。
という訳で、今回はそんな『かいしんの一撃☆彡』の歌詞の解釈を自分なりに考えてみようの回。
一番Aメロ~サビ
【ダピコ】
夢 見ていた 2人の蜃気楼
今でもまだ 諦めずにいたのに…
【ルピコ】
だけど ここからは
ずっと 向き合っていくから
君の理想の中は 未来で埋まってるよ
まずは一番から。
ダピコの言う"夢見ていた2人の蜃気楼"は、この楽曲がルピコとダピコのツインボーカルである事を考えると『ルピコとの別離によって叶わなくなった(と思われた)2人で同じ日々を過ごす事』が該当するだろうか。或いは、『ディーとの別れ(別離~暴走~封印)』もそこに含まれているかもしれない。
とすれば、そこに対応するルピコの
"だけどここからはずっと向き合って行くから"
というのは、ルピコとダピコの再会の事だろう。超獣世界とデュエマシティ、隔たれた世界で分かたれ、再会時には敵同士になってしまった、姉妹のような2人。
時間を経た事で、そんな2人は今、仲間として向き合う事ができている。
【ダピコ】
忘れられない悲しみも
【ルピコ】
受け入れられない優しさも
【ダピコ】
君と今なら かき混ぜて
【ルピコ】
僕ら 今すぐにここで
踏み出せるだろう
2人の別れから10年余り。
ルピコとプレイヤーとの絆。ダピコとディーや仲間たちとの絆。
お互いが知らない"悲しみ"や"優しさ"を、再会した今なら分かち合える。
そしてそれは、新たな戦いへと踏み出す原動力にもなる。
【ツイン】
空を向いて 現在蹴り上げ 羽ばたいて
幾千幾代の天を渡ったら
また 始まる
繰り返される 戦いの幕開けを今
【ダピコ】
「切り開いてく」
【ルピコ】
「この僕の一撃で」
【ツイン】
必ず未来 掴んでみせる
2人のSTORYと
ルピコ(コッコ・ルピア)とダピコ(ダーク・ルピア)の種族はファイアー・バード。
つまり、"天"を"翔"ける鳥の種族である。
デュエル・マスターズという闘いの繰り返しの歴史において、彼女たちは常に龍たちの先導者(ナビゲーター)であり続けた。
空を翔け、戦いの幕開けを切り開かんとする一撃は、2人が揃ったからこそできる、大切な人の為新たな戦いにも果敢に立ち向かう彼女たちの覚悟の証なのかもしれない。
二番Aメロ~Bメロ
【ルピコ】
反響して ふと蘇る
離れ離れで 何度も祈り仰ぐ世界
【ダピコ】
今 繋がって 蘇ってく
僕らの理想
【ツイン】
だとすれば
【ルピコ】
君と僕の運命は最適解?
ここの部分の歌詞は、一番で示唆されたルピコとダピコの関係性を引用しつつ、それぞれのパートナー(プレイヤー、ディー)との関係性もオーバーラップさせているように思える。
ルピコは連れ去られプレイヤーと離れ離れになった事を想起し、ダピコはルピコとプレイヤーの関係を見て封印されたディーの事を想起する。
互いの事を改めて知ったからこそ、それぞれが『君(プレイヤー・ディー)と僕(ルピダピ)との運命(結末)』はこれで良かったのか?或いは、2人の運命が交錯した事で生まれた様々な試練は、未来を掴む為に必要なものだったのか?と自身に問いかけるのだ。
【ダピコ】
目覚めても暗がりで
【ルピコ】
だけどそれを照らしていく
光のままじゃ
【ダピコ】
わかってる そう僕には
出来るわけないから
【ツイン】
もう少しだけ「笑顔を見せて」───
この辺りの歌詞は特にダピコ・テーマソング『PARA-DOX』に対応している様に感じる。
というか、この曲自体が『PARA-DOX』のアンサーという趣がある(詳しくは後述)のだが、それはともかく、この解釈に則るのならダピコの言う「暗がり」とは『PARA-DOX』の歌詞で言う所の「酷く刻まれた暗闇」、つまりジャドーたちの侵略によって住処を追われ、ディーと離散した過去の事だろう。
ディーを助け出したいダピコ、プレイヤーの支えになりたいルピコ。
互いに望む理想がありながら、自らの無力さもまた痛感している。
最後のセリフは、そんな姉妹分を元気づける姿とも取れる。
Cメロ~大サビ
【ダピコ】
君≒僕の逸話
茈の琥珀
【ルピコ】
対立≒対比して光放つ
手札合わせ
【ダピコ】
切り札を還す もう何も恐れない
【ルピコ】
時を超え 幾億の想いを馳せ
【ツイン】
選んで 魅させて
≒(近似符号)を用いて、ルピコとダピコという似て非なる物語を紡いできた2人を対比させる歌詞。
「茈の琥珀」とは2人の瞳の色の事を指しているのだろう。
![](https://assets.st-note.com/img/1710376074445-6bcecUqdU5.jpg)
2人は異なる道を歩んできたからこそ、異なる輝きを放つドラマが生まれた。
その2人が持つものを合わせれば、望んだ未来が手に入るはずだ。
【ルピコ】
辛い時も 負けずにいたはずなのに
君のそば また
居てあげられるかな?
