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パ・リーグ6球団の広報が集合!球団は違えど共通する想いとは

皆さんこんにちは、ホークス広報室の鳥原です。
 
レギュラーシーズンも残りわずかとなりました。
そんなさなか、先日、北海道日本ハムファイターズの本拠地・エスコンフィールドHOKKAIDOでとある会議が開催されました。
 
揃った顔ぶれは、パ・リーグ6球団の事業広報担当者
 
球場でファンを魅了する様々なイベントや演出、斬新なグッズや名物グルメの数々…それらの情報を皆さんのもとに届ける役割を担っているのが、事業広報というお仕事です。
 
今回、そんな各球団の事業広報担当が一堂に会し、意見交換や事例共有などを行う場が初めて設けられました。各球団がどのような想いでファンと向き合い、日々の業務に励んでいるのか、感じたことをお伝えしたいと思います。

「事業広報」というお仕事

昨年11月、東北楽天ゴールデンイーグルスとホークスが共同であるリリースを出しました。
福岡PayPayドームに楽天ペイを、楽天モバイルパーク宮城にPayPayを相互導入に踏み切ったのです。来場者の利便性向上のためライバル球団同士がタッグを組んだ姿に、SNSを中心にファンの間で話題になりました。

この時のPRは私が担当したのですが、単なる決済手段増と受け取られないよう、話題化を狙って楽天野球団と連携しながら一緒に準備を進め、無事に共同リリースすることができました。
実は、この時が私にとって他球団の事業広報担当の方とお話する初めての機会だったのです。
 
事業広報というお仕事については以前にもnoteで簡単に紹介しています。

プロ野球球団の広報は、大きく「チーム」「事業」の2つの軸でPRを担っています。チーム広報は選手を中心とした取材対応、事業広報はイベントやグッズなど選手以外の取り組みをPRするお仕事です。
イベントは、ホークスで言うと「鷹の祭典」や「ピンクフルデー」などに代表されます。
 
チーム広報は球団間の連携が必要になる機会もあるのですが、事業広報はこれまで横の繋がりがほとんどありませんでした。
 
私も日々他球団の動きをリサーチする中で、各球団のさまざまな斬新な取り組みに、目を見張ることが多々ありました。
その独創性は年々高まり、各球団が趣向を凝らした企画でファンを楽しませています。
 
例えば、オリックス・バファローズが夏に公開したポスター「キングオブコンビ」

衝撃的なビジュアルには度肝を抜かれました…!
(このポスターが話題沸騰したことがきっかけとなり、同じデザインのグッズも発売となったそうです。)
 
ほかにも、埼玉西武ライオンズの「チームロンゲグッズ」や、千葉ロッテマリーンズとオリックス・バファローズの球団を越えたコラボグッズ「宮城くんとろーたん」など、これまでの常識を打ち破る面白いアイデアが生み出されています。

そのような面白いアイデアたちが、どのようにして生まれたのか?ファンの皆さんに発信するためにどのような手段を使ったのか?各球団の担当者に聞きたいことが山ほどありました。
 
そして願わくば、楽天イーグルスとの事例のように、球団同士が相互連携した取り組みをして、もっとプロ野球ファンに楽しんでもらうことができれば、という密かな想いもありました。
 
そんな中、他球団からも同様の声があがり、パシフィックリーグマーケティング社の仕切りのもと今回のパ・リーグ6球団の事業広報会議の実現に至ったのです。

いざ、事業広報会議へ!

会議では、さまざまなアジェンダで活発な意見交換がされました。

イベントなどの告知でどのように選手を活用しているのか?
選手や野球以外の球団の魅力発信をどうやっているのか?
事業情報のメディア取材をどのように工夫して誘致しているのか?

などなど・・あがった議題はここに書ききれません。
 
各球団の広報担当者と交流する中で、感じたことが3つあります。
 
まず、どの球団も悩みは同じだということ。
イベントをはじめとする事業情報は、選手やチームの情報と比べてメディアに取り上げていただくことが難しいです。
 
私自身、公式サイトやSNSなどの自社媒体を活用しながらも、それ以外の人たちに事業情報を届けることの難しさを感じてきました。
そして隣の芝生は青く見える、という訳ではないのですが、他球団のさまざまな取り組みや成功事例が羨ましく思う時もありました。
 
ですが、実際にお話をしてみると、皆さんも同じように選手以外の事業的な情報発信に悩んでいることが分かりました。
実際に会議で出た話題は、「自分たちの球場の魅力や球場観戦の楽しさを、選手を使わずに発信する方法ってどんな切り口がある?」や「イベントのポスターに使う選手の撮影ってシーズン中はやっぱり気を遣う!」などなど、「いち企業としての球団の魅力」をいかにして発信するか、皆さんも日々試行錯誤していたのです。

