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【企業インタビュー】副業者の視点から気づきを得て、広報戦略を本格化

豊かな自然に囲まれた岐阜県川辺町に拠点を構える、やだ会計事務所。まもなく開業10年目を迎えます。この会計事務所は一般的な税務会計業務だけでなく、企業の黒字化やキャッシュフロー改善を目指した財務支援を強みとしています。今回、事務所のブランディングと広報戦略を強化するために、副業人材の採用を決定しました。この背景には税理士事務所に対する一般的なイメージを超え、より多くの企業や個人に事務所の実力と提供できる価値を認識してもらいたいという強い願いがありました。所長である矢田宏昌さんに、副業人材の導入背景、そこから得られたメリットについてお話を伺いました。

―まず、事務所の主な事業内容について教えてください。

税務申告をメイン業務としていますが、申告業務に留まらず、毎月の訪問監査を通してお客様の業績や経理状況をチェックし、経営相談や支援を行っています。川辺町やその周辺地域の企業が主なお客様です。地方の中小企業が激動の時代を乗り切れるよう、経営の意思決定に役立てられるサービスを提供しています。


―副業人材を活用することになった背景は何ですか。

税理士事務所には伝統的に、記帳代行や申請代行のイメージが根強くあります。しかしながら、私たちは中小企業の経営支援や経営計画の策定も積極的に行っており、その実態が十分に理解されていないと感じていました。情報発信の不足が業界全体の課題にもなっており、これを改善する必要があると痛感していました。
事務所は私を含め4人と小規模で、広報の専門家はおりません。どのように情報発信を強化すべきか模索していたところ、地元の東濃信用金庫から副業人材を活用する提案を受け、Skill Shiftを通じて副業人材の募集を行うことにしました。

―求めていた人材像について教えてください。

事務所のブランディングと広報戦略のサポートを目的にSkill Shiftで募集を開始したところ、26名もの応募をいただきました。当初は、大手企業の広報部門や広告宣伝部門の経験者が応募してくれることを期待していました。地方の中小企業としては、都市部の大手企業と関わる機会が限られますし、新鮮な視点を得られると考えていました。実際にはコンサルタント経験者や、インスタグラムやフェイスブックなどのSNS運用、システム構築に強い方々からの応募が多くありました。ただ、私たちとしては、単に運用の知識が多い人を求めたのではありません。ブランディングや広報戦略をゼロベースでコンセプトから共に考え、構築できる伴走型の人材を探していました。

―選考プロセスで重視した点は何ですか。

応募者の中からオンライン面接を通じて6人に絞り込みました。この選考プロセスでは、町や東濃信用金庫の担当者も参加し、応募者が私たちの要望をどの程度理解し、具体的な提案をしてくれているかを重視しました。「こんなやり方でインスタグラムが使えますよ」「ホームページの整備をしましょう」などの一般的で漠然とした提案ではなく、私たちの真の強みをどう表現し伝えることができるか、そのための深い洞察と提案をしているかを評価の基準としました。

面談の様子

―最終的に採用されたのは1名ですが、その決め手は何でしたか。

面接では、経営計画作成や決算予測サービスをインスタグラムでPRしたいという私たちの要望を提示しました。この要望に対し、最終的に採用した副業人材からは、事務所からの情報発信と受け手となるお客様との間に存在するギャップの可能性について指摘がありました。また、受け手が実際に求めているニーズに合わせて、私たちのサービスの名称や表現を改善するよう具体的な提案を受けました。この方のアドバイスを聞いて目からうろこが落ちた感じでした。新たな視点と具体性のある提案を非常に高く評価し、採用を決定しました。相性や人柄も良好で、2023年12月に契約を結びました。

―具体的にどのような業務を任せていますか。

主に事務所のインスタグラムの立ち上げ、投稿内容の企画・検討、閲覧数の増加に向けた戦略を担当してもらっています。しかし、単にSNSを運用すればいいというのではありません。事務所が提供するサービスの本質や、どのような言葉遣いが伝わりやすいか、私たちと一緒に時間をかけて検討しました。2週間に一度のオンラインミーティングを通じて、定期的に進捗を確認しながら業務を進めています。毎回刺激を受けたり、手つかずの部分に気づかされたりしています。

インスタ投稿記事

―成果について教えてください。

以前からインスタグラムのアカウントは事務所として持っていましたが、紹介文や投稿フォーマットの整備を行い、本格的な運用を開始することができました。予想以上に多くのお客様に見ていただけており、徐々に事務所の認知度が向上していることを実感しています。

―副業人材と協働して得られたプラス面について、どう考えますか。

第三者の視点からのフィードバックや提案は非常に貴重です。特に情報発信を行う際、発信者側の意図だけではなく、受け手の視点を重視することの重要性を改めて認識しました。提案を受けるだけのコンサルタントとは異なり、副業人材との協働は一緒に新しい取り組みを進めていけるという点で価値ある仕組みです。また、他地域や他企業での経験を持つ人材と接点を持つことは、地方の中小企業にとって非常に貴重な機会を提供してくれました。

―副業人材との契約期間はどのようになっていますか。

インスタグラムの運用が自社で自立して行えるようになれば、一区切りとして契約を終了する予定です。おそらくあと1カ月程度でしょう。その後は、インスタグラム運用を日常業務の一部として取り入れ、事務所のPRツールとして活用していく予定です。また、将来的にはセミナーの告知など、さらに多様な広報活動の仕組み作りにも取り組みたいと考えています。

やだ会計事務所はSkill Shitを通じて副業人材を活用することで、事務所のブランディングと広報戦略を大きく前進させることができました。副業人材から新しい視点を取り入れ、地域社会における事務所の価値を高める取り組みは、他の中小企業にとっても大いに参考になるでしょう。

COMPANY PROFILE

やだ会計事務所
〒509-0302 岐阜県加茂郡川辺町上川辺1258-1


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