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連載童話「桜と一粒の砂」(第一話 丘の上に立つ一本の桜)        

(投げ銭方式ですので無料で読む事ができます)

「丘の上に立つ一本の桜」

海岸の、砂浜の見える丘の上に、一本の桜の木がありました。

桜の木には、美しい花が咲きほこり、枝には花の蜜を吸う鳥や、翼を休める鳥たちが集っています。


桜の木がある場所に立つと、遠くの岬の先端に立つ灯台と、その先に続く海原が見渡せます。

潮風も吹く、このような場所に、どうして桜の木があるのでしょうか・・・。



「クローバーの花」

「それには、こんなお話があったのです・・・」

ふと見ると、足元に咲くクローバーの花たちが、私に、話しかけてきたのでした。

どうやら、クローバーの花たちは、桜の木にやって来る鳥たちから、どうして、この場所に桜の木があるのか、その理由を聴いて知っているようでした。

私は、その草原に腰を下ろし、クローバーの花たちの話に耳を傾けてみる事にしたのです・・・。



「河口から」

「ほら、あそこに砂浜が見えるでしょう。」

クローバーの花たちは、頭を一斉に傾けて砂浜の方を向くと。

口をそろえて、まるでメロディーを歌っているかのように私に言いました。


「あそこへ流れ込んでいる河口を、どんどんと、どんどんと遡ると。

川は、だんだんと、だんだんと細くなり。

やがて、美しい渓流となって森が現れるのです・・・」




「桜と一粒の砂」第一話 おわり
次回 「桜と一粒の砂」第二話へつづく

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使用画像 イラストACより

2023.4.11 4.12加筆 4.13加筆 4.19加筆 4.21加筆 4.24加筆

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