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【企業インタビュー】美濃焼を再び盛り上げたいという想いで、経営の副業プロ人材を活用

美濃焼で知られる岐阜県土岐市で、100 年以上前から陶磁器材料の製造・販売を行っているのが株式会社山さ水野商店です。長い歴史を持つ美濃焼ですが、後継者不足や海外製品の台頭など、現在さまざまな課題に直面していると言います。
今回は会社だけではなく美濃焼を再び盛り上げたいという想いで副業人材の活用を決めた、同社の代表取締役である水野貴夫さんにお話を伺いました。

―副業人材を活用しようと思った背景について、教えていただけますか?


弊社は、美濃焼(注1)で知られる岐阜県土岐市で、戦前から陶磁器用の絵具や釉薬(注2)などの製造と販売をしています。

(注1):美濃焼とは、土岐市・多治見市・瑞浪市の窯焼きで生産され、陶磁器生産量は、全国の5割を誇っています。
(注2):釉薬(ゆうやく、うわぐすり)とは、陶磁器表面をコーティングするガラス層のこと。陶磁器の強度を高めるほか、色や装飾を出すためにも使われる。

外観


現在、美濃焼をはじめ陶磁器業界全体で深刻な課題となっているのが、生産量の低下です。
後継者不足といった生産者側の問題もありますが、消費者のニーズが変化したことも大きな要因でしょう。食生活が変わって昔ながらの陶磁器を使う機会が減ったということもありますし、プラスチック製の食器が増えたり、海外製の安い製品が入ってきたりしたことも影響していると思います。
私としては時代が変わっても、長い歴史を持つ美濃焼をもう一度盛り上げたい、地域にも貢献したいという想いがありました。また会社としても、いろいろな環境の変化によって売上が伸び悩んできています。ですので、これからは新しいことをやらなければいけないという危機感を感じていました。とはいえ弊社は社員13名という地方の中小企業ですので、どのように取り組んでいいかわからないという状況でした。そんな中、地元の商工会議所の方から Skill Shift での副業人材活用のお話を聞いて、チャレンジしてみようと思ったわけです。

擂潰機

―副業人材を募集するにあたって、どのような人材をイメージしていましたか?


まずは今後の会社の進むべき方針を決めて、どんな施策を取るべきか。またその優先順位を決めるというところをお願いしたいと思いました。いわゆる経営企画や経営戦略の部分を副業人材の方にサポートしていただくイメージです。また新規事業についても相談できればいいなという感じです。
ですから、あえて陶磁器業界の経験がない方がいいなと思っていました。陶磁器業界に詳しい方だと、どうしても業界の常識にとらわれてしまいますよね。そうなると「あれはできない、これはできない」と考えてしまいがちです。陶磁器のことを知らないからこそ、業界の固定概念にとらわれず、いろいろな方向から新しい発想やアイデアがいただけるのでは、ということを期待しました。

―面談時のポイントや採用した決め手について、教えていただけますか?


Skill Shift で募集をかけたところ、24 名の方に応募いただきました。その中から書類の自己PR 欄や志望動機などを拝見しまして、男性 1 名、女性 1 名の 2 名に絞り、面接を行いました。
2名に絞った基準はうまく言えないのですが、自分の考えていることとはちょっと違う方向で考えてくれそうだな、ありきたりなものではなく一歩踏み込んだ提案をしてくれそうだな、という雰囲気がある方を選びました。正直言うと、直感で選んだ感じもあったと思います。実際に陶磁器を買われる方や使われる方は女性の割合が高いということもありますので、男性1名、女性1名の 2 名に絞りこみました。
面接をした結果、男性の方を採用させていただきました。この方に決めた理由は、面接の時点でさまざまな提案をしてくださったというところと、土岐市と同じく陶磁器で知られる岐阜県多治見市での副業経験もあって、経験が豊富な方だなと思ったからです。

―副業人材の方には、現在どのような仕事を依頼していますか?


昨年(2023 年)の11月に契約をして、ちょうど3ヶ月経過したところですが、実はまだ副業人材の方とはあまりお話ができていないのです。というのも私の身内に不幸があり、プライベートなことでバタバタしていましたので。
これまでお話した中では、弊社の事業内容ですとか、仕事の工程などを一通り説明させていただきました。まだこの段階ですので、経営に関する具体的な取り組みについては、これからという感じです。

―今後の展望について教えていただけますか?


せっかく普段知り合えないような副業人材の方と接点を持つことができたわけですから、このチャンスをこれからうまく活かしていきたいですね。
そのためには、例えば月2回というように定期的にお話をする機会を設けて、まずはコミュニケーションを増やし、お互いに腹を割ってしっかり話し合いたいと思います。私としても会社や美濃焼の将来に向けて相談したいことはたくさんありますから、いい方向につなげていきたいと考えています。

COMPANY PROFILE

山さ水野商店
〒509-5202 岐阜県土岐市下石町257−2


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