S.Sato

機械設計者

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ギア列の設計(概要設計)について

 ギア列のギア比を決定しようとしている場合に、留意すべき事がいくつかあります。  使用予定の特定のモーターがあり、必要な最終トルクと速度(普通はこれが仕様で決ま…

S.Sato
5か月前

設計者として尊敬する家具職人

 ジョージ・ナカシマという、昔の家具職人が考案した椅子のレプリカに座ったときに感じたことです。  地元の香川県にジョージ・ナカシマのレプリカ家具を製作販売してい…

S.Sato
7か月前
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こんな研究があったんだ!摩擦とスリップと骨と関節と筋肉と。

こんばんは。  私は趣味でクライミングをします。クライミングをしていると、どういう風に体を動かせば、また、どういう風に指を使えば上手く登れるのか?を考え始めます…

S.Sato
8か月前
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ものすごく大雑把だけど、簡単な設計や図面の話(4)

ところで、私が数年前に木工教室で作った「椅子」がある。 そして、今回モデリングした「椅子」。  だいぶ、シンプル。部材が少ない。 実は、こんな椅子でも、本当に使…

S.Sato
1年前
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ものすごく大雑把だけど、簡単な設計や図面の話(3)

なので、やっぱりよく見る脚のある「机」と「椅子」になる。これが、結局シンプルで現実的な設計と言える。その場合のモデルと図面がコレ。  だけれども、一回「机」と「…

S.Sato
1年前

ものすごく大雑把だけど、簡単な設計や図面の話(2)

 ところで、よくよく考えると、「机」と「椅子」として最低限に必要なものは、必要な高さにある「平面」だけだ。だからもし、木の板などが必要な高さに勝手に浮かんでくれ…

S.Sato
1年前
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ものすごく大雑把だけど、簡単な設計や図面の話(1)

 機械設計に限らず、様々な設計においては、図面があり、その図面上にはなにがしかの寸法(長さ)が描かれている。  例えば、「机」は、人がその前の「椅子」に座って、…

S.Sato
1年前
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ギア列の設計(概要設計)について

 ギア列のギア比を決定しようとしている場合に、留意すべき事がいくつかあります。
 使用予定の特定のモーターがあり、必要な最終トルクと速度(普通はこれが仕様で決まっているハズですが)があれば、ギア列で達成すべきギア比は自然に決まります。そして、モータメーカー等によっては、モーターに取り付け可能なギアが最初から決まっている場合もあります。
 ギア列が平歯車のみで構成されている場合は、モーター ギアと最

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設計者として尊敬する家具職人

設計者として尊敬する家具職人

 ジョージ・ナカシマという、昔の家具職人が考案した椅子のレプリカに座ったときに感じたことです。
 地元の香川県にジョージ・ナカシマのレプリカ家具を製作販売している会社があり、その会社のショールームにて、レプリカの椅子に座ったとき、大変座り心地がよく、それがなぜなのかを色々と考えさせられました。
 その椅子は座面がそれほど高くなく、日本人の体型向きに作ってあり、また座面が奥に傾斜していて、自然にお尻

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こんな研究があったんだ!摩擦とスリップと骨と関節と筋肉と。

こんな研究があったんだ!摩擦とスリップと骨と関節と筋肉と。

こんばんは。
 私は趣味でクライミングをします。クライミングをしていると、どういう風に体を動かせば、また、どういう風に指を使えば上手く登れるのか?を考え始めます。そして例えばこんな動画を見て、動物ってやっぱりスゴイなと思うわけです。

 この、ヤギが急斜面を登っている動画は何年も前からあります。あんな不安定そうに見える蹄を使って、よく滑り落ちないで登れるものだと思っていました。そして、最近見つけた

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ものすごく大雑把だけど、簡単な設計や図面の話(4)

ところで、私が数年前に木工教室で作った「椅子」がある。

そして、今回モデリングした「椅子」。

 だいぶ、シンプル。部材が少ない。
実は、こんな椅子でも、本当に使用に耐える物を作ろうと思うと、それなりに部材が必要だったりする。強度的に。おそらく、このモデリングした椅子を本当にこの部材だけで作れば、簡単に壊れる。
つぎは、その強度的な部分について話そうと思う。

ものすごく大雑把だけど、簡単な設計や図面の話(3)

ものすごく大雑把だけど、簡単な設計や図面の話(3)

なので、やっぱりよく見る脚のある「机」と「椅子」になる。これが、結局シンプルで現実的な設計と言える。その場合のモデルと図面がコレ。

 だけれども、一回「机」と「椅子」の本質は、「ある高さにある平面」だという事をハッキリ認識したので、図面に入れるべき寸法がハッキリする。
「高さ」と「幅」と「奥行き」だ。特に「高さ」が「脚の高さ」と、「天板の厚さ」ではなく、「高さ」なのは、その「高さ」に平面がいて欲

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ものすごく大雑把だけど、簡単な設計や図面の話(2)

ものすごく大雑把だけど、簡単な設計や図面の話(2)

 ところで、よくよく考えると、「机」と「椅子」として最低限に必要なものは、必要な高さにある「平面」だけだ。だからもし、木の板などが必要な高さに勝手に浮かんでくれるのであれば、本当に必要な物は、その必要な面積の広さを持った「板」(平面)だけとなる。

そして、その時の「机」と「椅子」の図面はコレ。

 板が浮かぶという事は本当はあり得ないのだが、本質的にはこの「板」が、「机」と「椅子」の機能として第

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ものすごく大雑把だけど、簡単な設計や図面の話(1)

ものすごく大雑把だけど、簡単な設計や図面の話(1)

 機械設計に限らず、様々な設計においては、図面があり、その図面上にはなにがしかの寸法(長さ)が描かれている。
 例えば、「机」は、人がその前の「椅子」に座って、なにかの作業をするのにちょうどよい「高さ」に、適当な広さの「平面」を具現化するためのものだ。だから「机」の図面は、ものすごく簡単に書いてしまえばこうなる。

 つまり、ちょうどよい「高さ」(=740mm) に、適当な広さの「平面」(=幅10

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