スティーーーブ

旅するように生活したい人。よく歩きます。

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最近の記事

あ、この瞬間が旅情だね。Vol.2

先日、北陸新幹線で長野に降り立った。 向かいのホームに目を向けると、熱心に新幹線を撮る外国人二人組がいた。 新幹線は日本観光の目玉のひとつなのか、ホームに降り立つと、熱心に車体にカメラを向ける様子をよく見かける。 長野駅では乗務員の交代があるが、カメラを向けられる運転士さん二人も、どこか誇らしげな表情をしていた。 自分の経験上、異国を旅したとき初めて乗った乗り物、そしてその車窓の景色は今でも鮮明に思い出すほど、簡単には忘れられない。 あの二人も日本の新幹線は、そして車内の思

    • あ、この瞬間が旅情だね。

      北へ向かう新幹線に乗り、上野を出て4、5分ほど経った頃。 高架下に田端の街並みが広がると同時に、車窓右側には、 JR東日本首都圏本部の大きなビルが見えてくる。 このビルは一面が大きなガラス張りになっていて、巨大な鏡のようになっている。 自分が乗っている列車を外から眺めることは普通出来ないが、 このビルの横をかすめるほんの数秒間だけは、 列車がビルのガラスに反射し、窓越しに映る。 ビル建設の際、こういうことを見越して設計されたのだろうか。 真相は定かではないけれど、その僅かな

      • Cody・Lee(李)のライブが良すぎた話。

        去年、下北沢近くに住んでいる友人から「世田谷代田」という曲を紹介してもらった。 Cody・Lee(李)というバンドの曲だ。 駅の名前がそのまま曲名になっているのも珍しいが、商店街や児童館、小さなワンルームといった単語が歌詞の中に散りばめられている。 名前も知らない誰かの生活が、その曲から思い浮かびそうになるし、自分の生活を照らし合わせて、いろんな事がある日常でもより愛おしくなる。 ちょっとしんどいな、辛いなと思ったときは進んで聴きたくなるくらい、自分に寄り添ってくれる。 昨

        • Nikon Zf - 新しい。懐かしい。心地いい。

          今回は(今回も?)カメラのお話。 タイトルにもある通り、Nikon Zfがやってきた。1月21日のことだ。 この日は大学の友人がカメラを買いたいというので、その買い物に付き合っていた。 買う前に一応の目星は付けていて、見た目もよく、程よい軽さで持ち歩きにも良いNikon Zfcを第一候補として当たることになった。 当時は自分もZfcを使っていたので、自信を持っておすすめできた。 そして足を運んだ、業界では有名な中野のカメラ屋さん。 目当てのZfcの中古棚のすぐ脇、黒いカメラ

        あ、この瞬間が旅情だね。Vol.2

          帰りの列車と、母のおにぎり。

          ちょっと前の話だけど、2024年1月4日の話。 書いたことをすっかり忘れていて、なんだか半端な時期に上げることになるけど、 せっかく書いたので載せることにする。 長いようで短い正月休みも最終日。 いよいよ東京へ戻って、現実へ帰らないといけない。 帰るときにいつも乗ることを決めているが、いつまで残るかいよいよ分からなくなった陸羽東線。かつての高校時代、毎日乗っていた始発の列車で帰ることにした。 その日の朝、母がおにぎりを作ってくれた。 小さい頃から作ってくれた、しそ巻(味噌

          帰りの列車と、母のおにぎり。

          2024年

          2024年、新年早々、その雰囲気に似合わないニュースを観ている。 そして、いつもと変わらぬ山形での帰省を、穏やかに過ごしている日々を噛み締めている。 元日、NHKでサッカーの中継を観ていた。国立競技場での強化試合のタイ戦。5-0で勝利し、ビールを飲みながら森保監督の勝利インタビューを眺めていた。 突然、嫌なチャイムとともに緊急地震速報が流れた。それまでとは明らかにテンションの違う音に、一瞬何がなんだか分からなかった。でも、震災のときに経験した、嫌な鳥肌のような感覚が体中に走

          2023年、まとめ。

          なんだかんだであっという間に過ぎてしまった2023年。 今年はいつになく、激動の年だった。 7月に転職をした。 同じ営業だけど、カウンター営業からメーカーの営業になった。 取り扱うものも違えば、社員の平均年齢、営業のスタイルも違う。 多少は通用するはずと思っていた自分のやり方は、軽々と吹き飛んだ。 中途入社だけど、気持ちはさながら新入社員だ。 製品の知識も違うし、対応するお客さんも自分より一回りも年上の方がほとんどだ。当然、その会社で何十年もやって来た方々ばかりで、製品や

          2023年、まとめ。

          安定的な、不安定な生活の中で。

          先月、大学の友人と東京アートブックフェアに出向いた。以前から興味はあったが、きっかけがなく行ったことがなかった自分にとって、またとない機会となった。 そこでは写真をはじめ、自らのアウトプットの手段の可能性を信じる人たちがいた。 ZINEなどの形にし、想いの共感してくれる人たちがそれぞれの思いを胸中に秘め、会話に花を咲かせる。 それぞれが、自分の作品について話すときは表情が輝いていた。 みんな、自分の作品を愛していた。 そんな姿を見ていて、自分も堂々と写真を撮っていいし、誇っ

