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【企業インタビュー】地元の魅力ある製品をもっと広めたい。美濃焼の新たな販売戦略に向けて副業人材を活用

美濃焼で知られる岐阜県土岐市において、長年に渡って陶磁器の卸し売りを行っているのが株式会社山銀深萱(やまぎんふかがや)商店です。美濃焼は軽くて扱いやすく、手頃な価格の製品も多いため、日常生活に取り入れやすい点が特徴です。

商品の写真:手触り

同社が今抱えている課題が、利益の確保。最近は原材料や燃料の高騰によって、利益が出にくい状況が続いていると言います。今回はこの課題解決に向けて営業強化を図るため、副業人材の活用を決めたという同社代表の深萱洋二さんにお話を伺いました。


―まずは御社の事業内容と、副業人材を活用しようと思われた背景を教えてください。

弊社は岐阜県土岐市で、美濃焼をはじめとした陶磁器の卸し売りを行っています。法人化したのは父親の代になってからですが、もともと祖父の代から事業は行っていて40年以上の歴史があります。

現在弊社で抱えている大きな課題が、営業活動です。近年は原材料や燃料の高騰によって利益の確保が難しくなってきました。そこで新たな販路を開拓したいと考えましたが、社内で営業担当が私しかいないため、思うように取り組めていませんでした。

また最近は消費者のライフスタイルも大きく変化していて、陶器業界全体としてもなかなか先が見通しづらい状況にあります。ですから、これまでの商売のやり方を変えていかなければいけないなと感じていました。

そんな時にお付き合いのある東濃信用金庫さんからSkill Shiftのお話を伺いまして、やってみようと思いました。


ピッキングの様子

―副業人材を活用するにあたって、どのような人材をイメージしていましたか?

まず仕事として陶磁器に関わっていない方がいいなと思いました。私自身ずっとこの業界におりますし、地元から外に出る機会も少ないので、どうしても常識にとらわれているところがあります。

ですから私と全く違う考えを持つ方と組むことで、新しい風を取り入れたいと考えました。「物を売る」という営業の部分は、全く違う業界の方でも同じだと思いますので。

陶磁器に関わりのない方で、営業としての実績やスキルがあり、なおかつ食器や雑貨が好きな方、という人物をイメージしていました。

―副業人材募集後の選考方法や、採用する時に重視したことを教えてください。

Skill Shiftで募集をかけたところ、11名の方からご応募いただきました。いろいろな方にご応募いただいて、本当に感謝しています。とはいえ全ての方を採用することはできないので、心苦しかったのですが選考させていただきました。

書類をもとに、まず3名に絞って面接を行いました。正直なところ、副業人材の活用は初めてですから、最初はどう選んでいいかわかりませんでした。そこでSkill Shiftを教えてくださった信用金庫の方にも選考を手伝っていただきました。おそらく私一人では決めきれなかったと思いますので、信用金庫の方のサポートは助かりました。

応募者11名の中から、私と信用金庫の担当者の方でそれぞれ書類をもとに5名選ばせていただき、重なっている方に絞るという形をとりました。その結果3名の方と面接を行ったという流れです。

私が書類で重視したのは、「営業として実行動できるか」という点ですね。

ご応募いただいた方の多くが、インターネットを使って販売していくという方向性でした
弊社もかつてインターネットで販売したこともあるのですが、反応が返ってこないことがほとんどなんですよね。今回は販売戦略を立てる目的もありますので、顧客の方々が私たちの商品をどう思っているのか、その反応を調べたいと思っていました。そのためにはやはり対面での営業が欠かせません。そこで営業の実行力がある方にお願いしたいと考えたわけです。

面接はオンライン会議ツール「Zoom」を使って、オンラインで行いました。弊社の商品カタログをZoomで共有しながら、弊社の商品をどう販売するかについてご意見を伺いました。

事前にカタログをお渡しするのではなく、面接の場でカタログを見ていただく形をとりました。これはその場でどんな発想を持たれるのかを知りたかったからです。

3名の方と面接しまして、その中の1名の方を採用しました。採用した方は、面接で弊社のカタログを見てすぐ明確な戦略をお話いただいたところがポイントでしたね。「この業界に絞って攻めていきましょう」とか「そのためにはこういう準備をしましょう」という感じで、面接の時点で具体的な提案をしていただきました。

さらに「土岐市へ赴いてお客様のところに行くこともできますよ」というお話をいただきました。この言葉はとても心強く、採用の大きな決め手になりました。

面接の中で、無駄なお話がなかったという点も印象的でした。もちろん商談などでは無駄と思える世間話が大切なことはありますが、時間が決まっている面接で関係ない話ばかりになってしまうのは良くないですよね。そういう点でも、信頼のおける方だなと思いました。

それと今回採用した副業人材の方は私が想定するユーザーのターゲット層に近かったんです。私としては30~40代の方をターゲットとして考えています。また弊社では「家族と過ごす時間を大切にする」というテーマがありますので、結婚されている方が商品を実際に生活に取り入れるイメージがしやすいのではと考えていたんです。今回採用した方は30代で、なおかつ結婚されているということでしたので、まさにぴったりでした。


倉庫内の様子

―副業人材の方へ依頼している業務内容や、連絡頻度について教えてください。

販売戦略の立案と営業活動です。昨年(2023年)12月に契約しましたので、現在3か月経過したところです。

まずは商品を実際に見て触っていただくため、初回は副業人材の方に弊社まで来ていただきました。その時、ご自宅で使ってみたいと伺いましたので、実物をお持ち帰りいただきました。その後奥様からのご意見もフィードバックしていただいています。

その後は毎月1回、オンラインで打ち合わせをしています。40分くらいかけて、依頼事項についての進捗確認と、次の目標設定についてお話しています。月1回のオンラインミーティング以外には、必要に応じてメールでやり取りしています。

―副業人材の活用を始めてから、どのような成果は出ていますか?

お願いしてまだ3か月なので売上面での大きな成果は出ていませんが、1件ある企業からサンプルの依頼が入りました。以前弊社と付き合いのあった取引先に、たまたま副業人材の方がアプローチしてくださったようです。そういう意味では、しっかり狙いを定めて営業活動を進めていただいていると思います。

あと個人的には、副業人材の方とのやり取りを通じて、Zoomを使ったオンラインミーティングにだいぶ慣れてきました。これを機会にもっとZoomを活用していけるのでは、と感じています。


商品の写真:軽々

―今後の展望をお聞かせいただけますか? 

弊社はここ数年コロナ禍によって、大きなダメージを受けました。ちょうど営業を強化したい時に信用金庫さんからSkill Shiftを紹介していただいたので、タイミングが良かったなと思っています。今後も副業人材の方と一緒に販路開拓に取り組み、積極的に営業活動をしていきたいと考えています。

将来的には地元である東濃地区の製品を、より多くの方に愛用していただけるようにしていきたいと思っています。弊社は陶磁器の卸し売りがメインですが、東農地区では「東濃ひのき」など他にもさまざまな名産品がありますので、地域の活性化につながることをしていきたいと考えています。

COMPANY PROFILE

株式会社山銀深萱商店
〒509-5122 岐阜県土岐市土岐津町土岐口549−21


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