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潮井エムコ
2021年2月2日 19:11
数学や英語、古典といった勉強が大嫌いな私にとって、副教科は学校生活において最高の気分転換だった。そもそも副教科のほとんどは美術で占められていた為、3年生にしてようやく始まった家庭科の授業はクラス中が楽しみにしていた。家庭科の先生は笑顔のかわいい温和な女性で、私は彼女のことをすぐ好きになった。家庭科室に集められた私たちに先生は言った。「今からみなさんには結婚をしてもらいます」皆が口
野やぎ
2020年10月6日 22:13
「女みてぇな声しやがって!!」誰かのこころが踏みにじられて、止まってしまった瞬間を、その時初めて見た。耳元で叫ばれた言葉の威力を、ぼくは今もわかっていない。+というより、たぶん、ぼくは気づいていない。これは怒られるかもしれないけれど、と書くと語尾語頭ぜんぶに保険掛けたくなるので一度しか書かないけれど、(これは怒られるかもしれないけれど)初めてLGBTの文字をみたとき、ぼくは
碧月はる
2020年9月10日 16:57
この世界は広いのに、自身の知る世界がこの世のすべてだと思い込んでしまうときがある。生育環境やその後の人生のなかで通ってきた道のり。それらから大きく逸脱した世界を、人は簡単には受け入れることができない。日本では当然のようにシャワーをひねればお湯が出る。しかしちょっと国外に出れば、飲み水の衛生すら確保できない国がたくさんある。「信じられない」と思う。でもそれは、揺るがない事実である。「知らない」