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【architect】ビルディング

街中には無数のビルがある
古いものや新しいもの、高層のものや低層のもの
これだけたくさんのビルがあるが、ビルの設計に携わることはそう多くはない
高層ビルともなると大きな設計事務所でないとなかなか仕事の依頼がないだろう
だから憧れている
高層ビルに

私が思うお気に入りのビルはこれ

建築家の谷口吉生氏による『フォーラムビルディング(2011)』である

(こちらのHPを参照ください)

青山通り沿いの外苑前駅のすぐそばにあるこのビルディング

一見子どもがビルを想像してお絵描きをするとこういう絵を描きそうなものだが、これぞ”THEビル”といったシンプルを突き詰めたデザインである

箱型のビルに均等に設けられた窓だけのビルである

縦も横も3m60cmのグリッドで出来ており、柱と壁の幅も全て40cmに統一されている

シンプルの極みといっていい建築であるが、設計は非常に難しいだろう
1階から12階まで同じ幅でこれだけ薄い柱梁をつくるのは構造的にも難しい

難しいデザインをいとも簡単そうに見せてしまうのが巨匠の建築の凄みなのかもしれない


フォーラムビルディングからの流れで紹介したいのがこのビル

大阪・南船橋にある建築家の安藤忠雄氏による『アランジアロンゾビルヂング(2001)』である

アランジアロンゾというキャラクターデザイン会社のビルである

(詳しい情報とプロ写真はこちらのHPを参照ください)


ほとんど安藤忠雄氏の作品集には掲載されていない建築であるがどうしても見たくて大阪まで見に行ったほどだ

こちらも箱型のビルに均等に窓が設けられているシンプルな形だ

そしてこの建築も柱梁の幅が同じでしかも薄くスッキリと見える

フォーラムビルディングとの違いは窓と同じ大きさで開けられているバルコニー的な開口があることだ
そこから植栽が現れているが、一部このようにくり抜かれた部分があると建築に奥行きを感じる事が出来てより立体的に見える良さがある

1階はキャラクターのショップになっていても 楽しいお店である


またこの流れで紹介したいのが建築家の長谷川豪氏による『練馬のアパートメント(2010)』である

こちらも箱型のビルに開口が設けられたシンプルな建築だ

賃貸の共同住宅である

開口の開け方が不規則ではあるが高さの均等な開口が設けられている

今回は窓ではなく穴である
建築により立体感が生まれているように思う
この穴は上下左右で繋がっていてこのバルコニー部分のつくりがこの建築のミソと言えるだろう


今回は『ビル』について考えてみた
シンプルを突き詰めた建築が私は好きである

自分でもメンドクサイと思うが、いつも建築に隠されたデザインのからくりを紐解くことを目的に建築を観察しているが、今回は自分がただ単に『好き』なビルをあげてみた
『好き』という言葉は曖昧なので今までほとんど意識的に使ってこなかったのだが、漠然と『好き』なことを取り上げてみた

敢えてこの『好き』の理由を探ってみるとすると、

幾何学的に均整のとれたプロポーションに人は魅了される

と言えるのではないだろうか

ギリシャ、アクロポリスの丘の『パルテノン神殿』は等間隔に並べられた柱で屋根を支えているだけの建築である

古代ギリシャの時代から人は幾何学的な均整のとれたプロポーションに永遠性を感じていたのかもしれない


またメンドクサイ建築家的なヘリクツをこねてしまった
とにかく『好き』なものは『好き』ってことでムズカシイことは考えず建築を楽しんでもらいたい!

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