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海外大は24時間"ハッピー奴隷アワー"!?夢の学園生活は奴隷学園生活だった件

こんにちは! 語学の裏設定のSlovarです!

今日は海外の大学の勉強量についてのお話です。世界には「勉強にイカれる」なんて物騒な言葉の組み合わせが、やすやすと成立してしまう場所があるのです。海外の大学がまさにそれです。

大抵の人が「留学生活」と聞いて思い浮かべるのは、芝生の上で燦々たる太陽のシャワーを浴びながら本を読むとか、色々な国の人とおしゃべりしながら仲良く勉強するとか、あわよくば素敵な異性と二人きりで勉強するとか...そんな明るい学園生活ではありませんか?

「イヤラシイ、およしなさい。」

本当のことを言えば、学校案内の表紙に描かれたような、ぬる~いイメージとは正反対の生活を送る人が大多数です。控えめに言って「絶えず締切という主人の顔色を伺い続ける奴隷生活」です。

などという調子の私の1年半に及ぶ24時間ハッピー奴隷生活体験をもとに、留学エージェントが隠したくなるような、大学留学の等身大の姿をお届けいたします。

(私が在籍していたのはオーストラリアのブリスベンにあるクイーンズランド大学で、学部生コースではなくその上の修士コースだったので、地獄レベルも1つ上でした。)


1.カンニングしても問題が解けない

ふつう試験でカンニングはご法度ですが、海外大の多くの科目ではカンニングが許されています。

・教科書持ち込みOK。
・カンニングペーパー持ち込みOK。
・電卓持ち込みOK。

と聞けば、その仏マインドぶりに関心してしまいそうですね。しかし表ではサラリと仏の顔を演じている教授に騙されてはいけません。化けの皮を剥げば鬼の顔、「教科書を見て答えられるなら答えてみやがれ」という思わせぶりな挑発を見せています。


 日本人が苦戦する応用力重視の海外大の教育

何故そうなのかと言うと、海外の大学のテストは暗記力を問うものではなく、知識の応用力を問うものだからです。

それゆえ、教科書を見るだけでは答えられない問題が並んでいます。そもそもまず、4択問題がありません。百聞は一見にしかずですので、試験問題の例をいくつか見ていきましょう。(ちなみに、私は食品科学科だったので理系の問題が主になります。)

さて、見ての通り4択問題は1つもありません。代わりに「図で説明せよ」とか、「論じよ」という問題が全体の7割ほどを占めます。

英語圏では、知識を溜め込むよりも知識の使い方を教えることに焦点が当てられていますし、それゆえテストも彼らが頑張らないと解けない難易度設定になっています。「勉強=覚えること」という考えに慣れてしまった日本人にとっては、もはや攻略不可能の存在でしかありません。

そう言うと、日本人は海外大への留学は諦めたほうがいいと暗示しているかのように聞こえてしまうのですが、教科書の持ち込みではなくカンニングペーパーだけを持ち込んで良い科目で日本人は強さを発揮します。


 きめ細かさを発揮して単位を取る日本人

私の知る限り、日本人は「勤勉さ」と言うより「きめ細かさ」でテストという戦場を制すことができ、その主要武器は0.28mmのボールペンです 。私もお世話になりましたが、ちょうど私が今指導している学生からカンニングペーパーを入手できましたのでここに掲載しますね。(本人の許可取得済み。)

どうやらパソコンで作成したカンニングペーパーを更に手書きで補強したように見えますが、これだけの物を作るとなると必要な情報を取捨選択しないといけないので、教科書や板書の情報を吟味し応用せざるを得ないのです。このプロセスを踏み、綺麗にアウトプットしている日本人は強いです。対して、英語圏の人は通常もっと字は大きく書きますし、密度もここまで濃くないのです。彼らは、知識を使って論じることは得意であっても、知識をまとめ上げることに関しては弱点である場合が多いので、日本人が優勢になれます。


2.テストも授業もない、自習ベースの科目に注意

中間試験、期末試験もない。聞くというより出席のために出る茶番授業もない。そんな夢のような科目があります。通常、「External (学校外)科目」と呼ばれており、課題を提出するだけで単位が取れるという、日本の大学生たちからしたら夢のような科目です。しかし、これこそ曲者中の曲者。見かけに騙されて苦労するハメになった体験談があります。

  1つ1つの課題が重い

私の場合「Food Packaging (食品のパッケージ)」という科目がExternalで、たった4個だけ課題を出せば良いという点が非常に魅力的に見えました。しかし蓋を開けてみると、

・課題1:3000単語
・課題2:5000単語
・課題3:5000単語
・課題4:8000単語

という世界。もちろん全部英語で書きます。課題4には1ヶ月の時間があり、それ以外は完成させるまで3週間ほど。海外大の人は、通常1学期に4科目履修するのでその合間時間にExternal科目の課題を進めていかなければならず、結果的に合間時間がすべてExternal科目に吸い取られ授業の予習復習ができなかったり、他の科目の5000単語級の課題と同時並行していかないといけなかったりするので毎日時間が本当に無いです。

