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【科学者#061】自然に存在するものを分けた分類学の父と呼ばれた科学者【カール・フォン・リンネ】

自然界には様々な植物、動物、鉱物があるのですが、それらはさらにいくつかの種類に分けることができます。

例えば私たち人間はをさらに細かい分類で表すと、動物界、哺乳綱、霊長目、ヒト属、ヒトになります。

現在ではさらに細かい分類になるのですが、こういう風に自然界のものをはじめて分類した科学者がいます。

今回は、自然に存在するものを分けた分類学の父と呼ばれた科学者であるカール・フォン・リンネを紹介します。



カール・フォン・リンネ

カール・フォン・リンネ

名前:カール・フォン・リンネ(Carl von Linné)
出身:スウェーデン
職業:博物学者、植物学者、生物学者
生誕:1707年5月23日
没年:1778年1月10日(70歳)


業績について

リンネは、自然界にあるものを分類するのですが、現在でもその分類をもとに様々なものが分類されています。

まずリンネは1735年に『自然の体系』を出版するのですが、その中でそれまでに知られていた動物や植物について情報を整理して分類表をつくりました。

さらに、生物の学名を属名と種小名の2語のラテン語で表すという二名法を提案します。

この他にも、分類の基本単位である「綱」「目」「属」「種」の4つの分類階級を設けました。

この階級は、現在では「界」「門」「綱」「目」「科」「属」「種」の
7つの分類階級になっています。

このリンネが考え出した分類法をリンネ式階層分類体系と言われており、現在でもこの分類法を採用しており、リンネは「分類学の父」と呼ばれています。

ちなみに、現在オスを表す記号として火星を表す惑星記号である「♂」が使われているのですが、これをオスの記号として使い始めたのはリンネになります。


生涯について

リンネの父親は聖職者で、リンネはスウェーデン南部のスモーランドに生まれます。

幼少期から花が大好きで、8歳の頃には「小さな博物学者」と呼ばれていました。

ちなみに若いときは、父親や母方の祖父と同じように聖職者になる予定でした。

しかし、町の内科医から教えてもらった植物学に興味をもち、ルンド大学へ入学し、1年後にはウプサラ大学に移ります。

リンネは大学にいる間に、植物の分類の基礎が花の雄しべと雌しべにあると確信するようになり、そして短い論文を書き助教授になります。

1732年にはウプサラの科学アカデミーが、スカンディナビア半島北部からコラ半島に至る地域であるラップランドの探検のために融資をしてくれます。

そしてリンネはウプサラを出発して、6ヵ月かけてボスニア湾沿岸部を時計回りに探検し、この結果を1737年に「ラップランド植物誌」として発行します。

その後、オランダの植物学者であるヤン・フレデリック・グロノヴィウスに(1690年2月19日ー1762年7月10日)出会い、リンネは分類学における研究の草稿を見せます。

グロノヴィウスは、リンネの草稿に感銘を受け印刷費の援助を申し出てくれます。

さらに、スコットランドの医者であるアイザック・ローソンから追加で資金を提供してもらい、1735年に「自然の体系」の初版を出版し、1737年には「植物属誌」を執筆します。

1739年には、医師の娘であるサラ・モレアと結婚します。

1741年には、ウプサラ大学の薬学の教授になるのですが、すぐに植物学の教授に変わります。

大学でリンネは動物や鉱物の分野にも研究を広げ、自然に存在するものを植物界、動物界、鉱物界の3つに分類します。

1752年には、『乳母の弊害』に関する論文を執筆します。

1753年には「植物種誌」を出版し、植物界を「綱」「目」「属」「種」の4つの階級を用いて分類しました。

1757年には、スウェーデンのアドルフ・フレドリク王が、リンネを貴族に任命します。

そして、1778年にリンネは亡くなってしまいます。


リンネという科学者

リンネの死後、リンネの仕事は息子のカールに引き継がれるのですが、カールはリンネの死から5年後に急に亡くなってしまいます。

そのため仕事は、リンネの弟子であったカール・ツンベルクが引き継ぐことになります。

実は、このツンベルクと日本は非常に強いつながりがあります。

ツンベルクは出島商館付医師として、日本が鎖国をしていた時期の江戸に1年間滞在します。

そしてその時に、日本における植物学や蘭学、西洋における東洋学の発展に大きく貢献します。

幼少期から植物が大好きで「小さな博物学者」と呼ばれたリンネは、大人になり分類学において多大な功績を残してくれました。

今回は、自然に存在するものを分けた分類学の父と呼ばれた科学者であるカール・フォン・リンネを紹介しました。

この記事で、少しでもリンネについて興味を持ってもらえると嬉しいです。

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