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コールセンターで日々繰り広げられる愉快な面談日記

はじめに

自己紹介にも書かせてもらったが、私は長年コールセンターという業種で働かせてもらっている。

現在は数十名のスタッフが在籍するセンターでマネージャーを務めている。
なお、コールセンターではスタッフのことを「オペレーター」と呼ぶ事が多いので、以降はオペレーターと呼称する。

思うところあり、2年ほど前からほぼ毎日、1名〜2名のオペレーターと1対1の面談を続けている。全スタッフでも30名ちょっとなので、1日1名〜2名と面談していけば、大体1ヶ月で全員と1回は面談をすることが出来る。

そんな毎日の面談のエピソードを、多少フェイクを交えて面白おかしくご紹介する記事なので、井戸端会議的に、ゆるい気持ちでお読みいただければ幸いである。
なお、当然ではあるが個人の特定などできないように、ここで紹介する人物たちの名前やエピーソードは一部脚色していることをご理解いただきたい。


Day1 :「やりたい仕事」が分単位で変わる井上さん(仮名)との面談

コールセンターマネージャーが最も恐れることの一つは「オペレーターの突然の退職」である。
コールセンターに馴染みのない方にはピンとこないかもしれないが、一般的にコールセンターの離職率は高く、多いところだと40%というところもある。
これは、今年度に採用した人の4割が、今年度中にいなくなるという計算だ。
幸いにも、私の組織は今年度は4%に落ち着いているが。

私の組織は総勢でも30名程度の小規模センターなので、1名でも退職が発生するとたちまち業務は逼迫するため、すぐに補填しないとならない。ここでまず採用コストがかかる。
なんとか採用できたとしても、そのあとに待っているのは、新人の育成コスト。そして、その新人が一人前になるまでの間はベテランメンバーやリーダーといった中間管理職が育成にあたるため、チーム全体のパフォーマンスも一時的に下がる。
採用コスト、育成コスト、パフォーマンス低下、、
そういった理由もあり、退職ほどコストがかかるイベントはないというのが個人的な感想である。

以前の私も、そういったスタッフの退職に悩まされており、なんとか抑制出来ることはないか?と模索していたが、今ある資源と予算で出来ることを模索した結果、自分が全スタッフと、毎月1回の面談をすることに至った。
それ以来、私は毎月30名のオペレーター全員との個人面談を継続し、
 ①日々の鬱憤を発散してもらう
 ②現場で起きているが管理者が気づけていない「微エラー」の検出
 ③オペレーター1人1人が抱える業務量の適正度合い
 ④人間関係のトラブルが発生していないか
 ⑤オペレーターの「得意なこと・やりたい仕事」と実業務にズレが生じていないか?

などを拾うようにしている。

上記の①〜⑤の手法や効果については、また別の記事でしっかり説明させていただくが、今回は、ややゆるめの内容として「コールセンターでの面談あるある」的な記事を掲載させていただこうと思う。内容的には⑤にフォーカスしたものとなっている。

今回の登場人物:井上さん(仮名)
年代性別:30代女性
人物の特徴:コールセンター歴は複数の会社合計で7年。面談を進めていくと、5分おきに言っていることが『180度』変わるタイプ。


以下、私と井上さんとの会話


私「井上さん。本日もお疲れさまです。」

井上さん「マネージャーこそお疲れさまです。毎日忙しそうですね。」

私「いえいえ。皆さんに比べると私なんて気楽なもんですよ。ところで井上さん、先月から、お客様の情報を加工してデータに打ち込む仕事を担当頂いていますが、その後いかがですか?周りのフォローとか業務量は適切ですか?」

井上さん「最初は慣れるまで大変でしたが、お陰様でかなりスムーズに出来るようになりました!・・・私、実は電話対応は苦手で、こういう黙々と作業するみたいなのが好きみたいです笑」

私「なるほどぉ。(電話対応苦手なのにコールセンターへ、何故・・?)」

井上さん「マネージャーは最近どうですか?毎日忙しそうですけど。」

私「そうなんですよ。実は来月から新しい業務が立ち上がるので、その準備でバタバタですよ。。」

井上さん「へー。新しい業務が始まるんですね。どんな業務なんですか?」

私「すでに某企業様のサービスをご利用中のお客様への追加提案業務ですね。こちらからお客様にお電話して、サービスの利用状況や使っていく上での困りごとをヒアリングした上で、そのサービスをさらに活用いただくためのサポートをご提案する業務ですね。」

井上さん「へー、なんだか楽しそうですねー。」

私「(くるぞ・・!!)」

井上さん「・・・私ぃ、さっきは電話苦手みたいなこと言ったんですが、でもやっぱりお客様の声を直接聞ける仕事っていいなぁって思うんですよねー。」

私「なるほ・・」
井上さん「入力業務って、黙々と出来るのはいいんですけど、やっぱりずっと同じ業務だと飽きちゃうなぁって。」

私「・・さすがです!!ではまた機会があれば、井上さんにもお声掛けしますね!」

否定も肯定もしてはいけない面談、がそこにはある。。。

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