          安定的な、不安定な生活の中で。

          生活圏内の、ちょっと先へ。

          10月も終わりかけていた頃。 岩手出張の帰り、新幹線はやぶさで東京駅に着いたタイミングで、一本の電話が来た。 インスタで知り合った友人、ryojohoさんだった。 「週末、鹿島線を撮りに行きませんか?」 鹿島線は、千葉県の佐原駅と茨城県の鹿島神宮駅を結ぶ路線だ。 利根川や北浦を長大な鉄橋で渡る様が圧巻である。 この週末は、気持ちの良い秋晴れの予報だった。 最近は西や北へ行ってばかりで、東の方面、千葉や茨城になかなか足を運ばなかった。 興味や魅力がないとは思っていない。で

          生活圏内の、ちょっと先へ。

          新幹線のタダ券と共に、ある意味贅沢な旅をした話。

          突然だが、みなさんは「どこかにビューン」というサービスをご存じだろうか。 これはJR東日本が行なっているもので、Suicaを使って電車に乗ったり、JR東日本管内の駅ビルやコンビニで買い物をすると貯まる「JREポイント」を6000ポイント貯めると、ランダムで東日本の新幹線駅のどこかへの往復きっぷをプレゼントしてくれる、素晴らしいサービスだ。 現状は、出発駅が東京〜大宮のどこかに限定されたりと色々と条件はあるが、いつもなら1万円以上お金を出してどこかへ行く東日本へ旅行が、JRE

          新幹線のタダ券と共に、ある意味贅沢な旅をした話。

          帰省旅と一眼レフ。

          身の上話だが、転職をした。 有休消化の兼ね合いもあって、6月下旬から7月中旬にかけて、1ヶ月ほどの人生の夏休みを手に入れた。 6月いっぱいは今までなかなか飲みに行けなかった人たちと飲みに行ったり、自室でゆっくりしたり、珍しく近場でのんびりと過ごす日々だった。 月が変わり、そろそろ何かでかいことをしたいと思った。 いろいろ計画していたが、まずは地元に帰ろうと思い、二泊三日で山形に帰ることにした。 そのまま帰っても良かったが、郡山駅在来線ホームの駅名標を見たくなって、郡山で

          帰省旅と一眼レフ。

          一眼レフ。光学ファインダーという快楽。

          先日、ひょんなことからPENTAX KPという一眼レフカメラを中古で手に入れた。ミラーレス全盛期の、この時代にである。 私の愛機であるX-Pro3が、シャッターボタンの不調により修理に出すことになった。 完全にシャッターが切れなくなったわけではないので、写真は撮れるっちゃ撮れるのだが、いかんせん精神衛生上よろしくない。 そして、今のところボディがこの1個しかないので修理中は写真が撮れない。これも精神衛生上よろしくない。 同じフジの別の中古をと思ったが、昨今の情勢の影響か、

          一眼レフ。光学ファインダーという快楽。

          最近、写真を撮っていない自分へ。

          ここ数日、カメラを触っていない。 これは、ちょっとした事件である。 やむを得ず触れない理由なんて、何処にもない。 鞄に入れていれば、写真はほんの数分でも撮れる。 でもそう出来ていない。カメラは家の防湿庫にしまっている。 どうした、自分。 そりゃ写真を撮らず、仕事を惰性にでもこなしていれば、生きてはいける。 でも写真を撮ることは、そして思ったことをnoteにでもインスタにでもメモ帳にでも書き留めておくことは、 社会の歯車であることに抗う武器であり、自分を自分として保つため安

          最近、写真を撮っていない自分へ。

          気軽に、身軽に、旅カメラ。

          自分自身、旅先、そしてそこでの行動は行き当たりばったりなことが多い。ただ、よく歩いて、よく写真を撮っていることは一貫している。 旅先の街並みのスナップ写真が多いが、ときには旅先で仲良くなった方々の写真を撮ることもある。 今はスマホのカメラで撮る写真もかなり綺麗になったが、ひとつのこだわりとして、旅先の写真はちゃんとしたカメラで撮るようにしている。そして、どんなカメラで撮るのかということも重要だ。 前に記事にも書いているが、今の所のメインカメラはFUJIFILMのX-Pro

          気軽に、身軽に、旅カメラ。

          知らない街の片隅で。

          何か特別用事があったわけでもない。 ただなんと無く、新幹線に乗りたかった。 でもそれだけではなんか罪悪感。もう一つ理由が欲しい。 先日、宇都宮に行って餃子を食べた。 宇都宮といえば餃子が有名だけど、2022年の年間消費量は2位だった。 1位はというと、静岡県の浜松市だった。 「そうだ、餃子食べに行こう。」 縁もゆかりもない街だが、ちょっと新幹線で遠くへ行く理由としては十分だった。 もっとマシなお金の使い方をしろと言われそうだが、やろうと思ってしまった行動はもう止められない。

          知らない街の片隅で。

          「この街の、この時代。」としての写真。

          「この街とヒミツを作る。」 90年代のいつだったか、青春18きっぷのキャッチコピーだ。 情報が洪水のように溢れている時代。あの街が気になる、行ってみたいとなれば、ちょっとスマホを操作したり、コンビニの本屋の旅行ガイドを開けば、それっぽい必要なものはこれでもかというくらい簡単に出てくる。 それを基に旅行計画を立て、実行すれば最も簡単にその街を体験し、味わうことができる。なんと幸せな時代なんだろう。 でも、観光地はあくまでも観光地であって、その地の人が本当に行く場所かというと

          「この街の、この時代。」としての写真。