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20240716「一葉の下」

ゆったり前後して
風に揺られ
上下を煽ぎ
しなやかさを強化している
緑に囲まれた
忘れられた庭では
粛々と各々が全うしている
それが許されないまでも
誰が言う訳でもないのだから
より静かに生存の歌を歌い
季節を案じ
転ばぬ杖を地面に接地させている
どれもが枯れると言うのに
繁茂は遠近を絡ませて
濃く薄く
虫音を響かせ
小さな庭に何かの花が咲く

掻き分けた緑を倒し
根こそぎ平にしては
その平衡もまた自然の摂理
だと言うものの
それを許されると
どこかで甘え
そうではないことまでも
我がもの然として
振る舞いを述べている
見間違えるほどに
揺らぎ
枯らしては
生まれ
湿度を湛え
雫が一滴落ちる
緑も涙を落とすのだろう
そんな季節を過ごしている

よく言うことも
そうでないことも
包摂されながら
各々の言い訳を探し
放たれたありのままを
それぞれが問う
行動のひとつひとつ
瞬間の連続
紛い物の中のひかり
照らされた反射で
別の所が選ばれている
風も少しは落ち着き
地面を柔らかにし
下に下に
見上げる空は
何を与えるのだろう
一葉の下で生きている

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