【ダピコ】
向かい風にあおられても
「ただ前を見て進む。未来」
ルピコが悩むのは、『無力な己がプレイヤーの横に立つ資格があるのか』という事。それはルピコ・テーマソング『So I’m here』でも示されていた。
その悩みを打ち消すように、ダピコは何があっても「前を見て進む」事を宣言する。
これは『PARA-DOX』におけるディーの意思、"ほら、前を見てよ?"という言葉と、それに対応する'"だから僕らは進むよ"というダピコのアンサーを補強する言葉である。
【ツイン】
振り向かずに 見つけた
『運命=未来』
夢の証
そう僕らは量れない
叶えずにいた夢
持って 待っているよ
後悔や残光のような後ろ向きな言葉が多かった『PARA-DOX』から、振り向かず前を向いたからこそ手に入れられたものを見つけたダピコ。
勇気を振り絞り、プレイヤーと2人で運命に挑んだからこそ、ダピコと再会できたルピコ。
いつか見た夢によって、2人の運命は絡まり、新たな未来となった。
だからこそ、まだ叶っていない夢を持っている限り、それが望んだ未来を生み出す証となる。
【ルピコ】
It’s my dreams
弱さ 詰め込んで
【ダピコ】
まだ知らない 場所へと向かう
【ツイン】
いつだって まだ届かないけど
僕らはほら
【ダピコ】
「また挑んでく」
【ルピコ】
「幾千・幾億/宿命(JIN-X)」
【ツイン】
何度でも超え 立ち向かっていく
強くなれるなら
ルピコたちが詰め込んでいるのが「弱さ」なのが興味深い。
先述の通り、「弱さ」、つまり無力さこそがルピコやダピコにとってのコンプレックスであった。
しかし、今の自分の弱さを肯定し、それでもなお挑み続け、立ち向かっていく覚悟を持つ事で、彼女たちは"かいしんの一撃"を放つ事ができる。
そして、ルピコはプレイヤーと共にあることを、ダピコはディーを救い出すことを夢見て、強くなる事を決意するのだ。
まとめ
『かいしんの一撃☆彡』の歌詞の解釈を一言でまとめると、「"ルピコとダピコの再会"を軸に、2人の成長の軌跡とこれからの決意を歌った曲」となる。
始めは敵として現れ、様々な経験を経て味方となったダピコ。
幾度となくプレイヤーとの絆が試されてきたルピコ。
そうした歴史という文脈がこの楽曲に深みを持たせているとも言える。
この「成長と決意」という要素は、デュエプレ4周年のテーマソングというレイヤーにおいては「デュエプレというゲームの軌跡とこの先も続く夢」としても解する事ができる。
紆余曲折、波乱万丈、失うものあれば得るものもあり。
そうしたゲームの歴史、そして4年間積み上げてきたキャラクターと物語のリンクが、この楽曲を作り上げたと言ってもいいのではないだろうか。
解釈を通して、色々な意味で改めてエモーショナルな楽曲だと感じた次第である。
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