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強みを活かして業務効率を3倍以上向上できた経験【自己理解】

この前、ストレングスファインダーという自らの才能を診断するツールを行ってみたところ、
『着想』という資質が1位になっていました。
異なるモノ同士を繋げて、新しいことを閃く、という特性みたいなのですが、
思えば着想が働いていたな…と思うエピソードをピックアップし
前職で業務効率を3倍以上に改善、労働時間を約20~40時間削減できた話を記載していきます。


■ストレングスファインダーとは(メモ)

・ストレングスファインダー
自分の強みを34の資質から分かりやすく診断する自己分析ツール。
上位5~10位にとなった資質がその人の持つ才能と判断される。

資質は、大きく分けて4つのグループに分類される。
_____________________
・実行力 : 何かを実行したい、成し遂げたい資質
・影響力 : 人に影響を与えたい資質
・人間関係構築力 : 人との関係を育む資質
・戦略的思考 : 情報や状況に対処し分析する資質
_____________________

■「着想」とは(メモ)

【特徴】
・戦力的思考力
・アイデアを思いつく、創造性がある、独創的な発想ができる
・新しいアイデアやモノの見方が好き。
・0→1ベースが出来る、全く別で関連性がないものを組み合わせる
・共通点を見つけて新しいものを作る
・創造性やイノベーション、新しい視点を与えられる
・型や常識にとらわれず自由に考えることを好む
・新しいものを使う・生み出すことが好き
・ルーティン作業が嫌い

【プラス面】
・新しいアイデアや方法をみつけ、イノベーションを起こす
【マイナス面】
・アイデアが非現実的、飽きっぽく中途半端の状態で新しいことを始める
【未成熟】
・実現不可、難しいアイデアで周りを振り回し、疲弊。
【成熟】
・行き詰っている際に新しい切り口を提供し、物事を単純化することが出来る

【着想人への対応方法】
・アイデアが重視される環境を作る「アイデアをいくつか出してみて?」と言われると生き生き出来る。
・ルーティンでも「どうやったら効率的にできると思う?」「何を変えたらよりよくなる?」という声掛けが◎
・束縛があるとアイデアが抑圧されるので、自由を与えてあげられると良い
・難しいアイデアを提案されても否定はせず、「実現するためにどうしたらよいか?」まで考えさせて実行を促す。

【他資質との比較】
・着想「目標達成するために色々な手段やアイデア・可能性を見るために視野を広げる」
・目標思考「目標に向けていろいろなことをそぎ落とし視野を狭めて一直線に進む」
・着想「独創的な新しいアプローチを好む」調和性「現実的、効率的なアプローチを好む」
・着想「創造的なことを非現実的なアプローチを好むを」内省「効率的なことを現実的にアプローチを好む」
・着想「もしこうだったら?と想像を働かせる」未来志向「こうなったら良いな、という未来を想像する」
・戦略性「もしこうなったらどうしよう?と予測をし対応策を考える」
・着想「情報から思いついたアイデアを共有する」収集性「ツールや情報を周りに共有する」

基本的に全て当たってました…
新しいものを見たり聞いたりして、新しいことを見つけて
結局いつもそれを何か仕事や自分の生活に紐づけようとする癖があります。
ただ大元を辿ると「もっと効率良くしたい」という想いが原点かも。
今回もそんなエピソード。

■経緯:顧客を大事にする、が故に回らない仕事

・大前提

前職はスポーツクラブだったので、主に2つのミッションが定められていました。

・入会予算…いかに体験から入会者を獲得するか
・退会予算…いかに会員を退会させないか

自分は入会担当だったので体験者対応を行っていましたが、
異動した店舗は大型店だったため、
夏の繁忙期は1ヶ月に100名以上の予約を捌いていました。
様々な背景から、とにかく超絶多忙だったのです…。

・『接客』を大事にする会社の方針

会社の方針として『接客/人での対応』を非常に大切にしていたため、
顧客対応は基本的には電話で行っていました。
体験という初めて店舗に訪れて頂く方だからこそ、
出来る限りスタッフが電話にて対応をするべき。
当日の案内や入会意思確認、不安点のヒアリングを行うという
会社全体のマニュアルもあったため
最低でも1人につき15分、ご不安な点が多い顧客だと30分以上対応に時間が必要。
つまり、最低でも100人捌くために25~50時間必要でした。

・人員不足→現場時間増加→事務作業に割けるリソース不足

アルバイトスタッフにも現場に入ってもらい協力してもらっていたのですが、
大型店だからこそクラス数が多く、アルバイトスタッフだけで補うことは不可能。
アルバイトスタッフを研修するにしても最低4ヶ月以上はかかるため、早急に人員を増やすのも不可能。
そのため1日に4時間以上は現場に入り、それ以外にも電話や顧客対応に呼び出されてしまうため、一息つく時間がほとんどありませんでした。
実際にじっくり事務作業をしっかり行えるのは1日多くて1時間30分ほど。
営業日20日のうち16日分の時間を注げば、100名の対応は1人で出来る計算でした。
そう、1人での計算では…。

