【Diary#14】僕らは何に心臓を捧げるか
楽しみにしていたTVアニメ『進撃の巨人』のFinal Season Part 2の放送がスタートした。物語はついに最終局面。僕は原作で最終話まで読んでいるので、展開はわかっているのが、わかっているからこそ早くアニメで見たかった。
Final Seasonとなり、残酷さに拍車がかかる。もっと違う未来があったんじゃないか、と読者だけでなく登場人物たちも思っていた。
それでも未来に向かって突き進むそれが進撃の巨人だ。
原作を読んでいるとき、ネットでネタになったコマがあり、当時もこれはアニメ化した時も盛り上がるだろうなと感じていた。そのシーンは案の定、海外のファンやアニメ勢を驚かせた。
最終章にて初登場したイェレナというキャラクターだが、なんと「イェレナ顔芸」とまで言われ、この表情のコスプレをする人が現れるほど。高身長でカリスマ性もあり、もっとかっこいいシーンだってあるはずなのだが、このカットが一人歩きし過ぎている。「進撃の巨人」を知らない人もこのキャラは知っている、顔芸イェレナという認識になっているのではないか。
今季の『進撃の巨人』はEDソングが素晴らしい。いや、今までのも素晴らしかったのだが過去最高に良いのではないかと思う。世間からの評価も高く、78カ国の地域の様々な音楽チャートで首位を獲得している。
この『悪魔の子』を書き下ろしたヒグチアイは元々『進撃の巨人』の大ファンだったようで、歌詞にそれが滲み出ている。そのため、ファンからの支持も高いのだろう。
サビの歌詞です。ネタバレはしない。言えることは「これが進撃の巨人だ」ということだけ。
歌詞だけでなくメロディも最終章に相応しいのでぜひ聞いてみてほしい。
アニメ『進撃の巨人』を制作しているMAPPAが手がけた『劇場版 呪術廻戦0』も1月頭に見に行った。
詳しい感想は下の記事に書いた。あまりに良い作品だったので、語り尽くしている。ぜひ読んでいただきたい。
金曜ロードショーで放送されていた『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 特別編集版』を録画したっきり、見ていなかったので見た。
暁佳奈による小説『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を原作に京都アニメーションが手がけた作品だ。
というあらすじ。概要だけだが、充分感動作であることがわかる。しかしそれだけじゃないのが『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。手がけているのはアニメ界でトップクラスの実力を誇る京都アニメーション。圧倒的映像美で魅せてくるのだ。
その美しさはこの金曜ロードショー公式Twitterで一部見ることができる。このクオリティの映像が映画ではなく、かつてテレビ放送されたいたのがもう信じられない。さすがは京アニだ。
で、この特別編集版を見たわけだが「どうしてもっと早くこの作品を見なかったんだ!」と思った。ただ面白く、映像が綺麗なだけでなく自分の好み過ぎる作品だった。テーマがしっかりしていて、気が抜けるようなおふざけシーンもない。
もちろん原作小説も読みたいが、アニメのDVDを揃えてもいいかもしれないと思っている。
1月16日。
大学生協が主催する村田沙耶香のZoom上のトークイベントがあった。『コンビニ人間』が芥川賞を受賞したときに彼女のことを知り、同作も読んだが『消滅世界』を読んだ時の方が衝撃を受けた。
人口子宮により、男性でも子供を産める。男性も母親も概念的に「お母さん」である、という話に肝を抜かれた。この作家やべえと思うようになり、そんな村田沙耶香のトークイベントと聞いてとても楽しみにしていた。
余談だが、開始前の待機音楽としてしゃろうの『You and Me』が使われていた。しゃろうはフリー音源を作成する作曲家だが、彼(彼女?)によって生み出された曲はとてもフリーとは思えない。アルバムを出してほしい。買うから。
そんな大好きな作曲家の曲からトークイベントは始まったので期待が膨らんでいたが、その風船は簡単に弾けてしまった。
司会と村田沙耶香の二人が画面内にいるのだが、使っているマイクは二人の間に一つ。集音力も低く、二人が何を言っているのかとても聞き取り辛い。
さらに前半がトークイベント、後半が質問コーナーというのが当初の予定。しかし実際は前半が事前に集めた質問への回答、後半がリアルタイムでの質問への回答。およそ2時間の質問コーナーだったわけである。いくら好きな作家といえど、ただ聞いているだけのこちらからすれば苦痛でしかない。
村田沙耶香が悪いわけではないが、正直全く楽しめなかったイベントだ。
念の為、もう一度言う。村田沙耶香は悪くない。『消滅世界』オススメなのでぜひ。
『その女アレックス』を読んだ。僕が敬愛するSEKAI NO OWARIのボーカル・Fukaseがオススメしていた小説だ。『チェンソーマン』も彼がTwitterでオススメだと言ったことをきっかけに読み始めたのだが、すごく面白かったので今回も期待していた。
海外文学は翻訳の違和感のせいで読みにくく感じることが多く、普段はあまり読まない。ましてや『その女アレックス』は連続殺人犯・アレックスとカミーユ警部の二人の主人公の視点から物語が進むミステリー。かなり難易度が高いと言える。
しかし蓋を開けてみると思った以上に読みやすかった。作者であるピエール・ルメートルの文章構成が良かったのか、訳者の翻訳が良かったのか定かではないが、今まで読んだ海外文学の中で1番読みやすかった。
また、物語の舞台はフランスだったのだが、この1年間フランス語を勉強していたこともあり、地名だったり仏語の文だったりが理解できたのがなんだか嬉しかった。思わぬところで外国語を勉強することの喜びを感じることができた。
小説以外にも新潮新書の『小説家になって億を稼ごう』という本を読んだ。「万能鑑定士Q」シリーズ、「探偵の探偵」シリーズなど数々の名作を書いた松岡圭祐の著作だ。彼の作品は一度も読んだことがないが、タイトルに惹かれて買ってしまった。
前半が小説の書き方、後半が売れた後の生き残り方を紹介する、異色の小説ハウツー本だ。
実際に作者が億を稼いでると知っていると内容にやや嫌味が込められているように感じなくもないが、デビューし売れている以上彼の方が僕より優れていることに間違いはない。前半も特別なことは書いていないし、後半もデビューしなきゃ実感が湧かないような内容なので「そうなのかー」程度にしか思えなかった。
この後半部分が今後役立てばいいな、と願いながら今日も創作に心臓を捧げる。
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