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20240419「旅するごとに」

旅するごとに
変わって行って
どれを見て
どれを躱し
拾えないものをも
わたしに預け
糧とする
幾らばかりを持って
少しずつ減らしていく
足りなくなったら
また足を伸ばし
栄養を蓄える
見聞きしたものを
全部は憶えてはいないように
どこかで保存されうる
小さな欠片
どんなものでも存在している

眼差しの静けさで
朝を待って
夜を過ごす
眠ったままの夢を
小削ぎ落として
夢を喰む
地味を開き
そこここを平らげ
また別の所に種を撒く
報われないとしても
成長段階を示し
振り向きつつ
また前を向く
予兆を刻み
各々が受け持つ
知らない誰かが
新しい人を見つけている

どこに繋がるのか
知らない方がいいこともある
出会すその様子を
記録の断片として
身体へと送る
名前も知らない誰かのこと
知ってるはずの知らない何か
持ちれないものを抱え
零れるままに見つめている
やがて集まり流れるのだろう
一滴を受け
海へと送る
そのうち綺麗な雨も降るかもしれない
石を磨き
削りきれないまま
その表面を磨き
誰かがそれを保持するだろう

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