・その他担当業務の存在と社内承認フローの長さ

メインミッションとしては『入会獲得』『退会抑止』でしたが、
当然ながらその他にも各々業務を抱えていました。
自分は『マスターズ』『パーソナルレッスン』のイベント企画や運営、取りまとめなども行っていました。
『入会』のメイン担当も担っており、店舗が追うべき2軸のうちの1つを担当していたため、特にウエイトが重かったです。

さらに厄介なのが企画書の作成。
3カ月に1回ほど企画書を作成するぐらいなのですが、
入会関係に関しては毎月必ず作成が必要でした。
また、『マスターズ』に関しても大会開催の情報が流れたら都度作成。
多いときは常に3~5つの企画書を同時に回していました。(他メンバーの倍以上、、)

また作成した企画書は上長の承認が必要なのですが、承認フローが長く…
『副課長→自チーム課長→他部署の課長2名→副店長→店長』
という6名の承認を貰わなければならず、都度差し戻しもあるため
承認完了に2週間以上かかります。

こんな形で事務作業の時間全てを体験対応につぎ込むことはできませんでした…。

・他メンバーの業務量の差

同じように他メンバーも各々で業務を抱えており、多忙になるタイミングが担当業務によって異なっていたという背景もあったのか
担当業務以外はちょっと体力的に厳しいという同僚や後輩がほぼ。
一応入会担当は自分含め3名だったので、全員で対応を進めていくはずが、
他のメンバーも疲れ果ててしまいギブアップ。
気付いたら結局1人で行わなければならない状況下になり、
毎日早出や残業をして業務を行っていたのですが、それでも追いつかない。
(この時はきつかった…)

そんな中、課長の一言。

「大空、入会は店舗の仕事なんだからみんなに振りなよ~!」

振っているはずだけど仕事が減らない…振られても出来なかった、という事が多い…。
課長も手伝うよ!との事で声をかけて下さったけど
繁忙期は全員カツカツであまり変わらない現実。

この効率が悪すぎる状況をなんとか解決しよう。
と本気で思い始めたことがスタートでした。

■改善実行:映画からきっかけを発見

・1通の予約完了メールからの気付き

課長の言う通り他メンバーに依頼するか?
いやそもそも上記記載の通り他メンバーに依頼しても個々業務の波があって
その中で他の業務へ意識を割くということが現状難しいから効果は薄い。

自分も期待してしまうし精神衛生上良くない。
だったら担当者を増やしてもらうか?
今より楽になる。けど業務を落とし込む手間が発生するし、それを今出来るかというと微妙。
それに年に2回の異動で人が入れ替わると、また一から落とし込みが必要だしリセットされるというのがなんとも効率悪い…。

色々考えた結果、この時点で課長が言っていた
『対応する「人」を増やす。』という策は考えられませんでした。
悲しいことに皆で協力してやれていたら、そもそもこんな状態になっていないのだ。

具体的な策が思い浮かばないまま時間が過ぎ…
ある時休日に友達と映画に行こう!という話になりました。
良い席で見たいからささっと事前予約をしたところ、

●月●日(●)何時~開始 注意事項~~~

と、予約完了メールが届いていました。

時間も場所も書いてあるし、メールのQRコードを見せるだけで発券できるから最近は便利だな~と思っていたら
そういえば予約した時にすぐ完了メールが届くよなー。
そもそも自社の予約システムってどうなっているんだっけ?
と、まずは調べてみることに。

・顧客の動き、他店舗への聞き取り

「ご予約ありがとうございます。店舗スタッフから後ほど連絡させていただきます」
という全く中身のないメールが届いており、
自社のシステムの雑さを思い知りました。(店舗に全て丸投げかいな)
持ち物とか諸々書いておいてくれれば良いのに。と思った時に思考加速。

そもそも誰に対しても同じ内容なのに電話で持ち物を伝える事はマストなのか?
電話口でメモを取る人もいるし、待っている間に電話の時間が伸びることも全然ある。
そもそも電話=顧客のため、になっているのか?
持ち物と当日の流れぐらいはメモするなら文面で伝えた方が良くないか?

と、自社システムの返信メールを変更できないか本社に問い合わせたところ
各店舗ごとに変更はできないと一蹴。

ただ、一つアイデアが生まれたので実行はしたい。
自店舗の全員と他店舗の先輩、同僚などありとあらゆる方にどんなフローで業務を行っているか聞き取りを行ったところ

・電話にて全て気合で対応
・電話にて直接受付→その際にメールアドレスを聞き取り→メールで当日案内を手動送信
・net予約→当日案内をメールで手動送信→電話。

他店舗も全て手動での対応が多く工数がかかる業務フロー。
他に思い当たる節がないか…と考えた先に
ふと年に1度のみ使用していたイベント予約フォームを思い出しました。

