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『盆栽』を育てるのは、何のため?誰のため?

今回は2回目の盆栽教室での『出会い』と『気づき』を書き残したいと思います。

『気づき』はいつも『キッカケ』から。

2回目の盆栽教室では、『夏にも楽しめる盆栽を育てよう』という事で、夏から秋にかけて花が咲く『花物盆栽』というのが今回の授業のテーマでした。

今回、盆栽教室には、年齢が70歳前後に見える白髪の生徒さんも参加されていました。
少し寡黙そうな”お爺さん”なのですが、高身長でスラっと背筋も伸び、何だかオーラのある方でした。

夏は『盆栽』のエネルギー吸収期間。

先にも述べましたが、今回の授業では『夏にも楽しめる盆栽を育てよう』というのが授業の趣旨でした。

というのも『7月、8月は基本的に盆栽を成長させる期間』で、あまり盆栽に手を加えず『日光浴』と『水やり』がメインとなり、やる事が無いのが実情なのだそうです。

逆に夏場にアレコレ手を加えてしまうと、冬場を越せなかったりするリスクもありるそうです。

しかし、だからと言って夏場は水やりだけだと味気ないと言うことで、『夏場に花が咲いて心が和む盆栽を育てましょう』と言うのが今回の授業の意図のようでした。

興味が持てない『花盆栽』。

こうして先生と一緒に、夏に花が咲く盆栽、『花盆栽』を選ぶ事になったのですが、1点自分で気づいた点がありました。

私は『花盆栽』にあまり興味が無いと言う事です。

しかし、まだ2回目の授業ですし色々な経験を積む必要があると感じていたので、先生がお勧めしてくれたいくつかの『花盆栽』の中から『百日紅(サルスベリ)』という樹木を選びました。

百日紅(サルスベリ)の木

選んだ理由は、百日紅(サルスベリ)の幹の部分が何だか強そうで格好良いなぁと思ったからです。
どんな花が咲くか全く知らずに・・・

『花盆栽』と言う事で本来は『花』を想像しなければいけないのに、私は松の盆栽などを選ぶ感覚で、幹の雰囲気で選んでしまいました。

今回購入した『百日紅』の盆栽

この無意識の自分の行動からも、私は黒松、五葉松、真柏、杜松のような盆栽の代表格とされる『松柏盆栽(しょうはくぼんさい)』

つまり、松や柏の木をメインにした力強い印象の盆栽が好きなんだなぁという事に気がつきました。


『盆栽』を育てるのは何のため?

今回、『花盆栽』の中から『百日紅(サルスベリ)』の盆栽を育てる事を受け入れながらも、先生に自分の好みは王道の盆栽『松柏盆栽(しょうはくぼんさい)』が好みである事を告げました。

そして、前回の授業で購入した『杜松(としょう)』の盆栽を妻が思いのほか喜んだ話をした所、先生の表情が一気に変わりました。

前回購入した『杜松』の盆栽

先生がとっても嬉しそうな表情に変わり、『あ〜そうですが。それは良かったですね。』と急に饒舌になりました。

私の上がらないテンションと反比例して先生は『花盆栽は女性に人気がありますから、きっと百日紅(サルスベリ)の盆栽は奥さんも喜びになりますよ!』と続けた。

『ん〜、そうゆうもんですかね。』と私は自分の好みでは無い盆栽にイマイチ興味が持てずにいたが、家に持ち帰って妻の反応も見てみたくもなりました。

百日紅(サルスベリ)の花

そして同時にある一つの事も思い出しました。

私の叔父さんの言葉です。
『盆栽はどんなに愛情を注いで育てても食えんのや!、でも野菜は愛情を育てた結果食える!他者に喜んでもらえるんや!』と言っていた事を。

改めて考える『盆栽』を育てる理由。

私と先生が『花盆栽』の選定から作業場へ戻ると、私と本日一緒に授業を受けている生徒さんである70歳前後のお爺さんが黙々と盆栽を整えていた。

そして私の『百日紅(サルスベリ)』の盆栽を見るなり、『おっ!良い盆栽を選んで来ましたね。』と私に話かけてくれました。

私は『何か姿、形がいいなぁと思いまして・・・』と答えながら、70歳前後のお爺さんの盆栽に目をやると、そこには違う品種の『花盆栽』、そしてオレンジ色の実がなっている『実物盆栽(みものぼんさい)』の手入れをしていました。

実物盆栽

私は『何で花盆栽、実物盆栽を選んだんですか?』と直接的な質問をしたくなりましたが、初対面で急な深入りは良く無いだろうと思い、聞くのを今回はやめておきました。

『キッカケ』が『気づき』を運んでくれる。

今回、自分の好みと反して、『花盆栽』の中から『百日紅(サルスベリ)』の盆栽を育てる事を受け入れた訳ですが、その事をキッカケに『何を目的に盆栽を育てるのか?』と言う問いを自然と抱くようになりました。

2回目にして『盆栽って何だか、思っていた以上に奥深いなぁ』と感じ『盆栽の事もっともっと知りたいな』と思う自分がいる事にも気がつきました。

今回のnoteはここまでとして、次回のnoteで実際に『百日紅(サルスベリ)』を家に持ち帰って妻の反応はどうだったのかという話と、70歳前後のお爺さんはどんなルーツをもった人なのか?という話を書き残したいと思います。

つづく

【追記】2回目の授業メモ

この日の授業は最終的に、『本来は夏場にはやらない』という『土の入れ替え方』の基礎知識を先生に教えて頂きました。

その内容は、驚くほど奥深く、もはや生物と科学の授業を受けているかのような内容で、一回の授業では到底”自分のもの”に出来る内容ではありませんでした。

なので、『土の入れ替え方』は、実践を積みながら改めて『土変えの話、肥料の話』として書き残したいと思います。

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