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【イベントレポート】サステナブルな行動で生まれる課題とは? ーSlowz × IDEAS FOR GOOD  オンライン哲学カフェ「サステナブルのジレンマ ~サステナブルにまつわる “もやもや” を語ろう~」

こんにちは!slowzのコミュニケーションマネジャー西田です!

slowzは、「都市生活をサステナブルにスイッチする」をビジョンに掲げたマップ型ポータルアプリです。
「情報がまとまっておらず、行動する前にモチベーションが落ちてしまう」、「いろんなサステナビリティに興味があるけど、どの行動がどのジャンルにつながるのか見えない」、「同じ関心を持った人の情報や交流がないので、行動が続かなかったり孤独感を感じる」
そんなハードルを取り除いて、日々の生活の中にあるサステナブルな選択肢を可視化させたい。多くの人のサステナブルな行動を応援したい。
サステナブルな行動をしたいという想いの居場所を作りたい。
そんな想いから生まれたサービスです。

そんな中、6月2日(火曜日)の19:00から22:00にかけて、
上記オンラインイベントを開催いたしました。

哲学カフェイベント開催の経緯

このイベントは、slowz田中とソーシャルグッドなアイデアを様々に発信するメディア「IDEAS FOR GOOD」の加藤さん(以下、IFG加藤さん)が意気投合し、語り合う中で、「サステナブルって一体なんだ?」という根っこの部分を、今一度考えていきたいという思いから始まりました。
 またコロナ渦において、在宅で過ごす時間が多い状況の中、サステナビリティのみならず、思考の変化やモヤモヤとした感情を、誰かと話して整理したい!という差し迫った思いを、各所から受け取っていました。そんな思いを受け止め、「ただ学ぶだけではない、議論を深めていくこと」が今必要なのでは?と感じ、「オンライン哲学カフェ」を開催する運びとなりました。

●そもそも哲学カフェとは?
哲学カフェはパリの街中ではじまり、カフェで毎週日曜日、当初から人生の問題・世界の問題をめぐって熱い討論を繰り広げていました。創始者のマルク・ソーテは「日常生活に役立たない哲学は意味がない」と唱え、エリート教授の地位を捨ててまで哲学相談所を開いたそうです(....かっこいい生き様!)。

ジレンマを自由に発散し、対話できる、
広々とした場にするための手法。

参加メンバーとアドバイザーは対等な関係
多様なバックグラウンドのある方達が15名ほど集まり、
アドバイザーにIDEAS FOR GOODの加藤さん、slowz代表の田中が加わり、参加者と対等な立場で自由な議論を繰り広げた。

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●多種多様なジレンマテーマをブレイクダウン
参加者からは事前に「サステナブルのジレンマ」についてテーマを考えてきてもらい、当日その中から5つの問いを選んで議論を行った。

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●ちょっとしたルールで議論は活発に
「他人の話は最後まで聞くが、空気を読まず発言してほしい!」という投げかけをし、コメントでも議論を併走させることで、自由闊達な意見が出た。ほぼ全員の参加者が最後まで残っていただき、まだまだ話し足りない!という雰囲気もみられた。

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広がりのある5つの問いについて、
抱えていた荷物をおろすようにジレンマを語り合う。

イベントを開催してみると、様々なバックグラウンドの人が集まり、対等な立場でお話しするからこそ、その人の体験や価値観に基づいた、素直なお話しができるということがわかりました。

今回は、イベントのなかで出てきた、サステナブルな行動に取り組む方々だからこそ生まれる5つの問いについて、ご紹介したいと思います!

5つの問いは自身の消費に関する身近なことから、ヴィーガンなどの新しいライフスタイル、多様性、食品廃棄、本物のサステナビリテストとは?という飛距離のあるものまで、
偶然にも広範にわたり、サステナブルをめぐる探求が行われました。

問い1:何が本当にサステナブルなのかわからない

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商品を購入する際のサステナブルな判断基準や、海外や遠方から取り寄せる事の是否、そしてそうしたことを調べることに時間がかかってしまって、なかなか日常の行動に移せないという悩み...これらは本当に多くの方が抱えている問題なのではないでしょうか?
IFG加藤さんからも、「サステナビリティの専門家と話をしても、本当に良い選択肢というのは難しい」との意見が出ました。何か時代が進んでも、一生考え続けるんじゃないか?と思う課題ですね。

こちらのジレンマについて出た意見をみていくと、

●問い1に対する意見A:
その消費は「自分の気持ちと接続」しているか?
明確な指標に習うこともできる一方、大事なことは「長く使い続けること」で、「自分の気持ちと接続しているか」という主観的な基準で消費を判断する考えもあると思います。またファッション好きな方はお気に入りのブランドの服をとても大切にし、機能性やコスパよりも、情緒性みたいなものと共に、長く服と付き合っていけるのでは?という意見も。結局のところ、
「かっこいい・気に入っているものは、みんな長く使いたくなる」のではないでしょうか?