・化石のような誰も使っていない予約システムを編集

最後の手段として使用できる先輩に教えてもらったのですが、既にあるものを使い回し。
設定を変更することは分からず出来ないとのこと。

大まかな触り方は分かったので、あとは自分で2時間程調べてみたところ
思った以上に優秀。

・受付時の自動返信メール内容の変更
・予約フォームの項目設定
・HTMLにて全体のデザイン変更

が出来ることに気付きました。
そこからはこのシステムをコツコツ編集。

・予約フォームの項目設定…プルダウン形式で入会意思、自由記載形式で不安点などの入れ込み
・返信内容の変更…当日の持ち物や流れを自動送信できるように設定。

今まで手動でやっていたことが自動で対応できることに気付き、
自分で作った予約フォームにとても感動。
これが使えたら大幅な業務改善になる!と意気揚々としていました。

■企画書を作成、6名の社内承認を1ヶ月かけて進行

一旦チームメンバーに内容を説明し、OK取りした後、企画書の作成に移りました。
下記のような内容を書いていたと思います。

■目的
予約フォームを変更することにより、業務改善を行う為。

■現状
受付→電話にて当日の案内や入会意思のヒアリングを行う。
①WEB予約本社フォーム経由
②WEB予約…Bシステム経由
③直接電話予約

■問題点
1名対応するために15分~30分を要する。
今月の体験者は現在100名のため、25~50時間必要。


■今後の業務フロー
下記新規予約フォームにて受付を行い、業務効率化を図る。
・当日の案内は予約後に自動メール送信。
・入会意思など予約時の項目を増やし、ヒアリング漏れを防ぐ

■結果
・1名対応に所要時間5分。
100名捌くために約8時間。
現行のフローと比較し17~42時間削減。業務効率が3~6倍。

ここまでざっくり打ち込み、パソコンが苦手な人も多かったため、
業務フローと顧客操作画面をスクショし、貼り付け。
企画書を作成するのに3時間。


その後は一人一人意思決定権を持つ上長に説得をしました。
この社内承認が一番大変だった。

Q顧客対応をメールで行うことで入会率が落ちないか?顧客を大事にしていないのでは?
→顧客を大事にする手段=電話だけではない、忙しい保護者は電話取れない、電話口でメモ取る方もいる、電話は別途行うためこちらの方が忙しい顧客のためになる。

Q企画書の予約開始日以前に予約が入ったら?
→予約のみ行って企画書が通ったら別途連絡、過去居ましたっけ、年に1名いるかいないかなので確率も低い、問題性も低い

Qメールがどこに届くかわからないのでは?
→メール振り分けと表題の設定を行っているので自動振り分け、問題ない

Q設定の変更が大空しかわからないのでは?
→設定は固定化しているため編集する必要ない

Q本社フォームと異なる窓口からの予約で問題ないのか?
→事前に本社問い合わせ済み、問題ないと返答貰い済み


色々頂いた中でも一番多かったのが、

今のままでも良くない?
変えたら皆わからなくなるんじゃない?

アルバイトスタッフもいるからこそ業務フローを変える、ということ自体に抵抗を持つ方も多かったのですが、
改めてメリットデメリットを説明。
それでも難しい場合、

「今から1人電話かけてみます。本当に15分はかかってしまうことを見ていて欲しいです。
1時間に数人しか対応できないので、
このペースで100名は捌けないんです。
浮いた時間でより顧客対応に使いたいです。」

と言い切り、最終承認までもっていきました。

■大事にしたいこと:『業務改善』という未来への投資は重要

今思い出しても本当に本当に大変な経験でした…。
一つの業務フローを改善するだけでも「もしこうなったら?」を何10個も考えて、相手の問いに合わせて納得するように返答する必要がある。
書ききれなかったけど、山ほど「この場合は?」という
起こりえるかわからないようなイレギュラーを発見して頂き
守備力の塊のような上長と毎日会議祭りでした。

会社の方針として『顧客との接客を大事にする』ということがあまりに染み込みすぎていて
システムに頼るという話をした時も顧客を大事にしていないというご指摘も頂きました。
ただ、そもそも『顧客を大事にする』という手段が『電話のみなのか?』という話など行い、
顧客と関わる手段は一つじゃないことを伝え続けました。
結果、承認されましたが、
立案→企画→承認ということがどれだけ大変か、
また承認を通すことが一番の鬼門で
『業務改善』というたった一言を実現するだけでも本当に大変だという事を学びました。

ただ、承認された後は本当にやって良かった…!と感じました!
繁忙期でも残業なく業務を回せるようになり、
チームメンバーからも
「時間が減ったからこそ、本当に大事なことを伝えられるようになった!」
と言ってくれるようになり、
突っ走ったところはあったものの
顧客もスタッフもこの先数年は便利になると思える
達成感のあった仕事でした。

今が回るなら未来的な投資である業務改善は優先度が下がる。
けど、販売サービス業は店舗ごとに文化が違うからこそ
自分達で気付き自分達でより良くしていく、ということを常に考える必要があって
その結果、『着想』の特性が伸びたんだと
今振り返るとそう思います。

ルーティンなどは変わらず苦手だけど、その分得意に思えることもあり、
この自分の特性を活かして『働く』という事とうまく付き合っていきたいと思います。

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