新宿のディレクター

気付けばゲーム業界に入って約20年。 おはようからおやすみまで。家庭用機からソシャゲま…

新宿のディレクター

気付けばゲーム業界に入って約20年。 おはようからおやすみまで。家庭用機からソシャゲまで。ゲーム作って生きてます。 知能指数高めな記事は他にたくさんあるので、ぼかぁ知能指数低めでやってこうかと。

最近の記事

地球の人類に告ぐ。君達が眠っている間に、世界は変わった。【プロフェッサーX】

 noteではアメコミについて触れてはこなかったけど、邦訳版「ハウス・オブ・X/パワーズ・オブ・X」を読んだあとの、どうしようもない気持ちをどこかに吐き出したくて、ここでぶちまけることにした。 X-MENとは X-MENに興味が無い人間が、このnoteを読むのか疑問だが、ここで一応「X-MEN」について説明しておこう。  「X-MEN」はMARVELコミックスに掲載されるヒーローチームだ。  1963年に登場以降、約60年に渡って、今も連載を続けている。 「X-MEN」と

    • 『国破れてコンテンツ在り』 ―もしも日本が侵略されたら―

       ここ最近ウクライナ情勢のことを考える時間が多い。  それは、ともすればやがて来る、未来の日本の姿なのではないかと思えて仕方ないからだ。  もし日本が侵略戦争をしかけられたらどうなるのだろう。  その時、ゲーム開発することしか能がない自分が、何か役に立つのだろうか?  そんなことを考えていたが、実はゲーム――  いや日本のコンテンツこそが、もしかしたら『日本の未来』を救う大きな要素ではないのか? と思い立ったので勢いのままに書き連ねることにした。 日本が侵略を受けたなら

      • ヘブバンのシナリオをソシャゲ運営的メタ視点で考える

        ※※注意※※ 本稿はヘブバン2章終了までのネタバレを全力で行います。  本稿は、ヘブバン2章をクリアし「最上の切なさを」を標榜するヘブバンの一旦の方向性が見えてきたので、運営戦略的に一番近しいと思われるFGOと比較しつつ、ヘブバンの今後のシナリオの方向性なんか運営メタ視点で考えてみる、って内容です。 【シナリオでキャラを売る場合の構造問題】 まず最初に、キャラマネタイズ型のソシャゲにおいて起こるシナリオの構造問題について触れておきたい。  今回の記事の「運営メタ視点」とい

        • 「ヘブバン」-ソシャゲ界に新たなる怪物が産声を上げた-

           大仰なタイトルを付けたわけですが、「怪物」というのはディスってるわけではなく、従来の枠組では測れないってこと。  「平成の怪物」とか、そういう類のアレですよ。  特にソシャゲについては 「成功に再現性があると思えないので、決してマネしてはいけないコンテンツ」  というものは「怪物」と呼んで差し支えないと思う。  FGOとか、ウマ娘とかは、まぎれもなく怪物。  そして先週リリースされた、ヘブンバーンズレッド。  通称ヘブバン。これ間違いなく「怪物」ですわ。  「小手先

        地球の人類に告ぐ。君達が眠っている間に、世界は変わった。【プロフェッサーX】

        マガジン

        • それゲーム業界入る前に、教えてほしかったんですけど……!?
          19本
        • ゲーム運営のアレコレ
          3本

        記事

          中国のゲーム規制について39.3℃の頭で考えてみた

           久しぶりに39℃超の発熱で、ぶっ倒れたので、布団にこもっている間、中国のゲーム規制の件について考えていた。  今回の件は、日本のゲーム業界にとって悲報なのか、朗報なのか?  その内容を自分の備忘をかねて、noteにまとめてみる。 ※注※ 筆者は中国ゲーム業界の専門家でもなんでもない、普通のいちゲームクリエイターである。 2021年までの日本と中国のゲーム業界での位置付けについて、主観100%で整理 最初に、中国のゲーム業界における位置づけを主観まみれで整理してみる。

          中国のゲーム規制について39.3℃の頭で考えてみた

          仕様書って、どう書いたらいいんだ……?【仕様書を書く前に】

           今回は仕様書の書き方について。  この内容は、もはや就活用とかではなく、ゲーム業界入ったあとの段階の話だ。  とはいえ、実際にゲーム業界にはいってしまったら、仕様書というのは会社の書式とか、プロジェクトの書式があったりすると思うので、基本的にはそっちに合わせるべきことでもある。。  なので、ここまで書いて「このnoteは、書く意味あるんだろうか?」と、ちょっと思ってしまったが、ここまで来たからには書くぞ。  ぼかあ、有言実行と勢いの男なんすよ。 ■仕様書とは?  仕様

          仕様書って、どう書いたらいいんだ……?【仕様書を書く前に】

          ソシャゲで薄利多売が出来ないワケ

           「1人から1万円取るんじゃなくて、10人から1000円取ればいいのに」  ソシャゲで遊ぶユーザーの大半が考えたことがあるだろうし、実は僕自身も同じように考えていた時期があった。  それも、実際に運営側に回るまでではあったけれど……。  ネットサーフィンしてたら、久しぶりにこの手の主張を見たので、今さら感があるけど、改めてこの件についてまとめてみようと思い立ったので、勢いでまとめるぞ。 ■無課金の壁  さて「1人から10000円を貰う形を、10人から1000円貰う形に変え

          ソシャゲで薄利多売が出来ないワケ

          ゲーム系の求人募集見ても、どんな仕事か全くわかんない……【後編】

           ゲーム業界における、プランナー系職業の業務内容をザックリ、かつバッサリ語るnoteの後編。 語る内容はこんな感じ。 ■デバッガー/テスター/QAスタッフ (前編) ■スクリプター (前編)  ■シナリオライター ■レベルデザイナー ■PM/進行管理 ■その他  前編未読でそっちが気になる方は、こちら。  それでは、残りを書いていくぞー。 ■シナリオライター  これは多分真面目に書くと、それだけでnoteの記事が一つ出来上がる。  なのでザックリ行こう。    シナリ

