ソン ユニ

気の向くときに、素直に、しなやかに。

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最近の記事

#6 明けていく空に残る月を見ていた vol.1

パンデミック真っ只中の大学入学。 親しい友達にも話したことがない話をしてみようと思う。 2020年。 私は高校3年生だった。大学入試を無事突破し、卒業を間近に控え、早く大学生になりたくてうずうずしていた。 そんな中で、感染症はじわじわと姿を現す。 卒業式は短縮型ではあったものの、生徒たちを体育館に集めて執り行われた。卒業証書を手に戻ってきた教室には何だか明るくて新鮮な空気が流れていて、平和すぎた高校生活に爽やかに別れを告げることができた。 私は高校生でなくなった。

    • #5 INTJ(建築家)の女

      INTJ(建築家)の女性は全人口の0.8%しかいないらしい。 mbti診断なるものが流行っている。 初めてやったのが数年前。それから誰かと話題になる度に診断テストをやってみているのだが、INTJ(建築家)以外になった試しがない。 つい先日も同じ結果だったので、もうそろそろ違う結果を求めるのは諦めようと思う。 INTJ(建築家)は、紫色をした堅物らの一員である。内向的で直感型、論理的、そして計画的。顎に手をやり何か思考していそうな奴がそれだ。 INTJ、と検索をかけると

      • #4 汗と息切れ、瞬き

        『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』を観てきた。 コートの中の臨場感と、緊張感と、汗と、息切れ、苦しさ、視界が眩んでもう倒れてしまいそうな感覚。 高揚した。 『ハイキュー!!』を観るといつも、大学時代に演劇をやっていたときのことが思い出される。 もう1回がない試合。 勝敗こそつかないけれどそれは演劇も同じ。 同じ人たちで同じ台詞を喋っても、二度と同じものはできない。やる度に微妙に異なる化学反応が起きる。そして観てくれる人たちが違えば、演劇を共有する空間も変わる

        • #3 ジャーナリングイズグッド

          かれこれ2年半、ジャーナリングを続けている。 日記と何が違うのって。 私がするジャーナリングは、心が感じたこと、思うこと、自分の頭の中に浮かぶ考えを書くもの。ポジティブなこともネガティブなことも、過去のことも今のことも未来のことも書く。 毎日書くわけじゃないのが私なりのポイント。 書きたいときは1日のうちに3回くらい別のことを書くときもあるし、ばーっと長々書くときもある。かと思えば1週間に1回だけ1行で終わる、なんてこともある。 1日の中で書く時間も定めていないから

        #6 明けていく空に残る月を見ていた vol.1

          #2 古本屋のすすめ

          もう新品には戻れない。 昨年の夏くらいから、古本屋で本を買うようになった。 古本屋、と言ってもそこらへんにあるような本のリサイクルショップだけれど。 きっかけは、『ハリー・ポッター』シリーズを読みたいと思ったこと。 せっかく読むなら、小学生のとき学校の図書館で見たあの硬くて分厚い表紙の単行本で揃えて読みたい。でも全部新品で買いたいと思うまでの熱量は自分の中になく、近所の古本屋に足を運んでみることにした。 それまで私は、本は本屋で買うものだと思っていた。古本屋にはほぼ行

          #2 古本屋のすすめ

          #1 早寝は三文の徳

          早起きは三文の徳、とよく言う。 しかし早起きは早寝からすでに始まっていることをあなたはどれくらい実感しているだろうか。 私は朝型人間だ。 だって夜は眠くて起きていられないし、友達とオールする夜はどう頑張っても午前3時には電池切れだし、夜中まで起きていると身体のリズムがどうも狂ってしまう。 ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、 午前6時30分にかけた目覚ましが鳴る。 ピピ。 だいたいいつもこのあたりで目覚ましを止める。お気に入りのスモーキーピンク色の太縁のメガネをかけて、起き上がる

          #1 早寝は三文の徳