●問い1に対する意見B:
消費のバランス感と比較実験

「値段、使い心地、使っていて罪悪感がない...という事を考えて、洗剤などの消耗品を購入しています」など消耗品の価格のバランス感は人それぞれ。多少高くても、必要十分な量に抑えられる洗剤に魅力を感じ、泡立て具合や本当に落ちるのか?など比較実験をしている方もいます。

●問い1に対する意見C:
トレンドが及ぼす効果

「エシカル消費」などトレンドに否定的な意見もありますが、それによってより製造過程などの情報が可視化され、議論する人が増えれば、それを受けた企業が取り組みを変え、結果エシカルな選択肢は増え、もっと選びやすくなるのでは?


slowz西田の所感:
自分の価値観にあっているか?を大事にする事で、その物の本当の耐久性が長くなる事が大事だという「社会的耐久性」については、私もとても共感します。また、消費者の主体的な実験や情報取得によって、耐久性はもっと強化されていくのではないでしょうか。

問い2:ヴィーガンを身近な人にわかってもらうには?

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ヴィーガンという言葉は、数年かけて日本でも広まってきたのだと感じますが、未だ反応がネガティヴなことが多いようです。それが自分の身近な人だったら、「わかってもらいたいという気持ち」と「押し付けてはいけない」という気持ちで悩んでしまうとのジレンマを打ち明けていただき、これについてみんなで考えていきました。

こちらのジレンマについて出た意見をみていくと、

●問い2に対する意見A:
楽しさや良い結果を自ら表現する

以前のパートナーがヴィーガンで、その生活や工夫を楽しそうに教えてくれたことを通じ、当事者が幸せそうな状態だと、その周りも素直に感じられるという意見や、また実際に自分の体調と食生活の研究の成果を、両親との食生活と割り切って考え、自炊を続けたところ、理解を示してくれたとの理解を示してくれた。

●問い2に対する意見B:
型にはまらず、当たり前の選択肢として楽しむ

オランダに行った際に、感動するぐらい美味しいヴィーガンチーズに出会い、本当においしいレストランであれば、普通にみなさん楽しめるのではと感じた。また、例えば5人中2人をヴィーガンになることと、5人全員が一週間のうち二日間は肉を食べないっていうことが効果として同じなら、様々な選択肢を楽しむことができる。

●問い2に対する意見C:
良いことが認知されるには時間がかかる

20年ほど前に東京から沖縄に移住し、ヴィーガン生活をしていたが、外食の際チャンプルー屋さんで肉を抜いてもらうのも一苦労することもしばしば。要はライフスタイルとして認められるまでには、 時間がかかる。ただ皆さんのお話を聞いて、とっても時代が進んできているなと思います。

●問い2に対する意見D:
肉食が悪いということではなく、システムの問題

肉食そのものが悪いわけではなく、牛肉だとメタンガスの排出で温暖化に到るというシステムの問題だと思います。また狩猟採集時代に、その中に菜食も雑食もあったという俯瞰的な意見や、おばあちゃんが農家で、目の前で鳥を殺されて食べざるを得なくて、それがトラウマで今は肉を食べないなど、より身近な歴史に考えを及ばせることもできそう。

○slowz西田の所感:
ヴィーガンという新しい生き方をどうデザインし、そうではない人たちとコミュニケーションを図っていくのか?について、考えさせられる議論でした。ヴィーガンのテーマに限らず、主体的に楽しむ態度押し付けないってことが大事なのかなと。また文化を含め、自分の食生活を相対的に捉えていく機会なのではとも感じられました。

悩み相談にとどまらず、いろいろな意見が出ることが哲学カフェの良いところ。興味深いテーマは残り3テーマ!
次回、後半に続きます...。

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