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20231118「アナザー スパイラル」 

わたしが触れた物ものを
誰かが運んでくれて
反応した何かを現している
その時々の幾つかを受け止め
それ以外は沈黙して
発露の機微を挑発している
他の人はどうするだろう
わたしは気にはしなくとも
あたなは気にするかもしれない
あるいは別の解釈で誤解するかも
なんてどうでもいいようで
それでいて臆病だから
言い表せられないものまでも
抱えつつ手放している
記憶のどこかで手放していないもの
そして受け取った先の
価値らしきものを
言いふらかす
戸惑いの途中で振り向いている

扉を開ければ
違う空気を吸うことができる
同じような姿形
それでいて思いも知らない
一個の複雑性
捉えきれないわだかまりを
何度も呟き
それでも会話のやり取りで
気づくこともあるだろう
わたしも知らない自分のこと
あなたがいるなら
その違いを以て
違いの輪郭を再度抽象する
翻り着地するのは実際のわたしたち
知られない言い訳
衝動の錬磨
弱すぎる鍵
そそくさと慄いて
祈りの類いを召喚させている

よく言えばそうも言える
でなくとも時に乗じ
すとんと腑に落ちることもあったり
堪えきれない怒りなんかも
常態の途切れには
晴れ間が開く
聞かれもしないのによく喋ったり
見えない所で善行を積んだり
思惑の轟きと閃く雷号で
有り余った余剰を投資に預ける
無いものとしていたら
いつの間にか膨らんで
何ものかを包摂するかもしれない
わたしたちの知らない場所
言い表すことないそれ
在ってしまう何ものか
謂れの向こうから
次の記録を情報として
加算しながら減法を上乗せしている

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