20240922「涙の成分」

涙の成分は
何の理由か
感情の痛みと喜びと
溢れるのは
きっとその雨のせいにして
あなたのどこかと
わたしのどこかで
繋がっているのだと
そう思うのは
でたらめなのか
偶然なのか
それとも必然なのか
あらゆるものを通り抜け
すり抜けて行くものがあれば
その流れで
わたしたちはいつかに合流する

繋がらなかったそれらを
間違いだったとするのなら
さぞかし落胆しつつも
その他の出来事を参照して
附置の設定を再定義する
横隣りに出会したのは
ほんの些細なこと
それでいて何かが応答して
馴染むこともある
さよならの連続ではあるが
さらさらに伏して
雨量が集中する
それもまた一時的だとしても
崩壊の兆しは
誰も予想つかない
だとするのならその耳を澄ます

混ざり合ったそれらの泥
かき混ぜるのは
融合への問い
複数性の泡立ちさへ
苛立ちの行き先を齟齬として
宥めるのは
優しい水滴をなぞり
気化する時間を
昇華へと委ねる
淡いの所々に見えるのは
誰かが落とした涙の名残り
憶えたことない偽りと
憶えられない記憶の未来
コップを揺らし
なだらかな階段を登り降り
渚のページで拭ってもいいのに