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20240801「知らぬが仏」

来る日も来る日も
送って送って
今に戻っている
遮られた窓を開け
既に空いていたこともまた忘れ
再度網戸で濾過している
遠くの空を見ているだけ
ここに居るのは偶然のはず
もしくは必然の出来事
只に振り向き
また今に戻る
それもまた過ぎ去るし
憶えきれない物ごとを誘って
戯れておこう
躍った身体をままにして
何が楽しかったのか
それさえ未だに残っている

体験の感覚を捩って
違う動作で
もう一つのわたしを奏でておこう
反復したはずの涙の跡を拭い
からからの地面を進ませる
それらを待たせ
あるいは募らせた集合をばら撒き
星屑の接線を縦横に侍らせ
解釈の補助線で
浮き上がる姿を実らせよう
垂れた稲穂を横目にして
暑かろう寒かろうと
頭を垂れさせ
ぞんざいな繰り返しで
誤差もまた付け加えられ
それでいて平然に
食物を受け入れている

知らぬが仏
わたしだけ知っているのは
偶然の灯火
風を呼んで雨を降らせ
また踊るのは
太鼓練習の継続で
どんどこ腹も膨れている
蝶番の軋み
抑圧の滑り
ぬるりと落ちて
返ってくるのは
いつかの問い
もしくは前後して
影を踏む
振り向きつつ進むのが
手探りの手法
共鳴する技法ですり抜ける

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