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20231225「白い羽」

白い羽を広げ
未だ柔らかい模様を抱え
ゆっくりと準備をしている
こんなに寒いのに
息も白く
また薄曇りで
マイナスまではいかないぐらい
余りにも遅いから
見向きもしない
それでいて
飛ばなければ
そこに行けることもないから
動作の蓄えを費やし
押し寄せる硬度への順応
灰黄色を濁らせつつ
別の変容として
その時を待っている
震える鼓動を燃焼し
漲るのは変化への対応

集合しつつてんでばらばら
互いが互いで
証明している存在なら
どれもが蔑ろにされないはず
それでいて脱落する羽の一部
再生を促すのは誰かのため
何度も滑空しては
着地点を探し
それらしい記憶を選び
その土地土地を巡る
新鮮でありつつ
どこかで見たような光景だとしても
結実した証をそれぞれが抱えている
具に見れば何かが見つかる
そうは解ってるつもりでも
掛け値なしに馴染むのなら
それはそれであなたの範疇
全部は揃えられないのなら
選べない選択を骰子に聞こう

過ちの繰り返し
誰が誰だと言う訳でもないが
失敗しつつまた次の駅まで向かう
張り巡らされた航路をなぞり
北から南へそして巡って
循環の中へと潜り込む
もがく推進力で底が明ければ
粉々になった破片だとしても
分解されながら別の発酵を促す
熱が冷めやらないうちに
その滑空からの羽ばたきで
あなたはどこへでも行けるだろう
それもまたいい加減な誘いだが
わたしたちのことだから
誰かが助け誰かを助けつつ
泳げない航海を魚影が鱗を反射し
そこからここへと戻って来る
別の家が在ればいい
休む場所で弱い灯火をそっと点ける

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