雪燃ゆる

好きの押し売りとアウトプット

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好きの押し売りとアウトプット

最近の記事

ゆく年くる年

あけましておめでとうございます。 雪燃ゆるです。 今年の年末年始はお金を稼いでおりまして、ご挨拶諸々遅れまして大変失礼いたしました。 ありがたいことに2023年も生きられました。 2024年も生き延びたいと思います。 2023年は色々なことがありました。 養成所を卒業して、活動始めた途端に身体を壊してもう辞めようかと思ったけど未練がましくしがみついてみたら初舞台を踏むことが出来ました。 ありがたいよ〜本当にありがとうございました。 新年も明けたので、昨年の後始末をし

    • 誕生日

      クリスマスを成績表に例えてる漫画がありました。 何人かは分かるかしら。 大好きな漫画三月のライオンです。 クリスマスはどれだけ愛されてきたかの成績表。 どんな人にどんな風に愛されてきたのかの。 そんな言葉に胸が痛くなったのを覚えています。 年の瀬に誕生日を迎える私にとって、誕生日も成績表の1部みたいな感覚はやはり心のどこかにあって、見透かされたようにヒヤリとした記憶があります。 学生時代の私はあまり人付き合いが得意でなかったのですが、それでも交友関係が狭く深くな性格が幸い

      • 仕事の話

        お久しぶりです。雪燃ゆるです。 私の筆不精はよもや救いようもなく、長らく期間が空いてしまった。 Twitter改めXにて繋がっている皆様はご存知の通り役者の端くれをさせて頂いておりまして、先日初舞台を踏ませて頂きました。 初めての舞台、そして半年以上振りの芝居← というのも夏の間調子が出なかったんですよね。 それはもう雪が燃えるように、ドロドロに解けて、クーラーに悩まされ、暑さに悩まされ、食べれない眠れない、身体が痛いと散々な具合でした。 体調もろくに整えられない人間

        • その程度

          久しぶりに時間ができたので、韓国ドラマを見ました。 恋には駆け引きが必要という恋愛コーチの女性と恋はもっと崇高なものだという男性編集者の恋の話。 個人的にすごくタイムリーだったのもあり、グッサリと刺さってしっかり底までたどり着いて、あとは立ち上がるだけと思えた作品でした。 私の元好きだった人は、とても弱い人でした。 弱い人というのは、人に優しくする術を知っているとも言えます。私は彼の弱さから来る、優しい言葉の数々が好きでした。 彼が私を深く傷つけて、それを伝えた時に、

          ニューホライズン

          夕方、ベランダを開けて外の音を聞くのが好きだ。 一日がそろそろ終わるって時間に、風の音だけが聞こえるのが心地よい。近所の人の帰宅音とか、ポストを開けて閉じる音とか、塾帰りの子供の自転車と笑い声の音も良い。 「そうやって副流煙で僕のこと殺す気なんだ」 最近仲良くしている男の子は私の隣で口をとがらせている。 「これは水蒸気のやつ、ほとんど害はないって聞くよ。」 あぐらの膝の上に乗っている頭を撫でると気持ちよさそうに目をつぶるのが愛らしくて、子犬みたいだと思う、もちろんそ

          ニューホライズン

          夜の駄文

          毎日書こうと思っていたのに日が空いてしまった。 私は本当に怠け者なので、筆が乗らないことも多々ある。 本日は約一ヶ月ぶりのオフでサービス業である私にとっては目下稼ぎどきのためこのタイミングでのオフは本当に貴重だった。 私はお金を稼ぐが好きだ。 あまり浪費する方ではなく、比較的貯めるタイプなのだが、お金があるという状態が好きで、少しでも多く稼ぎたい。 だからあっちこっちで仕事をして、ほとんど休みがない状態になることもしばしばあり、体力的に限界を迎えることも少なくない。 殊

          募集&採用要項

          エッセイとは何かという質問をされた。 私は同年代の子と比べても本を読む方ではあるし、色々なことを言語化しやすいと思うが、ほんの少しだけ閉口してしまった。 しかし思った。 エッセイとは、人に読ませることを前提とした日記ではないかと。 日記を書くことで精神状態が向上するというのはきちんとエビデンスのある事実だ。 だから私は、こうして今日もエッセイを書くし、朝は日光を浴びるし、ストレッチをして、ベットメイキングをする。 そんな日常のちょっとした工夫や頭の中に溢れる言葉たちを

          募集&採用要項

          謎解きアート恋愛映画【鑑定士と顔のない依頼人】

          私の感想としてはこの上ないハッピーエンドのように思えた。 冒頭から何度も繰り返されるヴァージルの1人での食事シーン。 孤児だったというバックボーンから読み取るに、彼は誰かと一緒に生きたこと、誰かと一緒に食事したことがなかったのだろう。 店員は当然のように彼だけにお皿を置き、連れを尋ねることもない。 そんな彼にとって、「連れを待っている」ということの出来る当てがある事がどれだけ幸福な事なのか。 ラストシーンのナイト&デイには時計だらけだ。ここには永遠の時がある。 彼の時は

