苦しみの消滅は、「幸せに至る道を見出すためのブッダの手順」。 『ブッダが説いた幸せな生き方』②
ブッダが目指すのは苦しみの消滅です。
前回、『ブッダが説いた幸せな生き方』は、お釈迦様の教えが簡潔にまとまっている良書であることをお伝えしましたが、
著者の今枝由郎氏は、『ブッダが説いた幸せな生き方』のなかで哲学者のニーチェがブッダを高く評価していたことに言及しつつ、ブッダの「苦しみに対する戦い」について、
の「四聖諦」を取り上げています。
この「四聖諦」については以前noteでも述べたことがありましたが、
今枝氏は、「四聖諦」とは、「言い換えれば四つの真理から構成される認識・実践体系」であるとしています。
しかしブッダ(お釈迦様)は、人生は苦しみの連続であるということを真理として私たちに伝えたい厭世家・ペシミストではなく、今枝氏が言及している通り、「ブッダが苦しみを最初に取り上げたのは、その本質を見極め、その根絶、超越への解決策を見出すため」なのであり、「苦しみの消滅こそは、すべての人が望んでいる幸せに至る道を見出すためのブッダの手順なのです」。
ちなみに「苦」「苦しみ」は、サンスクリット語、パーリ語ともに「ドゥッカ」で、今枝氏によれば、この「ドゥッカ」には、「「不完全さ、空しさ、実質のなさ」といった深い意味があり」、
「それゆえに、人間からすれば、「思いのままにならずに、満足できないこと」全般を指す」
ことになると言います。
また今枝氏は、『ブッダが説いたこと』の著者であるラーフラ師が「苦しみの原語ドゥッカには、私たちが日常生活で経験する(肉体的、精神的)苦しみも含まれていることを認めた上で」、そのほかにも、
(一)条件付けられた生起(縁起)としての苦しみ
(二)ものごとの移ろい(無常)による苦しみ
という二面があると述べていることを紹介しています。
そしてそのうえで、
と述べています。
さらに、
としています。
今枝氏が、
「(一)条件付けられた生起(縁起)としての苦しみ」
「(二)ものごとの移ろい(無常)による苦しみ」
は、「苦しみの両面と見なしたほうがいい」と指摘している点は、「ドゥッカ」(苦)の本質を考えるうえで非常に重要であると思われます。
……次回に続きます。
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