20240910「いつかのわたし、たち」
昨日のことを忘れつつ
今日に何かを得ている
いつだったかのは解らないが
そんな記憶もあったとして
勝手な解釈で捏造している
在りたい自分を更生させ
できもしないのに
過去までをわたしごとにしている
誰も問わないが
わたしがそれを聞いてしまう
もう忘れたわ
そんなこと
口にはするけれど
きっと解っているのは
どんなわたしなのだろう
交錯するけれど
そんな自分を見ておこう
わたしの速度を落として
それぞれの段階を隨に和らげ
いつかに拾い上げる
自分だけが知っていること
そして誰かだけが知っていること
合致している所もあるだろうに
齟齬をすり合わせ
捏造するのも吝かでない
適当に遇いつつ
今に調整している
気分次第で
こうでも在り
そうでも在り
様々な断片に含まれている
物語をぺらぺらと口にして
語られないその他を
今に待っている
過去の寂寥
これからの日常
わたしの前後で揺れている
さっきまでの所ではないし
既に敢行されてはいるが
それも知り得ない現実の複数性で
何気なく選んでいる
あるいは選ばされているのだとしても
今があるのなら
たぶん未だ大丈夫
そういうことにしておいて
更に誰彼の文言や行動
全部を把握できない
細々とした振る舞い
沈潜しつつも
呼吸を探し
ある水面に波紋を浮かべている
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