          謎解きアート恋愛映画【鑑定士と顔のない依頼人】

          カムバック俳優の魂の熱演【ザ・ホエール】

          見終わった後席から立てなくなった映画は久しぶりだ。 それくらい圧倒される作品だった。 ブレンダン・フレイザーがアカデミー主演男優賞を受賞した本作は、彼にとってのカムバック映画であったことが連日とり挙げられている。 彼に何があったのかは割愛するが、そんな彼だからこそ行えた魂の演技であるという見方には完全に同意する。 原作が戯曲である本作は異色の室内劇だ。 映画を見る上での楽しみの一つである風景というエッセンスがほとんどない。 よって私達は登場人物の心情を景色として受け取る。

          カムバック俳優の魂の熱演【ザ・ホエール】

          あとがき

          もっともらしく、あとがきとか書いちゃったりなんかしちゃったりして。 どうも、雪燃ゆるです。 最近は、インプットが多くて、ただでさえうるさい頭の中が本当にうるさくて、不眠症が悪化してしまったのでアウトプットのつもりで書きました。 全体的に、伝えたいことが各項目にあって、単純な私の脳内では難しいことは書けないので、比較的簡単な話になってしまったことが悔やまれます。 名前のない彼と彼女と私と俺と僕を、読んだ人が自分事で楽しめたら良いなと思っています。 日常で訪れる平和を、当

          末日

          ベランダにそって置かれたベッドに腰掛けて、扉を開くと冷えた風が入ってくる。 彼女はやっぱりここにベッドを置いて正解だったと思った。 大好きだった友人から貰ったライターで火をつけて煙を吸い込む。 身体に合わないのか、お酒に酔った時似た浮遊感を感じてベッドに倒れ込んだ。 適当に切った髪は流行りのウルフカットになっていて気に入っている。 叔父に似て、真っ黒の髪と、白人のような白い肌は吸血鬼や死神のようでなんだかんだそれも彼女は気に入っている。 あの異常者がこの世から消えて2ヶ

          その人が言うことには

          スマートフォンが振動した瞬間から嫌な予感がした。この時ばかりは自分の異様なまでの感の良さを憎んだ。 妻から頼まれた買い物リストを見ながら1つづつカゴに入れていく最中で、豆腐の下にネギを入れてしまったばっかりに容器が傾いている。 『あの子死んだって』 耳に飛び込んできた情報より早く、冷静で取り乱すことが稀な妻の震える声に今すぐに帰らなくてはと思った。 玄関を開けると見慣れない男女がスーツ姿でいて、ドラマみたいだと思ったのはきっと私のできる最大の現実逃避だ。 愛する娘は

          その人が言うことには

          ハッカには注意を

          どういう自分になりたいかを考えながら生きている。そんな人が多いと思う。 頭が良いと思われたいとか、可愛いと思われたいとか、かっこいいと思われたいとか、他者からの承認が人を作る。少なくとも私はそうできてる。 大学生になった私の目下の目標はモテる事で、何とか高学歴の旦那候補を勝ち取りタワマン住みの主婦になることを見据えている。 だって私は、人より優れたところは何も無いんだから。 バイト先は古いラーメン屋で、これは私には似合わないけど、ラーメン屋の看板娘っていうところは気に

          ハッカには注意を

          月の夜には訪ねて

          『近所で女子大生が刺されたって』 驚きと興奮の色を携えて彼が言ったのは、ラーメン屋のカウンターだった。 斜めのカウンターテーブルに苦戦しながら、何とか麺をすすり、横に目をやると、いつも通り眉間に皺を寄せて腕を組み考え込んでいる友人がいた。 彼はショートカットの可愛い彼女と別れたばかりで、最近少しやつれたように思う。 こいつに彼女はもったいない。 俺は常々そう思っていたから、別れたと聞いてすこし胸が高鳴った。彼女は夜どんな声で鳴き、どんな風にその頬に触れるのか、想像した

          月の夜には訪ねて

          雪の中の彼女

          どこかに行きたい。 ずっとどこかに行きたかった。 それが、どこかに行って消えてしまいたいという気持ちだと気がついた時には、私の希死念慮は古びたぼろ切れのようにズタズタだった。 春の日差しが暖かくなった頃、心機一転ショートカットに切りそろえた毛先が慣れないせいか顎に当たって鬱陶しかった。 大学に入り、何気ない授業で退屈していた時同郷の先輩と懇意になった。 先輩には1回生の頃から付き合っている、お淑やかそうな彼女がいて、こういう女が好きな男はきっと私を好きにならないだろうと

          雪の中の彼女

          三文小説

          他に好きな人が出来たからと、彼女が告げた時に心の中でガッツポーズをしたのを僕は今も覚えている。 いつもの席で、いつものコーヒーと、いつものホットサンドを食べている時だった。 『別れよう、他に好きな人がいる』 在り来りのセリフと在り来りの受け答えの後僕らは別れて、それが最後になった。 僕のプロフィールなんて大したことがないから、彼女の話をしようと思う。 彼女は本当に可愛かった。顔とか性格とかそんな次元じゃなく、本当に可愛かった。 初めて会った時、なかなか笑わない彼女