見出し画像

多様性が組織力を生み出す

こんにちは! 米田 @ マーケティング変革実行中です。

2022年も年の瀬が押し迫ってきました。皆様に取って、2022年はどのような年だったでしょうか?この記事では、今年を振り返りながら組織の多様性について考えてみたいと思います。

クリスマス模様に見る多様性

先日、クリスマス前に開かれた統括部会で、自分の国のクリスマスの様子を紹介するイベントが開かれました。私が所属するグローバルマーケティング本部は富士通の中でも最もグローバル化が進んでいる部門のうちのひとつで、所属メンバーの半数近くが海外に所属しています。日本も含めると20か国にメンバーがいて、私の統括部も10か国のメンバーで構成されています。

10か国あると、クリスマスイベントもさまざまな形があることがわかります。メンバーはヨーロッパの国が多いのですが、クリスマスツリーやクリスマスマーケットなど共通の習慣がある一方で、食べ物は国によりだいぶ違います。アメリカはターキー、イギリスはローストビーフ、スウェーデンではユールフィンカという豚のハムを一般的に食べるようです。ただし、家庭によっても選ぶ料理は違うとのこと。他の国ではパスタや魚介類、クッキーなど様々な料理が食べられています。

また、バングラディッシュなど国によってはクリスマスを祝わないところもあります。オーストラリアやニュージーランドではクリスマスはそもそも真夏です。このように一言にクリスマスといっても風景はだいぶ異なっています。私も特に食べ物については知らないものがいろいろとあり、イベントを楽しみました。

さまざまな考え方がある

このようにいろいろな国や国籍、民族のメンバーが集まっている職場では、ひとつのことに対してもいろいろな考え方があります。特に「これは常識」と決めつけることには注意が必要です。

たとえば、日本では職場メンバーとの日常会話の中で政治や社会情勢について話し合うのはタブーとされることもあるのに対し、ヨーロッパのメンバーはむしろ「統括部会の中で時間を取って話さないのか」と言ってきたりします。

意思決定の仕方も、日本のメンバーは上意下達に慣れていて上司の忖度をするところがありますが、海外メンバーはプロセスに自分も必ず入れてほしいと言ってきたりします。

さまざまなアイディアも出て来る

一方、このような環境でワークショップを行ってブレーンストーミングを行うと、日本人だけでは思いつかなかったようなアイディアも出てきます。

たとえば、海外で行うイベントにどういったゲストを呼べばいいのか、どういった展示を出せばいいのかについては、現地でのトレンド情報を考慮する必要があり、日本人では到底思いつきません。富士通も世界各国のイベントに出展をしていますが、ある国で行ったやり方の中で「なるほど!」と思ったことを他の国でも活かしてみるといったことも可能です。

グローバルマーケティング本部では女性メンバーも半数を超えており、女性の目線からのアイディアを取り入れてみたり、若いメンバーからの意見も積極的に掘り起こそうと若者だけで考えたプロモーションのアイディアをマーケティングプランにも取り入れる動きも始めています。このような様々な視点からの意見を集めることで、自分だけでは思いつかなかったようなアイディアもいろいろと出て来ると感じています。

知識・思考・スキル・価値観の多様性、属性の多様性

ところで、ダイバーシティ (多様性) と呼ばれるものの内容にはいくつかの異なる要素があるのをご存じでしょうか?先に出てきた国籍、民族、言語、性別、年齢は、ヒトに付属する「属性」です。一方、イノベーションに必要になってくるのは思考の多様性と言われています。また、営業部門、製造部門、研究部門など、求められている業務内容の違い (加算型、統合型、分離型タスク)によって知識・スキル・価値観の多様性のどれが重要かが決まってくるという研究もあります。

ダイバーシティといったときに真っ先に言われるのは属性の多様性ですが、これは属性が多様化することで他の要素も多様化することが暗黙のうちに仮定されているからでしょう。しかし、属性が多様化しても他の要素が多様化するとは限りません。たとえば、日本企業にありがちな例として、新卒で入社してから転職したことがないメンバーが多数を占めており、自社独特の思考パターンにハマっている場合があります。その場合、思考の多様性は生まれません。

イノベーションを起こすために必要な施策の一つとして、人材流動性を高め、様々な考え方や価値観を持つメンバーを増やすことも有効です。日本企業にはこの部分にはまだまだポテンシャルがあるのではないかと思われます。富士通も最近は私のような転職組も増えてきたり、アルムナイネットワークも充実してきているため、良い方向に向かっていると信じています。

2023年もマーケティング改革の最前線でもがいていきたいと思います!引き続きよろしくお願いします。

関連記事:


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?