 
次に、意見交換をする中で実感したホークスの強みです。
九州唯一のプロ野球球団という特性上、ホークスは他の地域と比べて地元メディアとの繫がりが強くあります。
福岡にお住まいの方はよくご存知だと思いますが、テレビをつけると試合中継をはじめ毎日何かしらのホークス情報が取り上げられ、福岡のTV番組を通して地元の皆さんにさまざまな情報が届けられています。
 
やはり選手情報が中心になりますが、その中で少しでもイベントの情報を取り上げてもらえるよう、私たち広報は福岡のTV各局に毎月訪問をしてどんな企画が求められているか意見をもらいながら、取材に繋げています。

日々、福岡のTV局に協力いただきながら事業情報を発信しています

他球団も、同じようにTVに多く取り上げられる球団もあれば、逆にTVは少なくWEBの記事が多かったりと、本拠地がある地域によってさまざまで、それぞれの特性を活かしたアプローチをしていることが分かりました。
ホークスは地域に根付いた取り組みがしやすく、地元の皆さんへの情報発信という点ではとても強みがあるということを改めて実感することができました。  

最後に感じたことは、球団は違えど目的は同じということです。

チームが勝負の世界で日々順位を争っている傍ら、私たち事業広報はたくさんの人に球団の魅力を知ってもらい、1人でも多くの人にファンになっていただくために日々奔走しています。

 そこに順位は関係なく、むしろ試合結果がコントロールできないからこそ、演出やイベントなど試合以外の要素でしっかりとエンターテインメントを創りあげて、ご来場いただいた方に「楽しかった!」という思いや感動を少しでも感じてもらいたいという共通の想いで取り組んでいます。 

今回の事業広報会議でも、各球団が惜しみなく情報を出し合いました。自分たちだけでは思いつかないような事例もたくさんあり、とても有意義な時間を過ごすことができました。

会議の様子。活発な議論がされました。

今シーズン、野球を球場で見た方の中には、試合の傍らで球場を彩るさまざまな演出やイベントを目にした方も多いのではないでしょうか。
もしくは、イベントを知ってその試合を見に行った方もいらっしゃるかもしれません。
 
選手やチームの発信をすることはもちろんですが、それ以外の魅力もたくさんの人に届けられるよう、これからもパ・リーグ球団で力を合わせて取り組んでいきたいと思います。

ちなみに、この公式noteの運営に関しても他球団から質問やご意見をいただきました。興味を持っていただけていることが嬉しく、同時に身が引き締まる思いです。まだまだ模索しながらですが、このnoteを通して少しでも皆さんにホークスという会社の魅力を知っていただけるよう、これからも色々なストーリーを発信したいと思います!

【おまけ】エスコンフィールドHOKKAIDO視察篇

今回の事業広報会議の中で、今年の春に開業した北海道ボールパークFビレッジの視察と、開業にあたっての取り組みをファイターズ スポーツ&エンターテイメント(球団と球場、Fビレッジの事業運営を担う会社)の広報からお話いただく場がありました。
 
特にエスコンフィールドHOKKAIDOは球場の中に温泉やサウナ、ホテルがあったり、これまでにない多様な観戦体験やユニークな仕掛けが話題となり、開業時には各メディアで報道されました。
 
今回私は初めて現地に行ったのですが、実際に目にすると、ファイターズが体現するボールパークは唯一無二だと身にしみて感じました…!

エスコンフィールドHOKKAIDO

最新の設備や日本初のさまざまな取り組みはもちろんですが、それ以上に、野球とエンターテインメントが完全に融合している、これまでに感じたことのない印象を受けました。
Fビレッジの中で身体を動かしたり、リラックスしたり、買い物を楽しんだりしているときに、「あ、ここ野球場だった!」と後から気付かされる感覚です。エンタメの中に野球が溶け込んでいて、新鮮な驚きの連続でした。
 
私たちもボールパーク宣言のもと、2020年7月にPayPayドーム横にエンターテインメントビル「BOSS E・ZO FUKUOKA」を開業しましたが、目指すべき姿はファイターズと同じだと考えています。
 
これからも、野球はもちろん、野球にとどまらないエンターテインメントでたくさんの人に感動や喜びを感じてもらい、福岡のランドマークとして私たちならではのボールパークを作り上げていきたいと思います。

ファイターズの皆さま、各球団の皆さま、パシフィックリーグマーケティングさま、ありがとうございました!

(文:広報室 鳥原早貴)


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