          ゲーム系の求人募集見ても、どんな仕事か全くわかんない……【後編】

          ゲーム系の求人募集見ても、どんな仕事か全くわかんない……【前編】

           ゲーム業界に異業種転職してみたくて求人票見てみた。  専門学校生で、学校に求人票来てたのでチェックしてみた。  けど、募集されてる職業が全く分からん。    これっていったい、何する仕事なの……?  今の自分のスキルで担当できる業務なの……?  そんな疑問にザックリと私見まみれで答えていこうというのが、このnoteの主旨だぞ。  まあ学生時代の僕個人の経験から来ることなんですけども。  プロデューサーとディレクターについては別にまとめているので、こっちを見てくだせい。

          ゲーム系の求人募集見ても、どんな仕事か全くわかんない……【前編】

          今楽しんでいないユーザーを「捨てる」の意味

           本日2021年8月23日。  明日から2021年のCEDECが始まる。  そんなタイミングで、ふと2018年のCEDECで話題になった、ディライトワークスの塩川氏のカンファレンスについて、個人的に思う所があったのでnoteにしてみた。  ネットで話題になったのは氏の 「今FGOを楽しんでいないユーザーのことは、捨てる」  という発言。これで、かなり炎上していたと記憶している。  この発言「楽しんでいない」という部分の解釈が大きいと思うのだけれど、僕は「プレイしていない」

          今楽しんでいないユーザーを「捨てる」の意味

          夏だから……背筋が凍る「景表法」の怖い話

           昨今のゲーム運営に携わるなら、避けては通れない法律。  そう、それが景表法だ。  コンプガチャに対する法的な規制として使われたことで、景表法についてはプレイヤー側にもかなり認知されていることだろう。  しかし、この法律……ガイドラインを読めば読むほどに、クリエイターにとってヤベーことが書いてあるのである。  今回はそのヤベー部分について、noteにまとめてみた。  夏だし。 ■景表法とガチャの関係性についておさらい  景表法がゲーム運営に影響を及ぼすのは以下の2点だ

          夏だから……背筋が凍る「景表法」の怖い話

          ゲーム業界って賃金安くない……?

           さて、今回はゲーム業界の賃金……お給料の話だ。  かつてないレベルで夢が無い話になるのは間違いないぞコレ。  しかし、夢を追いながらも、僕らは現実を生きなきゃいけない。  だからゲーム業界を目指す前に、お金の話はしっかり教えておくのは、一人の大人としての責任だと考えている。  それじゃあ行くぞ。 ■先に結論  ゲーム業界の賃金は、残念ながら平均的に低い。  あんま見せるものでもないのだけれど、参考までに僕が23才の時の源泉徴収票(1年間の通しての給与明細)の一部を貼っ

          ゲーム業界って賃金安くない……?

          企画書の作り方が分からない……【③書面レイアウト】

           さて、ここを読んでいる段階で  「企画案は考えた」「何をどの順番で書けばいいかも考えた」  という所までは進んでいる、って想定で話を進めるぞ。  具体的には、企画書に書く内容を、箇条書きでまとめる所までは終わっているって段階だ。  終わってない……って場合は、レイアウト考える前の段階なので、こっちを見てくれたほうがいいんじゃないかなあ。  箇条書きに企画書の内容まとめてあるぜ! ってことなら、先へ進もうじゃないか。  企画書を作る時に使うツールは人それぞれだけど、今

          企画書の作り方が分からない……【③書面レイアウト】

          企画書の作り方が分からない……【②内容構成/プレゼン】

            企画書に書きたいゲームはバッチリ考えた!  ……けど、どういう形で企画書に落とし込んだらいいのか分からん!  という感じの方に向けて、  「どんな内容」「どういう順番で書いたらいいのか?」  ってのをまとめていこうと思う。  そもそもアイディアが企画って形にまとまってないよ……って人は、【①企画立案】のほうから見てほしいかな。  すっげー長いけど……。 ■企画書とプレゼン  さて企画書の内容構成について語る前に、プレゼンテーション(以後プレゼン)について語らないとい

          企画書の作り方が分からない……【②内容構成/プレゼン】

          企画書の作り方が分からない……【①企画立案-後編】

          企画立案の項目も、いよいよ後編。  前編・中編では  「ターゲットユーザーを定める。ターゲットユーザーを想定してゲームのイメージを固める。ゲームを膨らませる」  ってことのプロセスについて、ざっくりとまとめた。  ここまでの内容で「こんなゲームを作ろうと思ってます」というのは、考えられるのだけど……ビジネス的には足りないよね。  ってのが、今までのまとめ。  というわけで、後編についてはビジネス的な側面では、どんなことを企画立案時に考えておくべきなのか、って話だ。  

          企画書の作り方が分からない……【①企画立案-後編】

          企画書の作り方が分からない……【①企画立案-中編】

           前編のまとめ。  ゲームは遊んでくれる人がいてナンボ。  しかし、全ての人が楽しめるゲームなんてものは存在しない!  自分のゲームをどんな人がお金を出して遊んでくれるのか、ターゲットユーザーを考えよう。  おや、前編でダラダラ書いたのに、3行にまとまったぞ……。  とりあえず、前編はこちら。  それでは、サクサク中編行くぞー。 ■二つの視点で企画を考えてみる  ターゲットユーザーの重要性は前編で伝わった。……と信じてる。  しかしこれだけだと、前編の冒頭で書いた

          企画書の作り方が分からない……【①企画立案-中編】