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20231228「バトンの問答」

齧っていっちょ
いっちょ噛み
平らげた後の満腹で
もう入らないから
それでいてデザートなら
いけるかもしれないって
誘惑のことばで
美味しさを受け取る
ふうっと
食べた食べたとひとこと言って
ごちそうさま
消化の途中で
もう動けないからって
すぐ横になろうと
目を閉じる
全部わたしになるわけではない
その一部がきっとそう
接続されるまでは
ぽんぽんと腹鼓

いつものように
お皿を洗い冷たい手で悴んで
さよならって零す
現れたのなら
その姿を変化させ
どこそこに生まれ変わり
もうどれがどう
わたしになってるのか
どうにも答えられない
いつも無口であっても
持論がないわけでもない
ただ喉に痞えてるだけ
それもまた醸成されたら
別の文言さえ
空間にばら撒かれ
暫くすると
また静かになっていく
消化できないものも沢山在って
言い表せないものまでも抱えている

あなたはだあれと
物ものが聴く
わたしで在ったことが
あなたになってしまって
わたしはあんたの一部になるなら
そのことを聞いてみる権利は
きっとあるはず
そう言われても、と
わたしの傲慢さのおかげで
問いさえ持ち合わせてなかったから
すぐに返答も叶わない
消化の過程で
別のわたしにいつもそうなるなら
わかるだろうに一向に見て見ぬ振り
渡されたバトンの問答
解釈して分解し
入れ替わるわたしのあなた
既に変化している様子を
誰が観てるのか想像しておこう

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