ゲーム業界って賃金安くない……?
さて、今回はゲーム業界の賃金……お給料の話だ。
かつてないレベルで夢が無い話になるのは間違いないぞコレ。
しかし、夢を追いながらも、僕らは現実を生きなきゃいけない。
だからゲーム業界を目指す前に、お金の話はしっかり教えておくのは、一人の大人としての責任だと考えている。
それじゃあ行くぞ。
■先に結論
ゲーム業界の賃金は、残念ながら平均的に低い。
あんま見せるものでもないのだけれど、参考までに僕が23才の時の源泉徴収票(1年間の通しての給与明細)の一部を貼ってやろうじゃないか……。
なお、この時にはもうディレクターとして一本担当してるぞ。
ドーン!!
なんと年収271万円
諸々さっぴかれて、手取りは約171万円。
月々の手取りでいくと、約14万弱って所だ。
ここから、家賃や食費、光熱費、通信費なんかがぶっ飛んでいくわけである……。
一応フォローしておくと、当時の会社は設立間もなく、開発費の安さで勝負してた所もあるし、たぶん大手はもっと貰えるとは思う。
ただし入社しやすい中小開発会社から、ゲーム業界に入るのであれば、やっぱりこれ位の給料になると覚悟はしておいたほうがいい。
ちなみに、この会社には6年間在籍し、一応プランナー部のエースではあったと自負している。
だからそれなりに社内で評価されていたし、給与アップの話もそこそこあった。
……が、それをふまえても最終的な年収は330万とか、その辺りだったと記憶している。
これで一日3時間睡眠、2~3日に一回しか帰らないみたいな労働してるので、自給換算するとコンビニバイトの方がマシって話にもなるよね。
もし、君が「ゆくゆくは結婚して、子供も欲しいな……」と思っているのなら、正直この額は厳しい。
完全に夫婦共働きで、かつ奥さんがブラック労働に理解を示してくれないといけない。
もしくは、独り身で夢を追いかけるかだ。
年収300万ってのは、そういう額なんだ。
ゲーム業界ってのは、外から思っているよりも、入るのは簡単だ。
だけれど辞めてしまう人も多い。
その大きな要因の一つに、こういう給与の低さと、それに見合わない労働条件ってのは確実にあると思っている。
しかし、一方でゲーム業界に夢を持って入ってくる人間の数は、リタイアする人間の枠を補って余りある。
そんなこんなで、給与や労働環境も特に改善されることなく、低い賃金での労働が当たり前になっているわけだ。
だから言っておこう。
ゲーム業界は、入ることよりも、続けていくほうが大変だ。
とりあえず、今日はこれだけでも覚えていってほしい。
■年収をドカンと上げる方法はないのか?
年収を上げる方法?
ありますよ。
それは転職すること。
いや、もちろん異業種にじゃなくて、ゲーム業界の中でね。
社会人になったら、割と当たり前の話になるけど、年収あげるなら「転職」
ッぱ、これなんだよなー。
というのも、一つの会社のなかで給料を上げるのにかかる期間と、自分がレベルアップする速度でいうと、大体の場合において自分のレベルアップの方が早いんだ。
だから、入った会社の中では低い給料のままだけど、他の会社から見たら、「あなたのスキルなら、もっと給料出せますよ」ってパターンが多いわけだね。
大事なのは、自分のレベルアップをしっかり重ねていることが前提なので、ただ転職を繰り返すだけだと、給料は上がらないぞ。
レベルアップってのは、色々あるけれど、ゲームプランナー志望であるならば分かりやすいのは、役職がクラスアップすること。
デバッガー ⇒ プランナー ⇒ メインプランナー ⇒ ディレクター
みたいな感じだね。
あとは、自分の肩書として名乗れるものが増えたときとか。
プランナー
スクリプター
シナリオライター ←NEW!!
みたいな。
将来的にゲーム業界に入って、給料が低いなあと感じた時、自分はレベルアップしているはずと思えるなら、そういう時は思い切って転職してみてもいいかもね。
給料アップするかもしれないぞ。
■今のゲーム業界とレベルアップの可能性
前の項目では、自分がレベルアップを出来たと思ったら……と書いたが、ここでまた夢の無い話をしなきゃいけない。
今のゲーム業界は、レベルアップをする機会がどんどん減ってきている。
PS登場以降、ゲームは開発費がどんどん高くなる一方だ。
けれど僕が20代だったころ、世間はまだガラケーだったし、ハードはDSが人気だった。
ガラケーやDS、これらに向けたゲームは、高性能な家庭用ゲームに比べて、開発費を安く制作することができたので、そういった小さいゲーム開発を含めると、仕事の数もそれなりにあった時代だった。
けれど時代が進み、今やスマホでもかつてのPS3レベルのゲームが動く時代だ。
ゲームの開発費は膨れ上がる一方、開発に失敗は許されない。
つまり、未経験者に「お前試しにやってみるか?」って任せてもらえるケースが少ないというわけだ。
こうなると、なかなか上のレベルにステップアップするのが難しい。
会社としても、出来る人にまずは任せようと思ってしまうから……。
新人育成に力を入れてる会社じゃないと、若手が大きな仕事を任せてもらう機会は少ないのが、今のゲーム業界といえる。
だから、ゲーム業界でしっかり給料アップを狙っていきたいと思うのであれば、日頃からスキルを磨いて自信をつけておき、いざチャンスが来たら迷うことなく、未経験の領域に挑戦するガッツが無きゃいけない。
それが難しいとなると、生活が厳しい給料でも……それでも夢を追いかけたいか? って覚悟が必要になる。
さて、夢の無い話はこのへんにしとこう。
僕は「ゲームが好きだ」というそれだけの理由なら、ゲーム業界を目指すのは、正直おススメしない。
その理由は、ここまで読んでもらえたなら分かるだろうけど。
けれど、そういうこと全部飲み込んで、それでもゲーム作りたいぜ! ってことなら歓迎だ。
いつか一緒にゲームを作れるといいよね。
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