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ブックディレクターが聞く、こどもたちのための図書館像

札幌で開館準備が進められている図書施設「(仮称)こども本の森」のコンセプト策定のために公開グループインタビューが開催されるという情報を聞いて、何か情報を得たいという気持ちと、ブックディレクターとして大人気の幅允孝さんのお話もぜひ聞いてみたいと思い参加。


イベント概要

日時:2024年2月18日(日)
会場:札幌市民交流プラザ 札幌市図書・情報館1階 
主催:札幌市図書・情報館、札幌市中央図書館

会場は札幌市図書・情報館。こちらが本当に素敵な場なんです。

札幌市図書・情報館 | 札幌市民交流プラザ (sapporo-community-plaza.jp)

2019年にはLibrary of the Year 2019「大賞」と「オーディエンス賞」をW受賞しています。
「貸し出さない図書館」が大賞受賞、Library of the Year 2019|新・公民連携最前線|PPPまちづくり (nikkeibp.co.jp)

こちらの紹介だけでかなりの記事が書けるくらいになりそうなのでそれはまた違う機会に。

イベントメモ

今回の幅さんのイベントは、幅さんがファシリテートするかたちでグループインタビューが行われました。
グループインタビューに参加されたインタビュイーは図書館司書や子育て中の方(お子さんと一緒に)、図書館や本が好きな方など様々な一般の市民。

私も勇気を出して参加したら良かったかなと後からちょっと思いましたが、勉強もしてこなかったし、何か良い提案とか意見とか言える自信もないし役立てる気がしない・・・と観客で参加。(でも主催者はそんなこと求めてなかったと思います)

巨大サイネージがある素敵な空間

写真のように幅さんの前には本がたくさん並んでいました。グループインタビューの参加者が、その中から1冊図書館に置きたい本を選んで、その理由を話すのです。それぞれの価値観や思いが感じられて楽しかったです。

その他にもいくつかの質問にみなさんが答えていく部分ももちろんありました。幅さんの優しい声と語り口で場が創られていく感じがとても心地よく感じられた。

幅さんの発言の中で「選書に正解はない」という言葉がとても心に残った。
本当に、選書には「その人」が現れる。だから私は自分の本棚を人に見られるのはちょっと恥ずかしい。誰かの本棚を見る時もドキドキする。

私は、詩人の谷川俊太郎さんの言葉を、絵本の選書について話す時よく引用します。

「何を読むかは、好き嫌いで決めればいい。直感で決める。名作を選ぶのも、きっかけとしてはいいですが、最後は自分のセンスで読むものです。
どの絵本を選ぶかにその人の審美的な教養が出る」

Casa BRUTUS特別編集 【完全保存版】読み継ぐべき絵本の名作200より

優しくもあり、ある意味とても厳しいこの言葉。正解がない選書をあらわしている言葉だと思います。
「審美的な教養」という言葉が私にはしみる。審美眼を磨き、学ぶことが豊かな人生にもつながるのではないだろうか。
まだまだ薄っぺらい私にはなかなかたどりつけない境地ではあります。

話は戻って、この日は、札幌市中央図書館利用サービス課長であり前述した札幌市・図書情報館をコンセプトづくりから創りあげてきた淺野隆夫さんもいらっしゃいました。

既に開館となっている「こども本の森」については、賛否両論あったり、札幌でも充分な検討が必要だという意見も私は耳にしています。
けれど札幌では淺野さんがいらっしゃるのだから、よいものが出来るのではないかと私は楽観的に思っています。頼りすぎかもしれませんが。

写真左が淺野さんです。いつもおしゃれ。

この日「こども本の森」に関する新しい情報などは特にありませんでしたが、午前中は子どもたちにインタビューをしたとおっしゃっていました。
こうやって市民の声を聞きながら丁寧に進めていくという姿勢や段取りって大切だと感じた。そういうことも参考になりました。

余談ですが、幅さんはとてもおしゃれで素敵なグレイのモヘアっぽいニットカーディガンに白いスニーカー。清潔感があって、センスの良さが溢れていた。

チラシをダウンロード(PDF形式:389.85KB)

ブックディレクターが聞く、こどもたちのための図書館像 アーカイブ | 札幌市民交流プラザ (sapporo-community-plaza.jp)
↑こちらにこのイベントの開催報告が掲載されていました。

これからもこの事業に注目していこうと思います。


ご参考

ブックディレクターの幅さんの記事

BACH幅允孝が実践する、読み手の心に深く刺さる本の「差し出し方」 - デザイン情報サイト[JDN] (japandesign.ne.jp)


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