夢の中まで締め切りが襲ってくる生活。
起きている時間も寝ている時間も締切の奴隷です。

課題の数が少ないということは、1つミスるとそれだけダメージが大きいことを意味します。海外の大学では、教授に泣きついてお情けで単位をもらうということが起こりえません。たとえ1%でも合格ラインに届いていなかったら容赦なく斬り捨てられますし、1%に泣き単位を落とした同級生も何人か知っています。

講義がない、テストも無い、という自由の裏側にはそれ相応の責任があるということに気付かされました。

(それでも留学に行く価値はある、と筆者は思っています。それについてまとめた記事があるのでもしよかったらどうぞ。)

 

 講義のありがたさがわかる ←超重要★★★★★

一コマ90分の大学の授業は、出席すればその日のテーマが90分で理解できるように設計されているので90分あれば理解に事足りますが、自習ベースとなるとそうはいきません。本来なら講義で"与えられる"内容を自分で調べていかなければならず、1つのテーマに90分以上かかりますし、おまけに先生がいないので頭を悩まされます。

友達に「白髪が増えてきたけど大丈夫?」と言われることが多々ありました。

そんな生活を送っていたからこそ、勉強の大切さを知ることができました。講義と自習ベースの科目の区別を料理で表ことから始めると、

・講義は学生が消化しやすいように先生が考案してくれたカレー

・自習ベース科目はカレー・ルーを自身で調合するところから始め、課題を審査する先生を満足させるカレーを期間内に作り切るイメージ

と似ている気がします。講義って、本当はありがたいんですよ。大学生の皆さんの中には、講義ダルイと思っておられる方もいることでしょう。社会人になってもよく学習を続けていかなければならないなんて言われますが、講義レベルの学習ができないようでは、自分で研究を重ねていく大人の学習はできないと思います。

もし今あなたが大学生で、講義をサボリ気味であるならば講義に行きましょう。また、就活の学歴フィルターは不公平だという声が時々上がっていますが「学歴=講義(授業)レベルの学習をこなせる能力の大きさ」ですから、これまでの話の流れを踏まえると公正な判断基準だと思う次第です。自主改良型の大人の学習がどれだけできるか、という可能性が測られているのではないでしょうか。


3.勉強を極めたいという人は海外大に留学しよう

一見すると、何も良いことがなさそうな海外大留学ですが、その魅力はとあるニーチェの言葉の言葉に秘されていると思うのです。

「わたしを殺さないものはわたしをいっそう強くする」

生きていて、時には死ぬほど勉強することがあると思いますがそのような負荷を掛けてこそ人は真に成長できるのではないでしょうか?昔どこかで聞いた寓話にこんなものがあります。

奴隷として捉えられた細くて非力な人がいた。日々、タダ同然とも言える賃金で重労働をさせられる生活を何年も送っていた。死ぬかもしれない。そんな生活が一生続くかのように見えたが、ある日「力比べのコンテスト」が開かれもし優勝すれば奴隷から身分の高い市民になれるというので、彼は参加することにした。何年も奴隷として働いてきた彼の肉体は極限までに鍛えられており、見事優勝を果たす。もちろん、奴隷からは開放され余生は上流市民として暮らした。

いい話じゃないですか?

(ちなみに英語を筋肉トレに例えた記事があるので、もしよかったらどうぞ。)

死んだらそこでアウトですが、死ぬか死なないかの境界線を彷徨い続ける努力を続けたからこそ得られた成果なのです。勉強もこれと同じだと思います。死に物狂いで勉強できる場所、その1つが海外の大学だと思うのです。

もちろん海外には旅行気分で勉強ができる語学学校がありますが、せっかくのお金を使っても払った分に見合う成果を上げられない人がほとんどです。その理由はできる勉強が限られているからだと言えます。

留学には1~2週間程度のお試し留学、3ヶ月程度までの語学留学、大学などの教育機関で学ぶガチ留学といろいろな種類がありますが、お試し留学以外は真に勉強できる環境を求めたほうが良いと思うのです。

締切に追われ奴隷のように勉強する時期がその後の人生であなたを助けてくれる筋肉に変わるので「ハッピー奴隷アワー」と名付けたのです。


まとめ

海外の大学での勉強量は凄まじく、平均的な日本の大学の勉強量をはるかに上回る。まさに奴隷のように勉強する日々が繰り返される。特に、テストもない、授業もないExternal科目を履修すると地獄を見ることになる。

しかし、そのような勉強をしたからこそ得られる結晶は大きく美しい。それは今後の人生の武器となるので、真の武器を手にしたい人は海外の大学に挑戦する意味が大きいと言えるでしょう。

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海外大の勉強量の実態のお話、いかがでしたか?留学や勉強することに対して色々考えさせられたと思います。

この記事が皆さんの糧になったことを祈って、それではまた!


PS

年金が自分を守ってくれる防具になりえないこんなご時世ですから、今を生き抜く武器「英語」を身に着けてみませんか?


いつも記事を読んでいただきありがとうございます。英語学習に苦しんでいる方、つまらなそうに嫌々語学を学んでいる方が周りに居ましたら、シェアしていただければと思います。楽しく、深く、語学に取り組める人が1人でも増えたら幸いです。