126.母と桜貝、俺が迷子になったあの日
『開かずの間』の東浩成です。
何か起きる時は、時計が自分の運命を知らせてくれる!?
あかりさん、なんですか、それ?
しかも、時計がおかしくなるとイイことが起きるとは!?
万年最下位人生の俺には、そんなの起きない。
イイこと、俺にもあったらなぁ。
あかりさん、今日、海に行った話をし始めた。
思い出の海に行ったらしい。
「はじめてだったかな。まぁ、異性から?プレゼント貰ったの」
えぇ!?
ま、まさか、時計が壊れて、元カレと復縁とか?
なんたる…
貝殻を耳に当てると海の音が聞こえるって、あかりさんも昔は信じてたらしい。
海で生息していた時のことを貝は記憶していて、貝殻からは海の音が聞こえるんだって思ってたんだと。
ロマンチックですね。
俺が昔、海で迷子になった話を聞いてきて、
てか、またその話?
あの日、親父と二人で、近くの那古海水浴場に行ったんです。
母が好きだった貝殻を無意識に探してて…
見つけたらまた会えるような気がしていて…
夢中になってる間に、迷子になっちゃったんです。
そして、あの時助けてくれた人に、渡したんです。
あの日見つけた桜貝を。
今でも、それは覚えてるな…
ん?どうしました?あかりさん??
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